横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

村井俊治氏ら「MEGA地震予測」の「レベル5」の地震予測について

2017年06月29日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
 
電子基準点のデータを使い、『週刊MEGA地震予測』および『nexi地震予測』という有料の地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

村井俊治氏らは、2017年の6月28日の『週刊MEGA地震予測』で、自社の電子基準点に異常が出たとして、東北から関東の太平洋側と奥羽山脈周辺に、最大警戒の「レベル5」という地震予測を発表しました。

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しかしながら、本ブログでもこれまで検証しておりますとおり、『週刊MEGA地震予測』による地震予測は、大きな地震との相関がほとんど読み取れず、地震予測能力があるようには思われません。

下の図は、2015年12月から、『週刊MEGA地震予測』が発表してきた、地震予測の推移を示したものです。黒い×印で、この期間に実際に発生した震度5強以上の地震を、プロットしてあります。


(※JESEAが公開した情報から推測できる範囲内のみ)


…この図から分かるように、『週刊MEGA地震予測』は、日本全国にいつも予測をくまなく出しておいて、地震が起きたときには「当たった」と言い、地震が起きなければ黙殺している、というだけに見えます。

また、予測と発生した地震との間にも、特に相関があるようにも見えません。特に、2016年4月の熊本地震は、ピンポイントで予測失敗していたことが分かります。

さらに言えば、最大警戒の「レベル5」(紫色)と予測した地域に、予測どおり大きな地震が発生した実績は、全く無いことが分かります。


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以上のことから、『週刊MEGA地震予測』が「レベル5」という地震予測を発表したとしても、普段とは異なる特段の危険を感じる必要は全くないと言って良いでしょう。

ただしもちろん、地震はデタラメ地震予測とは全く関係なく起こりますので、大きな地震は起きないと言いたいわけではありません。地震予測の有無にかかわらず、日頃からの変わらぬ警戒と準備が大切だと思います。


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高橋学・立命館大学教授の「福岡で大地震」との予測、やはりハズレました

2017年05月23日 | 地震予知研究(その他)
 
最近、高橋学・立命館大学教授という方が、「地震や火山の専門家」として週刊誌に取り上げられ、地震予測や噴火予測を次々と披露しています。これまでに、IWJ、日刊ゲンダイ、週刊ポスト、週刊プレイボーイ、週刊女性といった雑誌が、この高橋学教授を取り上げ、すぐにでも巨大地震や大噴火が日本で起きるかのような不安感を煽る予測を、繰り返し紹介しています。

この5月には、日刊ゲンダイと週刊女性で、「5月13日前後に福岡で大地震が起きる」と予測し、世間を騒がせました。


  3月連続地震は兆候か 九州北部「GW明け大地震」に要警戒(日刊ゲンダイ 2017年5月6日)
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/204889


  大地震を連続的中させた高橋教授から「5・13博多に警戒」とメールが届いた(週刊女性 2017年5月11日)
  http://www.jprime.jp/articles/-/9635


…しかしながら、お気づきのとおり、高橋教授が予測した5月13日前後には、福岡に大地震は起きませんでした。このエントリを書いている5月23日現在、M6を超えるような地震は、日本のどこでも発生していません。予測ハズレです


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この高橋学・立命館大学教授という方は、これまでも週刊誌や夕刊紙にメールを送りつけて、「すぐにでも大地震が起きる」とか「大噴火が迫っている」といった予測を発表し、ことごとくハズレています。

予測が外れているだけでなく、明らかに地震や火山について間違った知識を披露しています。この方の地震予測や噴火予測は、全く信用に値しないと言って良いと思います。以下のエントリもご覧ください。


  高橋学・立命館大学教授の地震・噴火予測は信用できるのか
  http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/c/6af27bdd0e9dc3badfc1c5716c2a16e1
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村井俊治氏の「南関東で大地震」との地震予測、やはりハズレました

2017年04月03日 | 地震予知研究(村井俊治氏・JESEA)
 
電子基準点のデータを使い、『週刊MEGA地震予測』および『nexi地震予測』という有料の地震予測サービスを行っている、東京大学名誉教授の村井俊治氏(JESEA・地震科学探査機構)という方がいます。

これまで本ブログでは、村井俊治氏の地震予測を検証し、ほぼ全く当たっていない(デタラメである)ことを示してきました。今回も、最近の彼らの地震予測を検証してみます。


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村井俊治氏らは、昨年2016年の11月に、テレビ朝日の『グッド!モーニング』という番組内で、南関東で大きな地震が2017年2月までに起きる」と予測を発表しました。

   
   (テレビ朝日『グッド!モーニング』2016.11.22)


また、産経新聞および夕刊フジでも、「2016年12月から2017年1月に南関東で大きな地震」と予測を発表しました。

   
   (産経新聞2016.11.28)


さらに日刊ゲンダイでも、「2017年の1月か2月に南関東を大地震が襲う」と予測を発表しました。

   
   (日刊ゲンダイ2016.12)


…ところが、これらの予測に対応するような地震は全く発生しないまま、すでに2017年も4月になってしまいました。またも、予測ハズレです。


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村井俊治氏らJESEAは、毎週メルマガを有料で発行していますが、予測どおりに地震が起きない南関東に対して、実は依然として地震予測を出し続けています。このまま、地震が起きるまで、予測を延長し続けるのでしょうか。たとえデタラメな地震予測でも、こうして地震が起きるまで延長すれば、的中するのは当たり前ではないでしょうか。

村井俊治氏らの地震予測については、これまでもハズレ予測ばかりが繰り返されていること、肝心の被害地震を予測できなかったことなどを、以下の記事などにて検証しております。宜しければご参照下さい。

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『理科の探検(RikaTan)』4月号に地震予知について書きました

2017年02月25日 | お知らせ
 
光栄なことに、2月25日発売の『理科の探検(RikaTan)』4月号に、地震予知について6ページも書かせて頂きました。

テレビや雑誌などで話題の地震予知・地震予測研究を、冷静かつ客観的に検証した、国内初(世界初かも?)の雑誌となったのではないでしょうか?


