シャボン玉の詩

残り少ない道のりになりましたが、
気持ちをこめて!
ありのままを!

青い飛沫(19)

2017-05-03 09:10:11 | Weblog
「治兄さん、なんだか苦労が滲み出ていますね。考えていることに深みがある」
「いやあ、確かに北京は辛かったが、お陰で自分が如何に無能であるかを知ったよ。
 一番の問題は言葉の壁にあり、とそればかりを悔やんでいたけれど、
 それが全てではないことに気付かされた。
 環境だよ、環境、文化の違いが大きかったんだ。
 つまり、そこから派生する考え方の相違がすれ違いスパイラルを生んでいた。
 これは根本的な問題であったんだ。
 他国と共同で仕事をするのにその国のことを知らずして何ができる?
 鼻高々と日本流を押し付けたってうまくやれるわけないだろうに。
 世界史、世界文化、そして日本とのかかわり方の識見、最後に英語力。
 これらの成績が僕はオール丙だったと言うわけ。苦労したはずだよ」

「僕の場合は、不可抗力といえばそうも言えるけれど、
 悔やんでも悔やみきれない大ミスをやらかしてしまった。
 仕事は先ず安全第一。偉そうなことを言っていた張本人が、懐があまかったんだね。
 一生の不覚。生涯この事件を背負っていくことになるだろうよ。
 Ccr18の腎不全を発症したけれどかえって気が楽になった。
 天罰と思えばね」

「治兄さんや正義兄さん達の苦労に比べれば、僕なんかは屁みたいなものだけれど、
 共鳴するところが所々あるような気がする。
 40人の生徒を受け持っていたけれど、それぞれに個性があった。
 特に育て方の違いが随所に見えるんだ。それはそれで当然のことだと思うけれど、
 立派な社会人に育てようという気持の見えない親がいた。成績ばかり気にしてね。
 何もかも先生のせいにして文句ばっかり言われても困る部分が半分はあった。
 親は何をしてるんだと言いたくもなったよ。
 親も、先生も、もっと自信を持たなきゃいかんと思っている。
 いじめの問題でもそうよ。
 触らぬ神に祟りなしみたいな思想では困る。挙句の果てには友までが傍観している。
 第一、褒めて育てるとかの発想は、あれは良くないと思う。
 叱る、褒める、メリハリを付けた教育を取り戻さなければ日本は滅びる。
 危機感を持っているんだ、僕は」
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