横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

『理科の探検(RikaTan)』4月号に地震予知について書きました

2017年02月25日 | お知らせ
 
光栄なことに、2月25日発売の『理科の探検(RikaTan)』4月号に、地震予知について6ページも書かせて頂きました。

テレビや雑誌などで話題の地震予知・地震予測研究を、冷静かつ客観的に検証した、国内初(世界初かも?)の雑誌となったのではないでしょうか?


 Rikatan (理科の探検) 2017年 4月号(amazon.co.jp)
  


私の記事はともかくとして、ニセ科学を斬る!特集をはじめ、とても面白い内容が盛りだくさんです。ぜひご覧ください。
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早川正士・電通大名誉教授の地震予測「予知するアンテナ」は当たるのか?

2017年02月02日 | 地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)
 
昨年2016年の9月から、早川正士・電通大名誉教授という方が、予知するアンテナという有料地震予測サービスを開始しています。

早川正士氏といえば、かつて電波を観測して地震を予測する「地震解析ラボ」という団体を立ち上げて有料地震予測をしていましたが、なぜか「地震解析ラボ」から離脱して、独立した格好です。

サービス開始以降、「予知するアンテナ」は色々な夕刊紙や週刊誌などで取り上げられ、「地震予測の的中率は7割ほど」だと宣伝し、次々と地震予測を披露してきました。では、それらの地震予測は、果たしてどれくらい的中していたのでしょうか。以下に検証してみましょう。


 ■

2016年9月のサービス開始から、2017年1月まで、早川正士氏の「予知するアンテナ」が、週刊誌や夕刊紙に発表してきた地震予測は、以下のとおりです。


「2016年9月10日までに北海道~東北で大きな地震が起きて津波が発生する」
 (夕刊フジ 2016年9月7日)

「北海道・東北太平洋岸で9月中に震度5!」
 (FRIDAY 2016年9月16日)

「2016年10月12日までに岩手を中心に最大震度5弱」
「2016年10月12日までに熊本から沖縄で最大震度5弱」
「2016年10月15日までに福島~千葉でM5台」

 (いずれも夕刊フジ 2016年10月11日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161011/dms1610111550004-n2.htm

「2016年12月20日までに道東からオホーツク海にかけて内陸ならM5・0前後、海底ならM5・5前後」
「2016年12月25日までに宮城から岩手にかけて内陸ならM5・0前後、海底ならM5・5前後、最大震度は青森、福島も含めて4程度」
「2016年12月25日までに東北地方の南側から房総半島にかけて内陸ならM5・5前後、海底ならM6・0前後。福島、茨城で最大震度5弱程度」
「2016年12月20日までに北信越を中心に東海や北陸にかけての内陸でM5・0前後。岐阜と長野で最大震度4程度」
「2016年12月22日までに中国、四国、九州、沖縄で内陸海底ともにM5・5前後、最大震度4程度」

 (いずれも夕刊フジ 2016年12月20日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161220/dms1612201700011-n1.htm

「2017年1月7日までに南九州から南西諸島にかけてM5・5前後」
「2017年1月9日までに中国、四国、九州にかけてM5・5前後」
「2017年1月9日までに小笠原諸島の海底でM6クラス以上」

 (いずれも夕刊フジ 2017年1月6日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170106/dms1701060830006-n1.htm

「2017年1月中に、福島が2度大揺れする」

 (FRIDAY 2017年1月13日)


以上、ざっと数えますと14件の地震予測を発表してきたことになります。では、そのうち、的中したものはどれくらいあるのでしょうか。

…なんと、以上の14件の地震予測のうち、1件たりとも的中がありません

強いて言えば、夕刊フジの2016年12月20日号で発表した「2016年12月25日までに東北地方の南側から房総半島にかけて内陸ならM5・5前後、海底ならM6・0前後、最大震度は5弱程度」という予測に対して、同12月24日に福島沖でM5.1の地震が発生したケースがあります。しかし、M6.0という予測に対して実際はM5.1であり、規模は大きく外れています。また、「最大震度は5弱程度」という予測に対して、実際の最大震度は3でした(しかも郡山市の観測点1点だけ)。さらに言えば、この12月24日の地震は、同11月22日の福島沖M7.4の余震に過ぎず、大きな地震の後には余震が起きることは誰でも知っていることですので、仮に的中させたのだとしても全く驚くべきものではありません。

 ■

このように、自分では「的中率は7割ほど」だと宣伝して有料地震予測サービスを行っておきながら、実際に検証してみると「14件予測して1件も的中しなかった」わけです。7割どころか、地震予測能力はほぼゼロであるようにしか思えません。こうした宣伝文句と実績との大きな乖離は、強い批判を浴びてもさすがに文句は言えないのではないでしょうか。

ぜひ早川正士・電通大名誉教授には、ご自身の地震予測の精度をいまいちど客観的に振り返って頂き、真摯な態度で研究及び事業を見直して頂きたいと、切に願っています。

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高橋学・立命館大学教授の地震・噴火予測は信用できるのか

2017年01月27日 | 地震予知研究(その他)
 
最近、高橋学・立命館大学教授という方が、「地震や火山の専門家」として週刊誌に取り上げられ、地震予測や噴火予測を次々と披露しています。これまでに、IWJ、日刊ゲンダイ、週刊ポスト、週刊プレイボーイ、週刊女性といった雑誌が、高橋学教授を取り上げ、すぐにでも巨大地震や大噴火が日本で起きるかのような予測を、繰り返し紹介しています。

ですが、高橋学教授の地震予測や噴火予測は、本当に信用できるものなのでしょうか。これまでの高橋教授の予測が当たっているのか、以下に検証してみましょう。

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高橋学教授は、2016年の6月4日と7月31日に、ジャーナリストの岩上安身氏らにメールを送り、地震予測を披露しています。このメールの内容は、岩上氏によって以下に公開されています。

