シャボン玉の詩

残り少ない道のりになりましたが、
気持ちをこめて!
ありのままを!

青い飛沫(17)

2017-04-23 16:17:40 | Weblog
「しかし、あの山って存外高いからね、兄さん達ゆっくり行こうね」
「這いながらでも行くさ。恐らく僕と正義はこれが最後の墓参りになるだろうから。
 この小高坂山の事、一寸話しておこうか。この付近一帯は昔は小高坂村
 と言われていたそうな。小高坂山にも城があったと聞いている。
 それに対して高知城付近一帯は大高坂と言われておったそうな。
 僕らは小高坂村の出と言うわけさ。3人とも小高坂小学校だものね。
 当時の子供の頃の遊び場は高知城、小高坂山、鏡川、久万川、小高坂小学校の校庭だった。
 僕らの菩提樹は小高坂付近の永福寺。浄土真宗東本願寺大谷派だよね。
 幕末の頃、この寺の門前で下士と上士が切合いの大喧嘩したそうな。
 そもそもこの付近は倒幕に係わった下士が多く居たらしい。
 坂本龍馬も此処の永福寺の境内によく遊びに来たそうな。
「よく知っていますね、治兄さん。ところで、ここから高知城まですぐだけれど、
 それでも小高坂村という村の名がつたのは何故でしょうね」
「多分それは、城に近くても北側に位置し、所謂山の方向だったからだと思うよ」
「地理的に見て城下町にはならなかっというわけですね」
「多分そうだろうね。所謂農村地帯ともいえるんじゃないかな」

「ぼくら3人がみんな死んだらどうなる?」
「どうもなりはしないさ。墓に入って、それから天国で暢気に暮らすさ」
「いや、そういう意味ではなくて、今のあの家はどう処分すればいいの」
「お前様には息子二人いるじゃ。良きに計らえと遺言しておけばいい」
「末っ子の僕が頂いていいの」
「末っ子もへちまもあるものか。あれはお前様へのプレゼントよ。
 浦島家の本家と門札が残ってくれればそれが何よりも嬉しい。なあ正義」
「僕も兄さんも都会へ出た。これから関東と関西に根を生やしていくのさ。
 心配無用だよ」
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