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札幌医科大学付属病院GIDクリニック通院者と家族の会です。

第二回『WITH US(私たちとともに) 性同一性障害』講演会の模様

2007-10-20 | 講演会
 
第二回『WITH US(私たちとともに) 性同一性障害』講演会の模様

去る10月20日、性同一性障害学会の理事であり、NHK教育テレビ「ハートをつなごう」でもお馴染みの精神科医、針間克己氏と北海道で唯一性同一性障害の治療を行っている札幌医科大学病院で当事者の治療にあたっている精神科医、池田官司氏のお二方を招き、北海道大学高等教育機能開発総合センターを会場に講演会が行われました。

 

昨年の実績と、針間氏の知名度からでしょうか、会場には昨年実績を上回る100名超のご来場者が訪れ大盛況となりました。昨年は上川あや氏を迎え、当事者の立場から講演を頂きましたが、今回は医療に携わる精神科医により医療としての講演となりました。特に、針間氏からはSRS(性別適合手術)後の性生活に関するデータが示され、これまでに無い赤裸々な当事者の状況が報告されました。 

講演後、ご来場の方々から自由形式によるアンケート【ご感想】にご協力いただき、沢山のご回答を頂きました。
その内容は下記に記載しておりますが、今後も一層の性同一性障害の理解に向けた取組が必要であると感じるものであり、この講演が実りある講演であったと感じさせるには十分なものでした。

なお、この講演に際し、後援を頂きました「北海道」様、「北海道教育委員会」様、「札幌市」様、「札幌市教育委員会」様、「北海道新聞社」様、「札幌医科大学」様及びメッセージを頂きました上田文雄札幌市長様、佐藤英道北海道議会議員様にこの場をお借りし深く感謝いたします。

【ご感想】※誤字と思われる箇所もございますが記入いただいたとおり掲載しています。

・性同一性障害の患者さんの外見が予想していたよりも精神的な性に近くて驚いた。テレビなどでよく見聞きする疾患であったが、ほとんど法的なことに関しては知らなかった。ジェンダーについて興味を持った。障害を持っている人を患者と呼ぶべきなのかどうかは難しいと思った。

・今まで性同一性障害の患者は皆「身体を男/女にしたい。」と思っていると思っていた。しかし、実際は性同一性障害にも程度があり、軽度~重度と幅広いことがわかった。私は昔から男の子のような遊びを好み、マンガも映画も一般的には男の子向けのようなものを好んでいた。考え方もよく友人からさっぱりしていてヘタな男よりも男らしい、と言われたりする。しかし、私は「自分は女である」と思っているし、そうであることに不快感はない。どこからが障害でどこまでが障害でないのかは、たとえ医師でも判断は難しいのだろうと思った。性別は、社会の中では大切なものと考えられているが、私は、目の前にいる人を、男、女という性別で大きくくくったりせずに、その人はその人、というスタイルで見たり、付き合ってきた。社会的にもそのような動きが出てくれば、偏見etcによる患者の悩みや苦しみはなくなるのではないかと思った。

・SRS、法律上の問題まで含め、普段知る機会の少ない話が聞けて有意義でした。当事者の具体的な声も含め、GIDの方々と普通につきあえるような条件、違和感を取り除いていくためには、このような機会で正確な知識・情報を得ていくことがとても大切だと思います。

・性同一性障害の治療の過程をピラミッドと海にたとえた話が印象深かった。皆が同じ最終的な目標を持っているわけではないというのはなるほどと思った。

・今日は友人に誘われて来ました。針間先生に会えると思ったからです。TVではよく見ていたので、先生には興味がありました。思った通り先生らしくない先生だった、から身近に感じた。あと、友人がタイで子宮、卵巣手術をして今医大で性別変更を希望している人がいますが尿道延長していないということで変更ができないでいます。が、針間先生の話だとできるのではないかと思った。池田先生を中心に1日でも早くこんな人たちも変更できることを願っています。

・針間先生のお話は分かりやすくてよかった。今我が子が戸籍の変更に悩んでいるので、早く東京のような基準で変更できることを願っている。これを機会に、医大でも針間先生の申請法に学び、裁判所に働きかけてほしい。

・今まで漠然としか知らなかったので、勉強になりました。様々な方がいるのだと思いました。

・大変参考になりました。現状について、より理解できました。

・針間講師、池田講師、当事者の方々の話を聞かせていただき、大変勉強になりました。相手の気持ちを尊重するという一般的な考え方だけでは解決できない「多様な」考え方」が必要であると感じました。(勿論ある程度専門的な知識も必要)特に就職の問題には、考えさせられることが多く、現在の職場では、まだまだ理解されていない分野です。

・SEXについて、お話聞けてよかったです。やはり、知りたいけど聞きづらい部分だと思います。もう少しメンタル面(本人、周りの人、家族など・・・)の話を聞けたらよかったと思います。また、このような講演会を機会に無知な私達が、より理解を深めて、差別なく生活できる世の中になっていったら良いと思います。私は、知り合いに2名性同一性障害の方がいます。心の中で様々な想いがあること(家族や恋人を含めて)見てきました。胸をはって、カミングアウトできることを祈るばかりです。(プチ整形が当たり前なように、むしろ、病気としてもっと認められ手術に関しても他の疾病と同じく保険が使えたら良いと想います。)

