灼熱Inland Empire “育児” 奮闘記

南カリフォルニアはリバーサイドでの研究活動と生活の一端をまとめたブログ.パーマネント職をゲットするまでは続けるつもり.

出張

2006-02-22 13:52:18 | 研究
出張でDCに来ています.まっ正確にはバージニアですか.しっかし西海岸からは遠いです.ヒューストン乗り継ぎで,計9時間以上の長旅でした.早朝5時半に家を出たのに,結局ホテルに着いたのは東部時間で夜7時すぎで結局丸一日移動に使ったことになってしまいました.時差が3時間あるので,どうも調子が狂いますね.明日はこちらの朝8時半からミーティングが始まります.8時半ってカリフォルニア時間の5時半なんですけど.つらいです.

「楽勝科目」をなくせ、大学側授業向上目指す

2005-06-27 15:53:52 | 研究
タイトルのような記事がニュースサイトに載っていました.記事の頭を一部抜粋すると

『「出席さえすれば『優』が来る」「代返可」などの授業は、もはや昔話。大学側が「楽勝科目」の追放に動きはじめた。毎回の出席確認は当たり前。科目ごとに「A」の人数などの成績結果を公表し「甘い採点」を抑制したり、登録科目の途中放棄を防ぐ対策を講じたりして、授業の質向上を目指す。これに対して、学生もインターネットや手作りの情報誌で情報交換し、対抗策を練っている。』

とありました.大学の講義で「出席確認」って書かれると,ものすごい違和感感じませんか?少し前にも,代返が出来なくなる個人認証システムとかが話題になっていましたが,なんか違うだろーと思ってしまいます.学生が講義に出ないのは,そこから得るものがないからです.出れば,自分にとって何かしら得るものがあれば学生は出席します.教える側は,そのことを忘れていませんか?それは,出なければ試験の問題が解けない,とか宿題が解けない,と言うようなことでよいと思います.要は出席しなければ,ついていけなくなる講義をすればよいのです.なぜ,そんな簡単な事が,こうもウダウダとニュースになるのかさっぱり分かりません.代返させないシステム構築する前に,出席しなければ,落ちこぼれる講義したらどうですか?それが出来ないなら,出席しない学生に文句は言えないでしょう.そもそも授業料払っているのは,学生なんですから,出席しないことが何でそんなに問題になるのか分からないですね.「出席しない→問題解けない→単位つかない」でいいじゃないですか.簡単なことです.

プログラミング

2005-05-18 11:37:19 | 研究
たまには研究のネタを書かないといけないですね.

今やっていることは簡単に言えば,いわゆる世に出回っている汎用プログラムコードに,新しい機能を加えて,もっと難しいことを出来るようにしよう,ということです.結構流行っているコードなので,ユーザーは多いと思います.それはそうと,この新たに加える,と言う作業はなかなか簡単ではないんですね.先ず既存のソースコードを端から端まで読んで,いったい何が行われているのかを理解しなければなりません.作者にとっては何でもない作業なんでしょうが,そもそもの作者でない自分がやるとなると結構時間がかかります.最近ではずいぶんと分かってきました.でも,いまだに初めて見る変数や,いったい何のために必要なのか分からない変数なども出てきます.要は,説明が少ないんですよね.元の作者はボスなので,あまり大きな声で文句は言えないんですけどね.

一度なんかは,数週間に渡って悩んでいた問題が,実は二行ほどコメントアウト(無効にすること)したところを有効にするだけで解決したなんてこともありました.これを自分で見つけたのであればよいのですが,ボスがちょっと目を通して,自分が昔コメントアウトしたところを見つけ出したわけです.うーん,あんなに頭を悩ました数週間はいったいなんだったのだろうか?って少しガクっとしましたが,仕方ないことです.

最近は,データを使って解析する段階に来ましたので(と言ってもまだ修正を加える必要はありますが),少し気楽です.よい結果が近々出ればいいなーと思う,今日この頃です.


ポスドク

2005-05-04 14:40:02 | 研究
学位を取ってから早二年がたちました.世間では,「今やポスドクの経験はマストだよ(ポスドクの経験なくして研究職は得られない).」と言うようなことが言われているようですが,本当ですかねー?もし本当なら,いったいポスドクは何年くらいやるのがよろしいのでしょうか?もう三年目突入です.ポスドク経ずに,いい職取っている人もたくさんいることを思うと,なんだかなーという気持ちにはなりますが,まっ,気にせずやるしかないですね.まあ次の職を取れるように,業績だけはしっかりと増やしていきたいと思う,今日この頃です.

