ガラスの御伽噺

ガラスの仮面、シティ-ハンタ-(RK)、AHの小説、BF
時代考証はゼロ
原作等とは一切関係ございません

透明な雫〜3〜

2017-08-30 14:21:37 | AH

カラン、カラン♪

『いらっしゃいませ、アッ?!陳さん!』

開店早々、隣の中華料理店玄武門店長にして、李大人の侍従長が喫茶キャッツアイにやってきた。

『ファルコンはどうした?シンフョン?』

陳は、椅子に掛ける事もなく杖を真正面についたまま、規律の姿勢だ。

『今日はミキとでかけています。ミキが作ったサンドイッチ持って、上野の動物園にいくそうですよ。』

こんな朝からの陳の登場に信宏は驚いたが、陳に驚かされるのは慣れているので、いつもの調子で話し出す。

『そうか・・・。では、帰りは夕方かの。』

『遅くならないと思いますが。ファルコンさん、アメ横でアヒルの頭を買ってきてくれるので、今夜はから揚げを作るんですよ。香瑩と冴羽さんも呼ぼうと思って。』

信宏は店で出すメニューの準備に、ジャガイモの皮をむきながら話す。

信宏のいつもと変わらない様子に、陳は出直す事にした。

『そうか。だが、信宏。今夜は、それどころではないかもしれないぞ?』

『え?』

信宏が顔を上げると、陳の姿は店内に既になかった。

  «続»

 

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