日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

あなたとつくる、希望の群馬。

補正予算に対する反対討論 「戦争法案の廃案を求める請願」などの採択を主張

2015年10月08日 | 群馬県議会
昨日(7日)の本会議で私が反対討論した内容です。
通常、討論時間は一人10分ですが、コンベンション施設予算関連の修正案が出された関係で、伊藤議員とあわせて10分ということに直前になって気づき、原稿を慌てて短くしました。
1会派で10分というのはいかにも短すぎる!

以下、その全文です。
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日本共産党の酒井宏明です。通告してあります議案および請願について委員長報告に反対の立場から討論いたします。
127号議案についてです。
被災農業者向け復旧支援に4000万円が計上されるなど評価すべき点もありますが、コンベンション施設建設や「7つの交通軸」など相変わらず開発優先の補正予算であり、129号のコンベンション施設建設基金条例とともに、賛成できません。
コンベンション計画については、このあとの伊藤県議の討論にゆずります。
次に、本予算には木質バイオマス発電燃料チップの製造施設に対する補助が含まれています。これは前橋市の宮城地区に関電工などが計画しているバイオマス発電所の関連施設です。発電規模6700キロワット、約7000世帯分の電力供給を見込む大規模施設です。エコの名による環境破壊の過大な開発であり、エネルギーの地産地消にも反します。
燃料として使用される地域の間伐材は年間8万トン。しかも放射能汚染された地域も含まれ、この木材を燃やせば何十倍、何百倍にも濃縮され、放射能の2次汚染が心配されます。
清掃工場であれば環境影響評価を行い、土壌汚染、地下水汚染、景観や環境など多角的な調査をし、対策を行いますが、木質バイオマス発電は対象外です。100軒の住宅が隣接していながら、騒音や振動、低周波などの被害について具体的な方策も示されていません。
周辺住民から不安の声がたくさん寄せられています。住民合意のないまま発電所建設を推し進めることは認められません。よって、関連施設への補助金を盛り込んだ予算には反対です。
さらに本予算には、自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)4基分5000万円が盛り込まれています。運用次第では個人のプライバシー侵害につながりかねないものです。データセキュリティが叫ばれている今日、警察の内部規定に基づく厳格な運用はもちろん、犯罪捜査以外に恣意的運用をさせないためにも、第三者機関の設置が必要です。こうした担保がされないまま、システムを更新することには反対です。

次に請願についてです。
総務企画1号、5号、12号はコンベンション建設計画の見直しを求める請願であり、採択を求めます。
同2号4号、7号および13号は安保関連法案、戦争法案の慎重審議や廃案を求める意見書提出についての請願です。
安倍自公政権は9月19日未明、参議院本会議で同法案の採決を強行しました。満身の怒りを込めて抗議するとともに、一日も早く廃止することを強く求めるものです。
戦争法は、日本国憲法に真っ向から背く違憲立法です。戦争法に盛り込まれた「戦闘地域」での武器や弾薬、燃料を補給する兵站活動、戦乱が続く地域での治安維持活動、米軍防護の武器使用、そしてこれまで自民党政権が憲法上認められないとしてきた集団的自衛権行使――そのどれもが、憲法9条を蹂躙して、自衛隊の海外での武力行使に道を開くものです。
圧倒的多数の憲法学者や元最高裁判所長官、歴代の内閣法制局長官までも憲法違反だと表明。改憲論者の中からも反対の声が上がっています。各地の弁護士会や大学関係者、文化人、若者や女性など多くの国民も反対し、群馬県内でも党派を超えた2000人規模の集会やデモ行進が行われました。また、邑楽町や玉村町など地方議会でも「廃案」や「慎重審議」を求める意見書が可決されました。
徹底審議が求められていたにもかかわらず、数の力でゴリ押ししたことは、民主主義破壊の暴挙であり、断じて容認できません。
バングラデシュで今月3日、日本人男性が銃撃され、過激派組織イスラム国を名乗る団体が犯行声明を出しました。男性は農業にたずさわっていたといいます。なぜ殺されなければならなかったのでしょうか。こうした蛮行は厳しく糾弾されるべきですが、戦争法によって米国の同盟国とみられるようになった日本人が、海外で狙われやすくなる、反米勢力から敵視されるようになった現実こそ直視すべきではないでしょうか。戦争でテロをなくすことはできません。憎しみの連鎖を生むだけです。
このように、自衛隊員だけでなく、国民・県民の命や安全を危険にさらす法律は廃止するしかなく、したがって本請願は、せめて趣旨採択とすべきであり、不採択に断固反対します。
最後に一言申し上げます。
選挙で勝ったら何をしてもいいというのが民主主義なら、国会や地方議会はいりません。数をたのんで何をやってもいいというのは専制政治そのものではないでしょうか。立憲主義や民主主義、平和主義という憲法の大原則を踏みにじる勢力に未来はないということを強調して、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。