本が好きである。手持ちの本が、小説だけでちょうど900冊を超えた。でも増加のペースは年々縮小、福井晴敏アニキ以来、好きといえる作家も現れない。これじゃいかんと思いつつ、なかなか知らない作家に手を出す気にはなれない。でもまあ、ラノベならサクサク読めるからいっか、と思い、有名無名を含めて15冊くらいまとめ買いした。
・・・まったくつまらない、わけじゃない。でも「続きが読みたい」を思わせる作品はない。所詮、おっさん向けには書かれていないのかと思ったけど、ひとつだけ例外があった。明らかに別格に面白い作品が。
それがとらドラでした。
昨夜10巻読み終えた。15冊まとめ買いで買ったのは1巻だけで、それ以降は改めて本屋で買って、ほぼ一日一冊ペース。2巻から10巻まで十日かかんなかったわ。こんなに短期集中で読んだのはハルヒ以来かも。
いや、面白いわこれ。まさかいい年したおっさんがラブコメにはまるとは。アニメは見てたし、その出来がよくてこのブログでも高得点をつけた。だから原作もいつか読もうと思ってたから買ったわけで、そういうアドバンテージはあるんだけど、やっぱり原作単独でも面白い。あ、違うか。話を知ってるのはむしろデメリットか。それでも読ませるのは作者の力量が確かなんだと思う。
現役を遠く離れた身には、恋愛要素そのものにはあまり動かされない。もちろん心理描写とかその延長である恋愛とかについても良く描かれてるとは思う。でも作者の真骨頂はキャラ設定と会話と、あとネタにある気がする。
マンガ的な設定ではあるけど裏面・内面を描くことでバランスを取るキャラ。
ありきたりな言葉遣いをしない会話シーン。常に予想しない方向に転がっていくのがいちいち楽しい。こんだけうまいこと擬音を使う人、初めて見たわ。擬音なんて文の流れを遮るものだと思ってたけど。
それに、しょーもないといえばしょーもない、ネタの数々。作者と同世代ゆえか、だいたいわかってしまうのがなぜか悔しい。
この人の文章って、いっけん軽いように見えるけど相当くどい。まったくベクトルがちがうけど、くどさのレベルは福井アニキに近い気さえする。ぐいぐい引き込まれる、はまり具合も近い。今回の映像流出事件、アニキはいろいろ思うところあるだろうな・・・関係ないけど。
そういえば女性作家ではまったのは宮部みゆきさん以来かも。小説もマンガも、好きな本は圧倒的に男の作家の方が多い。マンガは100%近いか。女性作家でしかも王道ラブコメが面白く感じるとは改めてびっくりだわ。
ただ、まったく不満がないわけじゃない。終盤は竜児の内面に入りすぎた気がする。大河はともかく、他のキャラがだいぶ置いてきぼりに。亜美とか急に素直になってるし。二人が主役だから当然かもしれないが、それまでは出番も平等に近かったので違和感がある。ラストもいまいちカタルシスがない。もっと明確に新しい一歩を踏み出すラストでも良かった気がする。それには高校を卒業させるのが一番だけど、なんでそうしなかったんだろ。「3年生編」があると期待していいのか。
ひとつ困るのが、アニメをまた見たくなったこと。さすがにDVD買うのは無理。テレ東はこういうのに再放送枠を使えばいいのにさ・・・。ネットで見るくらいならレンタルの方がマシか。
恥ずかしい話だけど、一昨日、夢に釘宮さんが出てきた。特に大ファンというわけでもないのになぜ、と思ったらコレが原因か。どんだけだよ。
久々に長文書いたら目は痛いし肩は凝るし・・・