・あまり知識のないまま講演会に参加させていただいたのですが、分かりやすく、参考になりました。今後このような機会があれば、当事者の心理的側面についても聴くことができればと想います。

・100名を超す参加者、盛会を喜んでいます。市民の関心も今後更に高まると思います。意識してやっているのなら良いのですが、一般的な進行では、主催者あいさつ→来賓あいさつ→基調講演・・・・のようになろうかと思います。形式的なことなのですが、参加者が増えていくと色々な意見の方も来ますので、考えてみてはどうでしょうか。

・性生活の話が大変ためになりました。術後の写真がみたかったです。やっぱり内摘のみで戸籍が変更できたりできなかったりするのはおかしい。生の針間先生の話が聞けてうれしかった。寝ててうけました(スタッフ注;寝てない!考えていたのだ・・とのことです)またこういう機会があれば来たいです。

・針間先生のSRS後の性生活についての調査結果、特例法の実際の運用の話、特に興味深かったです。若い方の出席も多く、GIDの理解を広めるためにはよかったのではと思います。開催にかかわった皆様お疲れ様でした。

・時間が空いたので視野を広げる意味を込めて参加しました。札医の1年なのですが、授業で勉強した以上に、生の声や、深い話が聞けてとても良かったです。自分の周りでは、あまり、性同一性障害の方やcoming outされている方はおらず、特別な日になりました。彼ら彼女らに対する考え方も柔軟になり今後の役に立ちそうです。特例法など社会の動きは見えるものの、なかなか一般の人の心の中までは大きく変わっていないと思います。時間をかけてゆっくりがんばってほしいです。そしてその努力の一端でも自分が参加できればいいと思います。

・私は未だきちんとGID外来を受診したことはありませんが、近くの病院でキャリアのある専門の先生にかかりたいです。・・できれば札医大で。自分は何者か?自分は本当に性同一性障害者なのか(←私は今のところ軽度・・(少なくとも女性の下着を身につけていれば、家族の前、職場では我慢できています))の性同一性障害者だと思っています。私は、できれば女性の体になって子どもを産んで育ててみたい。でも、それが叶わないので今のところ自分の体を変えようとは思いません。→女性の体しか好きになれないし、子どもがほしいので、自分の体は嫌ですし、体毛を極力処理し、性器を見たり、触りたくないですが、我慢できています。今のところ、これで安定しています。好きな服装をめいいっぱい着て~発散して、なおかつ友達もたくさんできました。私を理解してくれる方と結婚したいです。

・GIDの分岐点の話を聞いていると、GIDであるとしても、「あなたは何故女?何故男?」と質問したい。きゅうくつなジェンダーしばりで考えると暮らしにくい。生きにくいとなりますよね。就労に関しても、男や女を売りにする仕事につきたければそれなりにあるでしょうが、どう働きたいかは性別に関係しないと思います。

・針間先生の講演は分かりやすく聞けました。ただ、実行委員会の皆様を交えたパネルトークについては、ふんいき的にどうだったのか疑問です。針間先生は、もっとちゃめっ気が欲しかった気がするのですが・・実行委員会の皆様、どうも、お疲れ様でした。後、本日針間先生が紹介した当事者の方を呼んでの講演会を行うのですが、PRで紹介するのに、当事者と言って紹介するのが、最近非常に疑問を持ち始めています。

・もっといろんな場所で、講演会をひらいてもらいたい。でもでも友人と話せればそれでいい。Hとかやらしい話はあまりしないでほしいな~。ちなみに、差別をなくすために、この世の中みんなががんばっていると思う。ぼくは、周りがマスコミも国も、同性愛や性同一性障害をばかにしない世の中にかわってもらいたい。みんなが普通にくらせる世界になればいいな~。これからも自分自身のために戦いましょう。

・なぜかあたたかい気持ちになりました。性同一性障害か否かは関係なく人として同じように接することが大切なのですね。当たり前ですが。何かまずい言葉を言ってきずつけるのではないかと少しビクビクする自分がいましたが、そんなことは気にしない方がいいのかもしれません。

・講師の方々の話は大変参考になりました。ただ、当事者の話をもっと多く聞きたかったです。例えば、どこの病院へ行っていて、どのような治療をやっていて、費用はどのくらいかかっているとか、どんな時に精神的に不安定になって落ち込んでしまうかなど、具体的な話を聞きたかった。札医大で新規患者を受け入れてない現状で、どうやって自分の悩んでいる状況を改善すれば良いのか、何か少しでも糸口が見つかればと思って参加してみたんですが、残念ながらあまり前進が期待できそうな話はなかったかなと思いました。ア~どうすりゃ良いんだろう、て感じです。やっぱ東京に行かなきゃダメなのかなって思いました。

・特例法のその後や当事者の社会的な事情など、とてもくわしく聞くことができました。「性同一性障害」のことばが一人歩きしてしまっているのも、きちんとした知識や自身と周囲の考えがしっかりしていなければ、一見いいいことに見えても実はそうではない、というのが興味深かったです。

・長い時間をかけて詳しくお話が聞けてよかったと思います。最後の1時間の質問と回答はとてもいい内容でした。大変ためになりました。

・内容が、実際の件数などとても具体的で参考になった。性別適合手術はどの程度まですれば性別変更ができるのか気になるところであったので、非常にためになった。手術後の性生活における満足度も、やはり気になるところだったので、とてもよかった。今後も具体的な話がききたい。

以上


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