Division of Infectious Diseases, Department of Medicine

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急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

2009-05-09 | 消化器・肝・胆・膵
対象:研修医○ 一般内科医/後期研修医 ○ 専門医 ○
論文選定方法の明記:有り
エビンデンスの評価:有り
総評:論文選定方法、エビデンスの評価、外部評価いずれも明記されておりお手本のようなガイドライン。元々急性膵炎と共に施設ごとに治療法が大きく異なる疾患のためホンガイドラインは大変貴重である。内容も簡潔でわかりやすい。定期的な改訂を望む。Mindsで無料公開。

エッセンス:急性胆管炎は二つの機序、すなわち胆道閉塞と胆汁中の細菌増殖により起こる。ERCP後急性胆道炎の発生頻度は胆管炎0.5-1.7%, 胆嚢炎0.2-0.5%。胆石を有する場合、無症状で1年間に1−2%、有症状の場合で1−3%で合併症を発症。急性無石胆嚢炎は急性胆嚢炎の2-15%を占める。
急性胆管炎の診断基準:発熱、腹痛、黄疸のいずれか+ALP,GGTP, 炎症反応高値の2項目を満たすもの
急性胆のう炎;右季肋部痛、圧痛、筋性防御、Murphy sign,のいずれかに発熱、炎症反応高値を認め急性胆のう炎の画像所見を認めるもの
急性胆管炎
急性胆管炎では中等症は速やかにドレナージ、軽症は待機的ドレナージ、重症は循環サポートを行いドレナージ。
胆管炎の初期治療は早期から積極的に血液培養を行う、又機会がある限り胆汁培養を採取する。
原因菌:E.Coli, Klebsiella , Enterococcus, Enterobacgter, Streptococcus Pseudomonas, Proteus,
アミノグリコシドはグラム陰性桿菌には抗菌活性が強いが胆汁移行性が極めて不良であり、単剤では無効。
胆道閉塞を伴う場合ではビタミンK欠乏症に注意する。
胆管炎のドレナージはENBDあるいは胆管チューブステント留置のいずれを選択してもよい.ESTの付加に関しては患者の状態や術者の技量と判断によって選択すべき。
胆管炎改善後胆嚢結石が残存している場合は胆嚢摘出術、無石胆嚢炎の場合には胆嚢炎の発症は1%前後と低く胆嚢摘出術は不要である。
急性胆のう炎
胆嚢腫大の目安:長径8cm, 短径4cm以上 胆嚢壁4mm以上
急性胆のう炎に胆嚢癌が合併症している頻度は1−1.5%である。 
高齢者では胆嚢癌の合併頻度が高い(9%)
急性胆のう炎における穿孔の頻度は2−15%。
中等症では初期治療と共に迅速に手術や胆嚢ドレナージの適応を検討する。
初期治療としては12−24時間経過観察し治療反応性をみて、その後基本的に早期の胆嚢摘出術を行う。(発症から72−96時間以内) 
発症後2週間前後は癒着のため手術が困難なことがある。 
12−24時間の初期治療に反応しない場合には緊急手術の適応となる。 
黄疸例や全身状態が不良な症例では、一時的な胆嚢ドレナージも考慮する。
胆嚢ドレナージ術の適応はsurgical high riskのため手術が行えない、施設の事情により早期手術が行いない。患者の手術拒否などの要件を満たす場合。 
PTGBDの短所としてはロウ孔形成までドレナージチューブの抜去ができない。患者のADLが制限。
無石胆嚢炎は重症患者に発生する場合が多い。 
通常の急性胆のう炎と比し、予後が悪い。 

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キーワード
胆嚢摘出術 グラム陰性 エビデンス 診療ガイドライン
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