地震、台風、火事、交通事故、…  突然にやって来る災害にどう備えるのか

日々の暮らしの中で、経験と知恵を生かして
自分のいのちは自分で守ろう!

安倍新政権には 国民が災害から安全で安心して暮らせる強い国づくりを期待

2013-07-28 | 地震防災談話室
今回の参議院議員選挙では、「ねじれの解消」と「景気対策」が声高に叫ばれて、「原発」や「東日本大震災の復興」は片隅に押しやられた格好だった。
選挙も自民、公明の与党の勝利で終わり、ねじれが解消したこれからの3年間、安倍新政権はアベノミクスによる不況からの本格的脱出などとともに、積み残されたままの「東日本大震災からの復興」や先行きの見えない「原発事故とその放射能汚染問題」、それに「年金問題」など国民のさまざまな不安の解消が待ったなしで迫られることになる。

  ●地震津波災害について 若者への啓発を
投票日翌日のTBSテレビのインターネットによる世論調査(20代~60代男女、各世代200人対象)が気になった。
「景気や雇用」「年金や医療など社会保障」「消費税など税制」「東日本大震災の復興」など、新政権に望む10項目についてたずねたもので、各世代ともトップに「景気対策」が入っていたが、「東日本大震災の復興」は、50代では上から3番目、30代、40代では夫々5番目で、20代と60代では上位5番目までに入っていなかった。「震災の復興」に対する関心度は世代間でかなりの落差があり、その理由はよくわからないが、若い人の地震津波災害など防災への関心度の低さを反映したものかなと思った。
筆者は、以前、東京・新宿で帰宅困難者の避難訓練に参加したとき、一緒に避難訓練していた大学生の中に阪神・淡路大震災(1995年)を知らない人が何人かいて、神戸の大学生が下宿先で亡くなるなど若い人の犠牲者が多かったことも知らなかった。
南海トラフでは30年以内に60~70%の確率で巨大地震が発生すると政府の地震調査委員会が予測しており、最大級の巨大地震が起きると、最悪の場合、震度7の揺れと30メートル超の津波に襲われ、首都圏から九州にかけて32万人の死者と220兆円の被害が出るという。巨大地震はいつ起きるかの予測はできないとしているが、仮に発生が遅い30年後とすると、今の20代の人たちは50代となり、生存率から考えると被災する確率は高くなる。今から、若者の防災への関心度を高める啓発が必要ではないかと思った。

安倍総理は、“日本を取り戻し強い、美しい国”を提唱している。
新政権には、地震や風水害などの災害から国民のいのちを守り、安全で安心して暮らせる強い国づくりを期待する。そして、災害が発生したときに国民が互いに協力して「自分たちのいのちは自分たちで守る」ために幼児期より日ごろの防災教育を始め、次の世代を担う若者には学校教育の一環として防災教育に取り組んでほしい。

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参議院議員選挙公報で「東日本大震災の復興」の文字探し

2013-07-19 | 地震防災談話室
参議院議員選挙の21日投票日を間近にして、選挙公報(比例代表選出)を見てみた。
公報では、各政党等のキャッチフレーズはさておいて、「日本」「景気」「憲法」「原発」などの文字は目に付いたものの、もうひとつの課題「東日本大震災の復興」の文字は一箇所だけで、「被災地」「東北」といった震災からの復興関連の文字は片隅に追いやられた格好だ。

政治には国民の生命、財産を守ることが求められている。歴代の総理大臣は夫々の施政方針演説で「国民のために」を連呼し、前の民主党政権では「国民のいのちを守る」と約束した総理もいた。東日本大震災の復興予算が流用され、福島の原発事故対応や津波被災地の復興対策が遅れ、これまでの国会論議などを見ても、各党の低調さに、さてどこに投票してよいものかと戸惑う。

