シャボン玉の詩

残り少ない道のりになりましたが、
気持ちをこめて!
ありのままを!

老人と犬(23) (彰ノ介日記)

2016-12-28 15:47:06 | Weblog
彼も風邪をこじらせて一週間程寝込んでいたと言う。
「ところで、モーモは凄い犬ですね。こんなにも爺さんのことを思い詰めて、
よく続くものだと感心します。それだけの事ではありません。
マナーガ素晴らしい。
あの楠木から一歩たりとも中に入って来ません。
これは爺さんの指導によるものだと思っていましたが、やはりそうでしたか。
モーモは誰からも愛されていますよ。
これはモーモ自身が人を愛しているからでしょう。
皆さんは賢くて立派な犬だと話は持ちきりですが、勿論それはそうでしょうが、
それよりも爺さんの人柄、いや、モーモへの愛情の深さを感じます。
おじさんは、モーモの様子を一気に喋った。爺さんは応える。
「モーモは賢くて優しい子だよ。僕の心の内をよく理解してくれる可愛い奴だ。
ところで、人柄だなんて、それは止めてください。僕はね、
あなたが考えているような人ではありませんから。
あなただから本当のことを申しますが、聞いてやっていただけますか。
若い頃私はわがままで勝手放題の毎日を送り、家庭を顧みず、怖し、
挙句の果てには娘や妻が気苦労のあまり重い病気にかかり、
次々と死んでいったのです。いや、嘘ではありません。
私は背負いきれぬほどの罪を重ねてまいりました。
私は、生き地獄を味わうことこそが彼等への供養と考え、
此処でひっそりと苦しみに喘ぎながら逝くことを覚悟しておりました。
そんな私を救ってくれたのがモーモです。

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