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ドイツ独断専行ユーロの亀裂拡大 Shock Move without Allies

2010-05-20 | グローバル経済
2010年5月20日(木)

ドイツは、メルケル首相が国内のファンドを含む投機筋に対する強い怒りの国内世論に答える形で、「裸空売り」(naked short selling)の禁止措置を、ユーロ各国へまったく事前相談無しに決行したことで、ユーロ圏全体の結束に大激震が走っている。

ユーロ圏の国家財政危機救済パッケージに関して、独仏両国は緊密に連絡を取り合ったが、今回メルケル首相はサルコジ大統領には何の相談もなく了解も取らなかった。

この禁止処置の対象となるのは、重要10社の株式、ユーロ圏の国債(sovereign bonds)と、これら国債の取引にかかわるクレディット・ディフォルト・スワップの3つである。これらに対して裸空売りを仕掛けることを禁止したのである。

「裸」の空売り(naked short selling)とは何か。空売りは相場のリスク回避のための重要な取引手段であり、そのものは合法化されたものであり通常は値下がりを予想する株を、現物を借りて、その株の先物を売ることを指している。その先物の決済日に約定価格以下で市場から買い戻せれば、差額がトレーダーの利益となる。

トレーダーはこの空売りに際して現物を借りてくることが原則として定められているが、実際にはそれを省略して、借用にかかるコストをセーブするトレーダーが多い。現物を借りて持っていない状態で、すなわち実質的に量的な制限を受けないで、空売りすることをnaked short-sellingと呼ばれている。

これがリーマンショック以来の金融危機の引き金を引いたと「目の仇」にされて、米国やドイツの規制機関は規制の網を掛けようとしてきた。

さて今回のドイツのいわば独断専行は、株式、国債、デリバティブなどすべての金融商品は、ユーロ圏を越えてグローバルになされているのに、果たしてドイツ一国が規制を掛けて有効なのかどうかその効果が疑問視されている。

しかしマイナス効果は絶大で、市場に今後さらに金融市場に規制が導入されるのではないかという不安心理を支配させることになった。そしてユーロ各国の協調精神にもヒビを入れた。これをFinancial Timesは、German’s shock move without allies(ドイツの友邦なき電撃作戦)と評している。

ユーロ各国は、金曜日に善後策を協議することになっているが、結果次第では、市場をさらに混乱させる恐れがある。
ジャンル:
経済
キーワード
リーマンショック サルコジ大統領
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