ガラスの御伽噺 リョウ 香 の パロ

ガラスの仮面、シティ-ハンタ-(RK専門)のパロ 小説
・・・時代考証はゼロ

原作等とは一切関係ございません

雨の日はそばにいて / 3 «完»

2017-06-13 12:17:34 | ガラスの仮面

人目もあるホテルの通路で、斉藤ハルカは真澄の腕に縋り付いたまま肢体を摺り寄せていた。はたから見てもあからさまなハニートラップだが、ここで簡単に腕を振り切れば看板女優のメンツに傷がつく。ホントはドン引きしているが、真澄はこの手の経験は無駄に豊富だ。

『・・・もう、梅雨入りだな・・・。』

穏やかな真澄の声が頭上から落ちてきて、斉藤ハルカは潤ませた瞳で見上げる。自分の言葉に続かない真澄のセリフに戸惑いの色を見せた。

『・・・社長?』

それでも、精一杯の優しい声で斉藤ハルカは真澄に問いかける。

今を時めく女優だ。確かに美しい。ほっそりとした腰は真澄の厚い胸板との対比が一層に彼女を儚く見せる。給仕係の男性スタッフが通りすがりに斉藤ハルカを認めて吐息をはくのが聞こえてきた。

『今、雨が降っている。・・・君の肩を濡らすには冷たすぎる。』

真澄はそっと左手を斉藤ハルカの肩に乗せた。

『君は暖かい。冷やすんじゃないぞ。』

再度、真澄は斉藤ハルカの瞳を強く見つめる。

いつのまにか、斉藤ハルカは真澄のペースにのせられていた。トラップを仕掛けたのは自分なのに、触れられた肩は熱を持ち、真澄から薄く薫る男物のコロンの匂いに夢中になっている。

『・・・社長・・・』

真澄は女の呼吸を計る。

『今度、食事にでも行こう。君に見せたい風景がある。・・・今日はパーティーの出席、お疲れ様だったな。おやすみ。』

いつの間にか真澄の言葉を聞くために、力が抜けた斉藤ハルカの腕から自身の体を離すと、真澄はホテルから退出していった。

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“まったく、久々の手合いだ。彼女のマネージャーと昼飯食いながら三者会談だな、こりゃ。”

真澄は流石にアルコールが入っているので、ハンドルは握らず、社用車の後部座席でメールをチェックしながら左手でネクタイを軽くゆるめた。先

ほどの二枚目社長の面影はなりを潜め、最近、水城を悩ますやんちゃなさが顔をのぞかせている。

“適当に見せたい風景があると言っていなしたが・・・、ふ・・・、高層ビルのレストランだな。大都のビルのテナントではまずいか・・・。”

辻褄あわせの店を算段しつつ、メールを開いたり削除したり右手は動く。

“・・・紫織さんと見合いした記事がでてから、御無沙汰だったからなあ”

涼しい顔で、割と呑気に構える自分にほくそ笑むと、送信ボタンを押す。宛先は恋人のメルアドへ。率直な言葉を乗せて。

 

TO M FROM M

 雨の日は、君の思い出と重なる。そばにいたい。

 

 

 

 

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