昭和30年頃の群馬県沼田市でのこと、
今では関越道や新幹線も通るようになったこの地、
古くは真田の城下町として
市街は林業で非常に栄えていた
夜は真っ暗、
若き新婚だったわが両親は城址公園へとそぞろ歩き
城址公園の高台から川向こうを臨む
すると利根川挟んで向こう岸暗闇のなか
道なき場所を小さなぼんやりとした明かりが
ふらーり ふらーり揺れている。
深夜2時
それは長い提灯の隊列となり移動してゆく
街のひとはそれを狐の嫁入りといい
別段不思議には思っていなかったものの
近づいてはよくないものとして
それが実際なんなのかは知ろうとはせず
多くは夜動物の目が光るのだということになっていたそうだ、
月の出ていない日
暗がりを提灯の一団が延々ゾロゾロと行く
それは少し離れた対岸からはかなり不気味な光景だったそうです
年に一度の晩あったという、
狐の嫁入りと名付けられたもの、
それがなんなのかはわからない。
これは父から聞いた実話でした。
#日記 雑論
群馬沼田市