一昨日の記事では、本来もめるはずはない契約締結議案の委員会審議が4日間の審議の末、可決された背景について、報道記事の内容からまとめてみた。その中で、7項目の決議内容を紹介し、“考えられない軽さ”との感想を述べた。ここでは、決議を一昨日に続いて再度紹介して疑問点を指摘する。
『川崎市議会、異例の「付帯決議」~給食センター契約議案の背景151110』
1.地域経済の活性化に資する
3.広く市民に利益を還元する事業を検討する
4.給食センターの相互連携を構築する
5.選定事業者の指導、モニタリングを実施する
6.社会的変化に対応した大規模修繕計画を策定する
7.PFI事業では地域経済に資する事業者を参入させる
以上が6項目であり、施設事業に関する一般論だ。特段、今回の給食施設事業に限られることでもなく、また、具体的な内容も含まれていない。
筆者が奇異に感じたのは「2」、その内容は以下だ。
「他の行政サービス・事業の質を低下させない」、「後年度負担への適切な対応」、
「減債基金に頼らない」、「健全かつ持続可能な市政運営を行う」
「後年度負担への適切な対応」及び「健全かつ持続可能な市政運営」は、どこの地方自治体であっても、首長と議会は考え方として基本的に合意しているはずだ。これを川崎市議会が決議するということは、余程、議会が市長の財政政策に不信感を持っているのか、あるいは他のことを含めて感情的な捻れがあるのか、そう思わざるを得ない。市民全体にとって、好ましくないことだ。
それも「契約締結議案」であって、かつ、債務負担行為は昨年12月に議決されている。この時、債務負担行為を含む補正予算案に反対したのは、共産党所属議員及び無所属・猪股議員である。
「後年度負担への適切な対応」及び「健全かつ持続可能な市政運営」に疑義があるなら、「総合計画」あるいは「財政計画」に関連して議論し、意見が異なるのであれば、それに対する修正案を提起するのが議会の本道のはずだ。
「他の行政サービス・事業の質を低下させない」及び「減債基金に頼らない」との内容も、“本気なのか”、と疑わしむる類である。
行政サービス・事業は常に監視されるべきものであって、不要であれば廃止するし、過剰であれば,質を落とすことは常に心掛けておくものだ。それは先ず、個々の事業で精査されるべきであって、既得権益として存在させるものではない。「事業仕分け」はその一つの手法であり、最近、河野行革相が国政において始めた「事業レビュー」も方向性は同じである。
また、“頼る”とは一時的にでも依存する意味を持つから、「減債基金に頼らない」とは、減債基金を利用しないことを意味するはずだ。そうであるなら、厳しい態度と褒めたい処、しかし、これまでの議会は「減債基金に頼る」ことを追認してきたのだ。過去の議決行為を反省しているとも思えず、かといって、新たな減債基金利用を拒否する覚悟もできていなと推察される。
以上が今回の決議を“考えられない軽さ”と筆者が感じた理由である。
巷の噂では、福田市長が公約に拘り、早期実施を強引に進めているとか、自らの地盤である宮前区での実施を早くするため、今回の南部地区のセンターから2時間かけて給食を運搬させるとか、問題にされているとのことだ。
しかし、議案に反対したのは月本議員ひとりだった。
結局、議会は「計画」も、「実行」もしない、「意思決定」機関なのだ。その意思決定も殆どが「承認型意思決定」であって、「提案型意思決定」は僅かなのだ。そこで、どうしても「監視」機関になってしまう。しかし、それは「法的」でもなく、「経営的」でもない。従って、「意見・要望」に集約される。
少しずつ、「提案型」への道へ進むことが議員として望まれる。それは行動型議員になることを意味している。
『川崎市議会、異例の「付帯決議」~給食センター契約議案の背景151110』
1.地域経済の活性化に資する
3.広く市民に利益を還元する事業を検討する
4.給食センターの相互連携を構築する
5.選定事業者の指導、モニタリングを実施する
6.社会的変化に対応した大規模修繕計画を策定する
7.PFI事業では地域経済に資する事業者を参入させる
以上が6項目であり、施設事業に関する一般論だ。特段、今回の給食施設事業に限られることでもなく、また、具体的な内容も含まれていない。
筆者が奇異に感じたのは「2」、その内容は以下だ。
「他の行政サービス・事業の質を低下させない」、「後年度負担への適切な対応」、
「減債基金に頼らない」、「健全かつ持続可能な市政運営を行う」
「後年度負担への適切な対応」及び「健全かつ持続可能な市政運営」は、どこの地方自治体であっても、首長と議会は考え方として基本的に合意しているはずだ。これを川崎市議会が決議するということは、余程、議会が市長の財政政策に不信感を持っているのか、あるいは他のことを含めて感情的な捻れがあるのか、そう思わざるを得ない。市民全体にとって、好ましくないことだ。
それも「契約締結議案」であって、かつ、債務負担行為は昨年12月に議決されている。この時、債務負担行為を含む補正予算案に反対したのは、共産党所属議員及び無所属・猪股議員である。
「後年度負担への適切な対応」及び「健全かつ持続可能な市政運営」に疑義があるなら、「総合計画」あるいは「財政計画」に関連して議論し、意見が異なるのであれば、それに対する修正案を提起するのが議会の本道のはずだ。
「他の行政サービス・事業の質を低下させない」及び「減債基金に頼らない」との内容も、“本気なのか”、と疑わしむる類である。
行政サービス・事業は常に監視されるべきものであって、不要であれば廃止するし、過剰であれば,質を落とすことは常に心掛けておくものだ。それは先ず、個々の事業で精査されるべきであって、既得権益として存在させるものではない。「事業仕分け」はその一つの手法であり、最近、河野行革相が国政において始めた「事業レビュー」も方向性は同じである。
また、“頼る”とは一時的にでも依存する意味を持つから、「減債基金に頼らない」とは、減債基金を利用しないことを意味するはずだ。そうであるなら、厳しい態度と褒めたい処、しかし、これまでの議会は「減債基金に頼る」ことを追認してきたのだ。過去の議決行為を反省しているとも思えず、かといって、新たな減債基金利用を拒否する覚悟もできていなと推察される。
以上が今回の決議を“考えられない軽さ”と筆者が感じた理由である。
巷の噂では、福田市長が公約に拘り、早期実施を強引に進めているとか、自らの地盤である宮前区での実施を早くするため、今回の南部地区のセンターから2時間かけて給食を運搬させるとか、問題にされているとのことだ。
しかし、議案に反対したのは月本議員ひとりだった。
結局、議会は「計画」も、「実行」もしない、「意思決定」機関なのだ。その意思決定も殆どが「承認型意思決定」であって、「提案型意思決定」は僅かなのだ。そこで、どうしても「監視」機関になってしまう。しかし、それは「法的」でもなく、「経営的」でもない。従って、「意見・要望」に集約される。
少しずつ、「提案型」への道へ進むことが議員として望まれる。それは行動型議員になることを意味している。