研究予算

2005-04-19 15:01:07 | 研究
ブッシュ政権の2006年度の研究開発予算案が発表されたそうです.あくまでも予算案ですのでこれから審議を経て多少の変更も加わって承認されるとは思いますが,予算の興味深い振り分けが見て取れます.アメリカと言う国を的確に表しているなーと思われる部分はやはり国防省(Department of DefenseあるいはDoD)の配分が研究開発予算全体の5割を超えていることでしょうか(この案では53%).その次にもらっているのがNIH(国立衛生研究所)の22%ですから,その多さが分かるのではないでしょうか?もうひとつ現在予算の規模ではたいしたことのないDepartment of Homeland Security(国土安全保障省)ですが,伸び率は毎年毎年結構なもので,いずれ規模もそれなりのものになりそうです.ここは軍関係と言えば軍関係とも言えなくない微妙な研究をたくさんやっています.「軍」強しですね.実は自分のアメリカでの研究生活を振り返って見ると,今で携わったのはDoD絡みのプロジェクトばかりなんです.恩恵をきちんと受けているわけです.研究費がなければ研究できないシステムですからお金のあるところのプロジェクトが増えるのは当然のことですね.自分の主義主張はともかくとして.

一方大学関係者が一番お世話になっているNSF(国立科学財団)は多少増えていますが,前年カットされていることなどを考慮すると全体としては2年連続で減少という案だそうです.ますます少ない予算の取り合いが激しくなりそうですね.さらには現在僕の分野に一番近そうなUSDA(農務省)関係は予算規模も小さい上にさらに大幅カットという泣きっ面に蜂状態です.イラク戦争や対テロ戦争に重きがおかれている現状では仕方のないことなのかも知れませんね.

Dean その後

2005-04-08 02:09:31 | 研究
3月11日のブログでDeanの候補者によるセミナーの話を書きましたが,その後も候補者が次々にあらわれてセミナーを行っています.どうやら少なくとも5人の候補者がセミナーを行ったようです.まだまだ来るのかも知れません.勉強になることも多いのでなるべく参加するようにはしていますが,全部は無理なようです.教授を雇う場合は候補者2-3人をセミナーに呼ぶと言われていますので,それに比べればやはり力の入れ具合が違いますね.

代講

2005-04-01 17:00:02 | 研究
ボスが出張でいないので,学部の授業の代講をする機会を得ました.今まで教えたことのないサブジェクトで,出だしはあまり滑らかにいきませんでしたが,最後の方は結構まともな講義が出来たのではないでしょうか?20名弱の学生でしたが,ほとんど質問もなく,一方的にしゃべって,最後20分は演習問題を解いて終わりでした.講義終了後にあった唯一の質問は,「今日のところは試験のために暗記した方がいいですか?」というものでした.学部生レベルでは「学ぶ」ことよりも「試験でよい点数を取る」ことの方がはるかに重要なことですから仕方ないですが,ガクっとくるような質問ですね.

慣れない分野の講義はまだまだだなーと言うのが今日の感想です.これからもこのような機会を活用して講義の経験を積んでゆければいいなと思います.

レフリー

2005-03-15 15:59:26 | 研究
研究活動には自分で実験したり計算したりして,成果を論文に仕上げることの他に,他人が書いた論文を批評する査読者(レフリー)としての仕事もあります.主な仕事は投稿された論文が掲載に値するのか,値しない場合はどこを改善すればよいのか,などについて評価を下すことです.通常一つの論文に対して二人から四人の査読者がつきます.雑誌の編集者はこの査読者の意見を元に掲載するのかしないのか決定を下すので,査読者にはその分野に精通してきちんと評価を下せる人間が選ればれます(選ばれるはずです).一種の名誉職と言ってもよいのかも知れません(と勝手に価値を高めています).と言うことで僕は依頼が来たときは,その分野のエキスパートとしてある程度認められたんだと勝手に思うようにして必ず受けるようにしています.ただ実際は大物研究者たちが忙しいことを理由に依頼を断るために,結果として僕のようなペーペーにもそういう仕事が回ってくるという図式のようです.ただ編集者クラスの人間に少なくとも存在が知られているわけですから悪い気はしません.それによい査読をすれば,それはそれで自分の存在のアピールになりますし,やはり科学界に何らかの貢献が出来ることはそれはそれで研究者になろうという身であればうれしいものです.

