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日々の恐怖 5月11日 紅茶(4)

2017-05-11 19:26:42 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 5月11日 紅茶(4)




 保険会社の社員の話では、Yの元に来た男は服装や車両の特徴も、自社スタッフとまったく異なるという。
通常、豪雨時の応援には、最低2人以上のスタッフを派遣することになっているし、暖かい紅茶のサービスなんていうのも行っていない。
 Yはわけが分からなくなった。
保険会社の社員も同じくわけが分からないようで、

『 現地に向かっている筈のレスキュースタッフと連絡を取ってみて、現状を確認し次第、再度連絡します。』

と告げ、Yの返事も聞かず、電話は切られてしまった。
 Yは暫く放心したが、自分の置かれている状況を整理すると背筋が凍った。
前方のYの車両の脇で、何か作業をしている風なレインコートの影。

“ あれは一体誰なのか?
保険会社のものではないとしたら、今自分が乗せられているこの軽トラは何なのか?
この紅茶は何のために飲まされたのか?
ここから逃げた方が良いのか?
助けをまった方が良いのか?”

Yは混乱する頭で考えた。
窓の外を見ると、一時期よりは雨は弱くなっていた。
もし、逃げ出せるとしたら今がチャンスなのかもしれない。

“ でも、どこへ・・・?”

しかも、足場は最悪だ。
 考えが纏まらないまま、ふと前を見ると、男の姿が見えない。

“ あれっ・・・・?”

と思い、フロントガラスの結露をぬぐってもう一度よく見たが、やはりさっきまでいた筈の、男のレインコート姿が見えない。

“ どこへ行ったんだろう・・・・。”












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