感染症内科への道標

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人での狂犬病、暴露前、暴露後予防 (WHOガイド 2014)

2017-08-10 | ワクチン・Travel Medicine
WHO Guide for Rabies Pre and Post Exposure Prophylaxis in Humans

画像:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

本邦に関するする部位を抜粋

1. 傷口は速やかに15分間洗浄し、消毒すること。
2. WHO推奨を満たすワクチンとグロブリンを速やかに投与すること。
3. 効果的で安全なルートで投与すること。
4. 禁忌はなく妊婦、乳児も適応である。
5. グロブリンは最初の受診で投与できなければ最初のワクチン接種日から7日間まで延ばすことができる。
6. 暴露後予防は抗体検査の結果や、犬の状態を待つべきではない。
7. 狂犬病洗浄地域ではいらないかもしれないが、エキスパートアセスメントが必要である。
8. 発症から数ヶ月たっていてもワクチン接種は行うべきである。
9. 暴露源の動物がワクチン接種済みで10日間経過し元気もしくは、検査で陰性であれば中止できるかもしれない。
10. 流行地域では安全が確保されない限り速やかに暴露後予防ワクチンを行うべきである。


カテゴリー1(危険性なし) 
:動物に触れたり、餌を与えた。動物に傷のない皮膚をなめられた
→処置必要なし

カテゴリー2(低い危険性)
動物に直接皮膚をかじられた。出血を伴わない引っ掻き傷やすり傷ができた。
→ただちにワクチン接種を開始する。

カテゴリー3(高い危険性)
1か所以上の咬傷や引っ掻き傷ができた。動物に粘膜をなめられた。動物に傷のある皮膚をなめられた。コウモリとの接触。
→ただちに抗狂犬病ガンマグロブリンとワクチンを開始する。グロブリンは7日間まで延ばすことができる。

*狂犬病グロブリンは日本では入手不可能である。


暴露後予防接種スケジュール
・接種部位:2歳以上では三角筋、1歳以下では大腿外側。臀部には接種しない。
5回接種法:0, 3, 7, 14 and 28
4回接種法:2-0-1-0-1 (初回:両三角筋)、次に7日目、28日目
CDCでは免疫グロブリン+4回接種法を推奨(0,3,7,14)

*免疫不全の場合:可能であれば2-4週で抗体反応を検査する。 
*種類の異なる狂犬病ワクチン接種:同一ワクチンが入手できない場合は可能

予め予防接種を受けていた方
・免疫グロブリンは不要
・0, 3日でワクチン接種を施行
(HIV,免疫不全の方は除く。又、はっきりしていない場合も除く)

暴露前予防接種スケジュール
3回接種:0,7, 21 or 28 日
*数日間の誤差は重要ではない。

*追加接種:
1) 狂犬病診療、研究に従事する方は半年毎に抗体検査、0.5 IU/mlを下回ったら予防接種
2) 流行地域で獣医、動物取り扱いをする方、野生動物監督者は2年毎に抗体検査、0.5 IU/mlを下回ったら予防接種
3) 一般旅行者は、追加接種は不要
→Verorab, Rabipur共に添付文書には追加接種について記載あるが、WHO、CDCではいずれも不要としている。


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