 Rikatan (理科の探検) 2017年 4月号(amazon.co.jp)
  


私の記事はともかくとして、ニセ科学を斬る!特集をはじめ、とても面白い内容が盛りだくさんです。ぜひご覧ください。
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早川正士・電通大名誉教授の地震予測「予知するアンテナ」は当たるのか?

2017年02月02日 | 地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)
 
昨年2016年の9月から、早川正士・電通大名誉教授という方が、予知するアンテナという有料地震予測サービスを開始しています。

早川正士氏といえば、かつて電波を観測して地震を予測する「地震解析ラボ」という団体を立ち上げて有料地震予測をしていましたが、なぜか「地震解析ラボ」から離脱して、独立した格好です。

サービス開始以降、「予知するアンテナ」は色々な夕刊紙や週刊誌などで取り上げられ、「地震予測の的中率は7割ほど」だと宣伝し、次々と地震予測を披露してきました。では、それらの地震予測は、果たしてどれくらい的中していたのでしょうか。以下に検証してみましょう。


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2016年9月のサービス開始から、2017年1月まで、早川正士氏の「予知するアンテナ」が、週刊誌や夕刊紙に発表してきた地震予測は、以下のとおりです。


「2016年9月10日までに北海道~東北で大きな地震が起きて津波が発生する」
 (夕刊フジ 2016年9月7日)

「北海道・東北太平洋岸で9月中に震度5!」
 (FRIDAY 2016年9月16日)

「2016年10月12日までに岩手を中心に最大震度5弱」
「2016年10月12日までに熊本から沖縄で最大震度5弱」
「2016年10月15日までに福島~千葉でM5台」

 (いずれも夕刊フジ 2016年10月11日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161011/dms1610111550004-n2.htm

「2016年12月20日までに道東からオホーツク海にかけて内陸ならM5・0前後、海底ならM5・5前後」
「2016年12月25日までに宮城から岩手にかけて内陸ならM5・0前後、海底ならM5・5前後、最大震度は青森、福島も含めて4程度」
「2016年12月25日までに東北地方の南側から房総半島にかけて内陸ならM5・5前後、海底ならM6・0前後。福島、茨城で最大震度5弱程度」
「2016年12月20日までに北信越を中心に東海や北陸にかけての内陸でM5・0前後。岐阜と長野で最大震度4程度」
「2016年12月22日までに中国、四国、九州、沖縄で内陸海底ともにM5・5前後、最大震度4程度」

 (いずれも夕刊フジ 2016年12月20日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161220/dms1612201700011-n1.htm

「2017年1月7日までに南九州から南西諸島にかけてM5・5前後」
「2017年1月9日までに中国、四国、九州にかけてM5・5前後」
「2017年1月9日までに小笠原諸島の海底でM6クラス以上」

 (いずれも夕刊フジ 2017年1月6日)
 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170106/dms1701060830006-n1.htm

「2017年1月中に、福島が2度大揺れする」

 (FRIDAY 2017年1月13日)


以上、ざっと数えますと14件の地震予測を発表してきたことになります。では、そのうち、的中したものはどれくらいあるのでしょうか。

…なんと、以上の14件の地震予測のうち、1件たりとも的中がありません

強いて言えば、夕刊フジの2016年12月20日号で発表した「2016年12月25日までに東北地方の南側から房総半島にかけて内陸ならM5・5前後、海底ならM6・0前後、最大震度は5弱程度」という予測に対して、同12月24日に福島沖でM5.1の地震が発生したケースがあります。しかし、M6.0という予測に対して実際はM5.1であり、規模は大きく外れています。また、「最大震度は5弱程度」という予測に対して、実際の最大震度は3でした(しかも郡山市の観測点1点だけ)。さらに言えば、この12月24日の地震は、同11月22日の福島沖M7.4の余震に過ぎず、大きな地震の後には余震が起きることは誰でも知っていることですので、仮に的中させたのだとしても全く驚くべきものではありません。

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このように、自分では「的中率は7割ほど」だと宣伝して有料地震予測サービスを行っておきながら、実際に検証してみると「14件予測して1件も的中しなかった」わけです。7割どころか、地震予測能力はほぼゼロであるようにしか思えません。こうした宣伝文句と実績との大きな乖離は、強い批判を浴びてもさすがに文句は言えないのではないでしょうか。

ぜひ早川正士・電通大名誉教授には、ご自身の地震予測の精度をいまいちど客観的に振り返って頂き、真摯な態度で研究及び事業を見直して頂きたいと、切に願っています。

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