
藤沢駅北口の公衆電話に、1人の男性が近付いて行きました。珍しく公衆電話を掛けるのかと思ったら、手にしていた袋をそこに置いて、ポケットから取り出した携帯電話を使い始めました。現在は1台だけですが、以前ここには、一周ぐるっと8台の公衆電話が並んでいました。各電話機のブースには、小さな扉が付いていました。その頃の話です。外国人風の若者が扉を次々と開けて中をのぞくという、不審な行動をしていました。電話を使うために私がある扉を開けますと、そこに財布が置き忘れられていました。電話を掛けるのを止めて近くの交番に届けようと財布を手にして少し歩き始めると、顔色を変えた若い女性が走ってきて「それ私のです」と言いました。私が電話を掛けようとしたときくだんの若者は隣の電話機のところまで来ていましたので、一瞬遅ければあの財布は彼女の手元には戻らなかったでしょう。ここを通ると、いつもそのときのことを思い出します。公衆電話は、少なくなりました。