  「大地震の予兆あり!東日本でマグニチュード7に警戒を!」(IWJ 2016年8月12日)
  http://iwj.co.jp/wj/open/archives/325357

少々分かり難い文面ですが、この地震予測をまとめると、

 ・千葉・茨城で、2ヶ月後を中心に1ヶ月の前後幅で、M7以上(6月4日のメール)
 ・長野北部~新潟上越地方でM5以上、1週間~1ヶ月が危ない(7月31日のメール)


…という2つの予測をしていることが分かります。では、この予測期間に、国内で実際に発生した主な地震をみてみましょう。

  
   (気象庁データベース検索結果)


…ご覧のように、高橋学教授が予測したような地震は、全く起きていません。そもそも、M7以上の地震が全く起きていません。長野北部~新潟上越地方でも、M5以上の地震がこの期間内に1件も起きなかったばかりか、この記事を書いている2017年1月27日現在まで、M5以上の地震は1件も起きていません。


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また、『週刊女性』2016年3月1日号では、2015年12月26日に東京湾でM2~3の小地震が連続したことを受け、「この小地震の2ヶ月後(つまり2016年2~3月頃)に東京湾直下大地震がくる」と予測し、「地震発生の5分後には津波が湾岸エリアを襲う」と危機感を煽りましたが、該当するような大地震も津波も起きませんでした。

  東京湾直下大地震の可能性「発生5分後、湾岸エリアに津波」(週刊女性 2016年3月1日号)
  http://www.jprime.jp/articles/-/6723


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さらに、高橋学教授は、『週刊女性』2015年10月6日号において、「1~2年のうちに大噴火が起きそうな10火山」を挙げています。

  
   (『週刊女性』2015年10月6日号より)


…この予測発表から既に1年4ヶ月ほどが経過しましたが、このうち実際に噴火した火山は、1つもありません。「大噴火」どころか、小噴火さえも1つも起きていないのです。

ただ、2015年10月6日から2年後といいますと今年2017年の10月ですから、まだ時間はあります。高橋学教授の噴火予測が当たるのか、今後も見守ってみることにしましょう。


 ■

なお、高橋学教授は、「西之島新島の巨大化から、太平洋プレートがフィリピン海プレートにももぐり込もうとしていることが新たにわかった」週刊女性2016年3月1日号)、「噴煙が1万1000m以上のものを、大噴火と呼ぶ」IWJ 2016年10月10日)など、およそ地震や火山の専門家とは思えない奇妙な発言も繰り返しています。そもそも高橋学教授を「地震や火山の専門家」と呼んで良いのか、おおいに疑問です。


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高橋学教授は、実に積極的に週刊誌に電話やメールを送りつけ、ご自身の地震予測を披露されているようです。言い換えると、週刊誌に自分を「売り込む」タイプの方のようです。そして、売り込まれた側の週刊誌が、以上のハズレ予測には全く触れずに、また大きな地震や噴火を予測した実績もないにもかかわらず、専門的にみておかしな発言を繰り返していることにも目を瞑り、「地震や火山の専門家が大地震や大噴火を予測している」などと危機感を無意味に煽るような記事を、繰り返し書いているのです。かなりの無理を感じますし、メディアとしてあまり褒められた行為だとは思えません。

いずれにしても、高橋学教授がこれまでに、大きな地震や噴火の発生を、事前に精度高く予測したという実績は、全く無いと言って良いようです。週刊誌が危機感を煽るべく次々と紹介する、高橋学教授の地震予測や噴火予測に、不必要に怯えてしまう必要は全くないと思います。
 
 
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2016年12月28日(水) 21:38頃 茨城県北部を震源とする地震

2016年12月29日 | 地震情報
2016年12月28日(水) 21:38頃、茨城県北部を震源とする地震(速報M6.3、深さは10km)が発生しました。

高萩市下手綱で震度6弱、日立市十王町友部で震度5強を観測しています。


  (気象庁地震情報)

この辺りは2011年の巨大地震直後から、東西張力の正断層型の浅い地震が急増した所。今回の地震の機構解も、ほぼ東西方向に近い張力の正断層型が出ています。

  (気象庁HPの図より作成)

2011年4月11日には、今回の震源より少し北の福島県浜通りで、同じく正断層型の地震M7.0(深さ6km、いわき市などで震度6弱)もありました。

福島浜通り南部~茨城県北部は震災直後から東西張力の正断層地震が続いており、今回も同じ型ですから、広い意味で巨大地震の余震のひとつと言って良いのでしょうね。
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2016年11月22日(火) 5:59頃 福島県沖を震源とする地震

2016年11月22日 | 地震情報
2016年11月22日(火) 5:59頃 福島県沖を震源とする地震(暫定値M7.4、深さ25km)が発生しました。

白河市、いわき市、高萩市などで震度5弱を観測しています。


  (気象庁地震情報)

発震機構は、北西←→南東の張力軸の正断層型のようです。約2時間半前の3:26にも、ほぼ同じ位置で同じ機構の、前震と思われるM4.6(最大震度2)がありました。


  (気象庁HPの図より作成)


岩手から茨城にかけての太平洋側は、2011年の巨大地震後の大きな余効変動もまだ続いているところで、それに伴う余震のひとつと言って良さそうです。

また、この地震で、福島県と宮城県に津波警報が出ました。気象庁から津波の観測波形が発表されています。おおむね引き波が最初に来たようです。仙台港で1.4m、相馬で0.9mの津波が観測されたとのことです。


  気象庁報道発表資料(H28.11.22 8:00)


浅い地震ですので、余震も多く続くことが予想されます。
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