ガラスの御伽噺 リョウ 香 の パロ

ガラスの仮面、シティ-ハンタ-(RK専門)のパロ 小説
・・・時代考証はゼロ

原作等とは一切関係ございません

YOU CAN‘T HURRY LOVE ~11~ 相棒・・・?

2017-07-15 12:48:31 | シティーハンター

獠は赤いクーパーを十条の工場へ向かわせながら嫌な予感がしていた。

依頼人の十条を新宿の冴羽アパートにかくまっている最中にもかかわらず、香がなかなか愛車のフィアットパンダに戻らない。岬と別れがたいからと言っても、この状況で長く世間話するほど香だって素人ではないのだ。

古い工場と民家が密集する細い道ではそれほど速度も上げられない。

獠はジリジリする想いを抱えていた。だが・・・。

前方の視界に入るのは、かつての相棒でアメリカでナンバーワンを競い合った男、ミック・エンジェル。

道路の右側を、民家の塀にそうように飄々と歩いている。こんな場所で真っ白いスーツをきているものだから、多少あたりが暗くても目立って仕方ない。

エンジャルダストの後遺症でスイーパーを廃業し、今はジャーナリストに転身したこの男がここを歩いている理由は二つ。

まずは、スクープ狙い。

どこで嗅ぎ付けるのか、流石というべきか。嫌味なほどこの男は鼻が利く。獠も時々ミック情報の速さには人知れず舌を巻くことさえある。

でも、重要なのは、もう一つの理由で・・・。

獠からみたらミックの狙いは考えるまでもなく一目瞭然。

どうせ、向いのアパートから冴羽アパートの一部始終を観察して、香の後をつけてきたと察しがつく。

香はミックにとって永遠の聖母だ。

けど、同時に、香が絡むと必ずと言っていいほど何かしらアクシデント起こるので、フィアンセのかずえにも当然内緒だが、香の尾行(・・・ストーカーともいう。)は彼の密かな楽しみで・・・。

香のそばにいると、いつだってワクワクとエキサイトな日常が送れるのだからミックにはこの習慣は止められない。

そんなミックの脇に獠はわざと急ブレーキをかけて停車した。勿論、ここにいれば自分のクーパーが通る事もミックは計算づくなんだろうと獠の頭脳は即答している。

正直、獠は無視して通り過ぎたい気分だ。ミックのジャーナリスト魂丸出しの野次馬根性は結構面倒くさい。でも、ここで無視すれば、後々もっと面倒になることも明瞭で。

獠は、渋々クーパーを止めたのである。

『リョウじゃないか!!』

まったく白々しいが、ミックは大げさに驚くジェスチャーをしてみせる。両手の白い手袋が夕闇に美しく生えた。まるでそこだけ切り取って貼り付けたように、ミックの立ち姿は格好いい。

色男であるには間違いない。・・・が、獠もミックも大抵は三枚目専門で・・・。

『るせえ!ミック! おまえ見え見えなんだよ!

何も言わなくて助手席に乗り込んでくるミックに思いきり文句を言いながら、獠は再びクーパーを走らせた。

『六本木で面白いネタ聞いたんだよ♪』

ミックは両手を頭の後ろに組み、勝手にリラックスしている。獠の怒りは完全スルーだ。

『ちっ!ミック、お前、炭素繊維のこともう聞いてんのか。』

ミックが情報を持っているのは分かり切っているので、獠は隠すこともなく続ける。

『それもだけど、ねえ、リョウ。最近、チンピラあの近辺で殺されたじゃん。暴行されて、そんで、撃たれてさ。』

冴子から聞いた話の事と獠も検討つく。

『麻薬の密売人の底辺の連中の事だろ?・・・やっぱ、日本だよなあ。メキシコだったらそれじゃすまねえ。ダルマ状態で発見てとこだぜ。』

獠は南米にいた頃、麻薬戦争の犠牲者を嫌という程見てきた。香とはこんな会話絶対しないけれど、ミックの前で猫をかぶってもしょうがない。

それに、ミックだって、かずえに言えない黒い秘密はいくらでも抱えている。

普段はヒョウキンなキャラクターの二人だけど、二人きりになれば互いに地で話す。普段、完全にポーカーフェイスでそんな黒い自分たちを消しているけれども。

もっとも、傭兵上がりの美樹とファルコンは、獠とミックの裏の顔を良く知っている。香やかずえたちの前では二人の三枚目の芝居に合わせているのだ。

生々しい獠とミックの会話が始まった所で、香のフィアットパンダに付けていた盗聴器がようやく音を拾った。

“・・バン!”“・・・バン!”

ほぼ同時に車のドアを勢いよく閉める音が聞こえる。

『ヤット、香帰ってきたね〜♪』

冗談めかしてミックは話しているが、ドアが閉まる音だけで獠もミックも何か展開があったことは読めている。獠はアクセルを強めた。

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