筆者は、かつて、災害時の帰宅困難者対策について与野党の複数の国会議員に提言したことがあるが、この時は、国民からの要望がないと無視され、親しい議員秘書から防災は票にならないといわれたことがある。
2008年に中国四川省でM7.8の大規模地震が起きて小中学校の校舎が倒壊し多数の児童生徒が亡くなった。当時は、わが国でも小中高などの老朽校舎の耐震化が遅れていて大地震が起きたらと防災関係者が気にしていたが、子を持つ親からはうちの学校は大丈夫なのかとの問い合わせはほとんどなく、“自分のところは大丈夫という危機意識”に心配になった。

 ●国民のいのちを守る政治に期待
地震や津波、風水害など非日常的な自然災害は、実際に災害が起きて火の粉が我が身に降りかかってこないとなかなか人は動けないようだ。
自然災害の多い国に暮らす私たち国民が災害に対する危機意識を高め、安全で安心して生活を送るためにどうしたらよいのか。新たに選ばれる議員諸氏には国民の先頭にたって共に考え、具体的な施策に期待したい。


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沿岸被災地の住民を再び津波禍に巻き込まないための復興対策を

2013-07-12 | 地震防災談話室
学生時代の友人が、「東日本大震災による津波で亡くなった人の多くは、沿岸の“防潮堤”に殺されたようなものだ」と話していた。三陸沿岸には人々を津波から守るために防潮堤が構築されていたが、津波は防潮堤をあっさり乗り越えすべてを流し去った。目の前に高くそびえる防潮堤にさえぎられて津波に気づかなかったり、或いは、強固なコンクリート壁に大丈夫と安心しきっていて避難に遅れ、津波に呑み込まれたという。
寺田寅彦の言葉にならうと、人間は、防潮堤で津波という自然の暴威を封じ込めたつもりでいたが、明治、昭和の三陸地震津波に続いて、今回の大津波でも多くの犠牲者を出す結果となった。震災から2年4か月が経ったが、未だにその十分な検証は行われていない。国などの震災復興対策は始まっているが、次なる大津波の犠牲者予備軍をつくることだけは何としても避けてほしい。

  ●非日常的な地震・津波に備えた安心安全なモデルタウンづくりを
津波により流され破壊された瓦礫を取り除き、沈下した地盤をかさ上げして住民を住み慣れた元の生活に戻すだけの復旧は、次なる地震・津波災害の犠牲者予備軍をつくることになりかねない。
沿岸の津波常襲危険地帯では何時起きるとも知れぬ地震・津波の恐怖と不安の中で人々は暮らしている。とりわけ災害弱者の幼児や病人、お年寄りは、近接した病院、学校などの公共施設や保育所、商店街などの協働の中で守るしかない。近くに安全な高台などがなくても、公共施設などを中高層避難ビル化した避難場所を身近に確保し、いざというときの住民の安全を図ることはできる。
大地震や津波による甚大な災害の発生は時に人々の生活を一変させ、新しい時代への転換点になる。東北の津波被災地の多くは、都市部に比べて地域の人々の繋がりも強く、災害時には、機能・施設の集中化によって、自助・共助よる一層の効率的な避難、救助・救援活動を可能にする。

 ●荒野と化した津波常襲危険地帯も安全な雇用の場に
水没し荒野と化した平野部などの津波常襲危険地帯は、地域の雇用の場として民活による太陽光発電基地にする案も浮上している。塩水をかぶった耕作不能地は、企業による野菜や果実の水耕栽培などが可能だ。農作物をビルの室内に積み上げた棚で育てる“垂直農家ビル”は高層化により津波襲来時の避難ビルとして周辺で働く人たちの格好な避難場所になる。
国の規制緩和によって、地域特性に合わせて地域・企業・行政の協働による農林水産物・食品の輸出拠点作りも夢ではない。

多くの国民は復興増税にも賛同し一日も早い被災地の復興を願っている。
東日本大震災の被災地復興のモデルタウンづくりは、“災害に強い国土づくり”とともに、巨大地震津波が想定される南海トラフ沿岸に住む人々の備えの参考になる。

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