さてこんなペーペーでも一年に数回依頼が来るので,それなりに数はこなしてきたわけですが,僕にとっていまだに査読は簡単な仕事ではありません.一つの査読にかける時間は結構なもので,少なくとも数日,時には一週間以上費やします(一日に費やす時間は多くて2時間程度です).慣れている人たちは2時間くらいで終わらせられるようですが,僕の場合はなかなかそうもいかないです.他の査読者がどのようにしているのか分かりませんが,僕は引用文献にまで手を出すことも結構あります.そうしないと論理の矛盾や問題点を見抜けません.ただそのようにきちんと査読をすると色々なことを学ぶことができ,非常に勉強になります.それから,査読をしていて楽しいのは,僕の指摘に対して著者が後々きちんとコメントをつけて返答をしてくることです.指摘した部分については修正してくることがほとんどですが中には反論してくる著者もいます.それでも自分の意見に対して何かしらの反応があるというのは楽しいものです.

と言うことで実は今査読の合間にこれを書いています.煮詰まってしまったもので...今回の雑誌は初めてなので,しっかりやろうと思っています.頑張ります.

Physics Today

2005-03-12 08:33:43 | 研究
Physics Todayと言う雑誌が毎月送られてきます.これはとある学会の会員になっているからであって別に僕が物理屋さんだからと言うわけではありません.あまりまじめに読まないのですが時々面白い記事が載っています.今月号にロスアラモス研究所関係で面白い記事が載っていました.昨年,ロスアラモスでは事故やセキュリティ関係のちょっとした出来事で原因で研究所の研究活動を一時ストップしていたことがありました.その研究所の所長の決定を批判した現役ロスアラモス研究員の記名記事がPhysics Todayの12月号に載ったわけですが,なんと研究所内でこの雑誌を講読している人の6割の人が12月号を受け取らなかったそうです.果たして研究所の意図的な操作なのか偶然なのか?と言うことが今月号に載っていました.ちなみに2月号を受け取らなかった人は2.6%だそうです.研究所は意図的な雑誌隠しは否定していますが,所長は1月に行われた全員参加の会議でその記事を批判していたらしいので何かあるのかも知れませんね.核研究所の安全面対策はそれこそしっかりとやって欲しいですが,研究のモチベーションを下げるようなやり方は問題だと思います.バランスはとても難しいと思います.

ちなみに現在研究所を経営・管理しているのはカリフォルニア大学ですが,まもなく契約が切れるそうです.果たしてカリフォルニア大学が今後も経営・管理を続けるのかと言うのはかなり大きな話題になっています.伝統的にカリフォルニア大学が独占的に関わってきたわけですが,そのことについて国のトップの方はあまりハッピーではないらしく,今回は入札制度を導入すると言う話です.カリフォルニア大学の方でも割りに合わない仕事と考え始めているようで入札に参加するかも決まっていないそうです.どうなるのでしょうかね?入札に参加すると言われていたテキサス大学は最近不参加を決めたようで,カリフォルニア大学が参加しないと,大学関係はゼロになってしまいます.民間企業が経営に入ってくると確かに安全面ではよいのかも知れませんが,基礎研究を主とする研究所にはあまり似合わないような気がします.どうなるのか見守りたいと思います.

Dean

2005-03-11 09:09:28 | 研究
うちの大学のCollege of Engineeringの次期Deanの候補者によるプレゼンが火曜日と木曜日にありました.僕はEngineeringの所属ではないのですが,ジョブトークの参考になるかも知れないし,Deanになろうという人の考え方を見ようと思い聞いてきました.プレゼンの最初30分くらいは研究の話ですが,後半はCollegeやDepartmentの運営の話でした.研究分野は僕とはあまりに違うのであまり話は聞かなかったですが,後半の話はなかなか興味深いものでした.二人とも現在所属している大学ではDepartment chairとして鳴らしていたらしく,Departmentを何年でどれくらい大きくして,ランキングをどれくらい上げたのか,など成果を方法論も交えて話していました.最後はもしDeanになったらどうしたいのかという事に触れてプレゼンおしまいで,その後30分くらいの質疑応答.このやり取りもなかなか興味深いものでした.

個人的には木曜日の候補者がよいかなーと思いましたが,司会の人の対応を見ていると火曜日に人になるのかなーというところです.火曜日の候補者はファーストネームで呼びながら,木曜日の候補者は「プロフェッサー○○」と呼んでいました.火曜日の候補者とは前から知り合いなのかなーと思わざるを得ないですよね.こういった場合知り合いの方が仕事を取りそうな予感がしますがどうなんでしょうか.まあ結果を待ちましょう.