表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

Hail Hail Rock 'N' Roll

2017-03-20 13:00:06 | Rock
Chuck Berry: Hail Hail Rock 'N' Roll Trailer 1987


チャック・ベリーが亡くなりました。享年九十歳。ロックンローラーとしては奇跡の長生き。大往生といって良いんでしょうね。
ブルースをはじめ、色々なミュージシャンが哀悼の意を表しています。それほど偉大だったんですね。ただ、追悼メッセージを発表している面々も"明日は我が身"な御年。それもチャックの域の長い音楽活動の賜物です。

小学生のときに『アメリカン・グラフィティ』を初めて観て、劇中で流れた「ジョニーB.グッド」のカッコ良さにシビれ(まだチャック・ベリーの名前は知らず)中学生の頃はその流れで古いロックンロール(俗に言うオールディーズ。当時たった25~30年前の音楽たち。今エイティーズを聴くのと変わらないんですね。)を良く聞いていました。やはりその中でもチャック・ベリーのロックは格別でした。
「スイート・リトル・シックスティーン」がなければ「サーフィンUSA」は生まれなかったし、チャックのギター奏法がなければローリング・ストーンズの曲だってキースの奏でるイントロやギターリフも違っていたはず。もしかしたらチャックがいなかったらビートルズの音楽だって変っていたかも知れません。チャックの名曲「バイ・バイ・ジョニー」がなければブルースだってエルビスの追悼に「ジョニー・バイ・バイ」なんて曲作らなかったでしょうし。

そしてチャックがいなければ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中でマーティは「ジョニーB.グッド」なんて演奏しなかったわけで...あの映画史に残る?名シーンすら生まれなかったんですよね。極論すれば映画そのものだってなかったかも。

さらに1987年にはテイラー・ハックフォード監督渾身の音楽ドキュメンタリー『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』が公開され、僕の"チャック熱"がマックスに(笑)

我儘で思いやりの欠片もないチャック。自身のヒーローのためにアニバーサリー・コンサートを何とか成功させようとするキースの緊迫したやり取りが興味深い作品です。
しかし同世代のリトル・リチャードやジェリー・リー・ルイスのチャック評、チャックをヒーローと崇める一世代二世代あとのミュージシャンたちの語るチャック愛。もちろんブルースが語るチャック愛もありますが、印象的だったのはキースのインタビュー。「昔後ろから声をかけたら振り向きざまにブン殴られた。でもオレが殴り返さなかったヤツはチャックが初めてだよ...」みたいなことを嬉しそうに話すキースの笑顔は最高でした。
とにかくみんな性格破綻者なチャックのことを楽しそうに話すんですよね~不思議。

劇中の演奏シーンは文句なしのカッコ良さ。いつかこのステージ部分だけのノーカット版が観てみたいです。

動くチャックを観てしまった僕の中では"ナマでチャックが観たい病"が発症していましたが、そんなにタイミングよく来日公演があるはずもなく、その病を治すのには約二年の歳月が必要でした。


1989年8月14日。会場は中野サンプラザ。開演は確か18時30分?
まるで高校生のギター部かなにかの演奏会のような味気ない(とってもシンプルな)ステージで、当時まだ六十二歳のヒーローが何と時間通りに登場。あの映画を観ていた僕は「チャック=性格破綻者、我儘、暴君etc...」という思い込みがあったので、時間通りに出てきた御大に面食らいました。
そして何のMCもなくいきなり演奏がスタート(代表曲は網羅していたとは思うけど全く覚えていません)。とにかくタイトでカッコ良くて緊張感溢れるステージだったのは記憶しています。
結局トータルで一時間弱、アンコールもなくパパッと演ってササッと帰って行ったチャック。イマドキのコンサートのように物販も全く無かったので、あの日の思い出は家のどこかにしまってあるチケットの半券と消えかかっている記憶のみ。
その後も一回くらいは日本に来たようですが、再び会う夢は叶わずじまい。

ご冥福をお祈りします。


☆3/29追記:ファンサイトにてブルースとチャックの深い関係が記事になっています。

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