2009年12月16日15時0分
発足した警視庁野球部のユニホームには、アルファベットで「MPD」、漢字で「警視庁」、そして袖にはマスコットのピーポくん=14日、東京都東大和市桜が丘3丁目、関田航撮影
警視庁に16日、野球部が誕生した。甲子園経験者3人を含む選手18人と監督の計19人の布陣。来年秋にも日本野球連盟に警察として初めて加盟し、将来は都市対抗への出場を目指す。部は機動隊に置かれ、部員は特別扱いせず、本業と両立させる。少子化で警察官の人材確保が厳しくなる中、野球部活動を呼び水に、心身ともに鍛え抜かれた優秀な人材を集めたい、との狙いもある。
機動隊の出動服をイメージした濃紺地の胸に「警視庁」「MPD(メトロポリタン・ポリス・デパートメント)」、袖にマスコットのピーポくん――。19人は16日朝、東京・霞が関の警視庁本部で発足式に臨んだ。米村敏朗警視総監が「警視庁史に新たな一ページを刻むという誇りと自覚を持ち、フィールドでも力強く、頼もしい警視庁を体現してほしい」と激励した。
野球部は第4機動隊(東京都立川市)の所属。選手18人は22~34歳の巡査、巡査長、巡査部長だ。このうち甲子園出場者は聖光学院(福島)のレギュラー中堅手だった巡査長(26)、控えでベンチ入りした千葉経大付属高(千葉)出身の巡査(22)と柏陵高(千葉)出身の巡査長(26)。主将の森山誠巡査長(27)は14日の初練習後、「みんなブランクがあるが、思ったより体が動いており、頼もしく思う」と話した。
監督は日大三高(東京)のエースとして79年夏の甲子園のマウンドを踏んだ中瀬洋警部補(47)。毎晩5キロの走り込みを続けている。大学卒業後、警視庁に入り、機動隊など警備部門を長く歩んだ。「苦しい時も、野球部時代の厳しい練習で養われた体力や忍耐力で乗り切れた」と振り返る。
警視庁では、40年ほど前までは官公庁大会に出場するためその都度臨時の野球部を編成していたが、グラウンド確保の難しさなどもあり常設されていなかった。
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