「津波は 逃げるが勝ち」 東日本大震災の津波から逃げ、生き残った人の重い言葉だ。
台風30号による暴風雨と高潮で壊滅的な被害が出たフィリピンのレイテ島では多くの人が死亡、行方不明になった。日本からも国際緊急援助隊や自衛隊なども駆けつけ救援活動に当たっている。
レイテ島の中心都市タクロバンの隣町パロに移住した邦人は、台風直撃の前日に日本人の友人から避難を勧められたが、「台風はいつものことなので大丈夫だろう」と避難せず、自宅が大波に呑まれ首まで水につかったものの奇跡的に助かったという(毎日、11/15)。
同じ毎日新聞(11/18)は、海岸沿いの漁師町ドゥラグでは台風上陸の前日に、町長が集落を回り住民1万7000人を内陸にある学校に強制的に避難させ沿岸部の死者はゼロだったと伝えている。
●居住地の近くに安全な津波避難施設を
「津波は逃げれば助かる」といわれるが、近くに安全な高台や高いビルなどの避難場所が無い場合はどこに避難したらよいのだろうか。
沿岸部の低地帯では近くに避難場所が少なく、避難場所が遠いと病人や足の不自由な高齢者、幼い子どもたちにとってはすぐの避難は難しい。要援護者を支援する態勢ができていても支援者の仕事の関係や支援者本人が被災すれば駆けつけることはできない。
東日本大震災の後、救命ボートをかたどった津波避難艇や津波救命いかだ、津波避難塔など様々な避難施設などがつくられている。筆者も高齢者などが身近に自力で避難できる避難施設として、波高に合わせて上下できる避難いかだ(特開2013-107614)を考えてみた。しかし、これらは、岸に押し寄せ荒れ狂う津波の前に、安全性をどこまで担保できるのかとなると不安が残る。1854年の安政南海地震では大阪湾に来襲した津波が川を遡上し次々と船を破壊し船上に避難した多くの人が亡くなっている。沿岸の石油タンクから漏れた油が海面に広がり火災を起こすと火に囲まれ逃げることはできなくなる。
国は、南海地震など巨大地震津波の見直しを行う一方で、津波対策として防潮堤の建設計画や住民の高台移転を進めているが、沿岸に住む人たちが津波に襲われたときに身近に逃げ込める安全な避難場所の設置を忘れないでほしい。
注:当ブログの掲載情報を用いて行う一切の行為について、地域減災システム研究所(サイト名-地震防災談話室)は
何ら責任を負うものではありません。
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台風30号による暴風雨と高潮で壊滅的な被害が出たフィリピンのレイテ島では多くの人が死亡、行方不明になった。日本からも国際緊急援助隊や自衛隊なども駆けつけ救援活動に当たっている。
レイテ島の中心都市タクロバンの隣町パロに移住した邦人は、台風直撃の前日に日本人の友人から避難を勧められたが、「台風はいつものことなので大丈夫だろう」と避難せず、自宅が大波に呑まれ首まで水につかったものの奇跡的に助かったという(毎日、11/15)。
同じ毎日新聞(11/18)は、海岸沿いの漁師町ドゥラグでは台風上陸の前日に、町長が集落を回り住民1万7000人を内陸にある学校に強制的に避難させ沿岸部の死者はゼロだったと伝えている。
●居住地の近くに安全な津波避難施設を
「津波は逃げれば助かる」といわれるが、近くに安全な高台や高いビルなどの避難場所が無い場合はどこに避難したらよいのだろうか。
沿岸部の低地帯では近くに避難場所が少なく、避難場所が遠いと病人や足の不自由な高齢者、幼い子どもたちにとってはすぐの避難は難しい。要援護者を支援する態勢ができていても支援者の仕事の関係や支援者本人が被災すれば駆けつけることはできない。
東日本大震災の後、救命ボートをかたどった津波避難艇や津波救命いかだ、津波避難塔など様々な避難施設などがつくられている。筆者も高齢者などが身近に自力で避難できる避難施設として、波高に合わせて上下できる避難いかだ(特開2013-107614)を考えてみた。しかし、これらは、岸に押し寄せ荒れ狂う津波の前に、安全性をどこまで担保できるのかとなると不安が残る。1854年の安政南海地震では大阪湾に来襲した津波が川を遡上し次々と船を破壊し船上に避難した多くの人が亡くなっている。沿岸の石油タンクから漏れた油が海面に広がり火災を起こすと火に囲まれ逃げることはできなくなる。
国は、南海地震など巨大地震津波の見直しを行う一方で、津波対策として防潮堤の建設計画や住民の高台移転を進めているが、沿岸に住む人たちが津波に襲われたときに身近に逃げ込める安全な避難場所の設置を忘れないでほしい。
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