(根子岳西峰) 地蔵山(1250m)
[熊本地震後、初めての入山でヤカタガウド登山口から
地蔵尾根出合ル-ト(自称:西峰新道)を踏査]
快晴
(行程) ヤカタガウド入口(地蔵さん付近)に駐車(発9:18)→砂防ダム最後の堰堤左岸:登山口
(発9:50)→最初の尾根ピ-ク(着10:25)→地蔵尾根出合(着11:30)→
地蔵山頂上(着11:45~昼食~発12:30)→堰堤横の登山口(着13:40)
*時間はマ-キングテ-プの補強タイムを含む。
↑ [「肥後の山675座駆け歩き」:西和文 著より転載]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「紅葉を見に日の尾峠から西峰に登った・・・」と山友の石ちゃんから日曜日の夜に
電話があり、あと数日は紅葉も期待が出来るとのことである。
それから雨が二日ほど続き、天気予報に従い今日の山行となった。
雨に打たれ紅葉は「既に遅し」と思えたが
熊本地震後一度も登っていない根子岳であったのでル-ト検証を兼ね
ヤカタガウドから西峰を計画した。
天気予報通り朝から青空が広がり最高の秋日和の中、
石ちゃんの軽トラで我が家を出発。
九州自然歩道の「日の尾峠・ヤカタガウド分岐」まではスムズに車を走らせた。
旧ヤカタガウド第一駐車場から進入して行く、
災害(平成24.7.12九州北部豪雨)後に復興した新しい作業道は
陥没し想像を絶する驚きであった。
作業道を歩いて遡行するに従い、
災害は広がり、復興事業で築かれた堰堤は流石で埋め尽され、ヤカタガウド登山口
まで続いていた真新しい作業道は熊本地震でその姿を喪失している・・・
熊本地震と梅雨時期の豪雨、加えて先日の爆発的噴火被害と
度重なる自然災害が続いたこの一年である。
ヤカタガウドから地蔵尾根出合いへのル-トは自然林が密生する尾根であるので、
登路は、灌木の根張りで安定していて地震の影響は
ほとんど無く地蔵尾根出合いに至った。
地蔵尾根出合いから「日の尾根分岐」までの登路は、ナイフエッジを辿ることとなるが
道の端際(はしぎわ)に2~3か所の滑落が見受けられたか支障は無かった。
ただ一つ驚嘆したのは地蔵山直下の登路沿いのあの大きい岩塊(溶岩弾)が
消え去っていたことである。
大地を動かした地震の怖さを再認識する共に
岩頭に攀じ登つて眺めた在りし日(2011.11.3日)の光景が惜しまれる次第であった。
地蔵山は地蔵尾根の最上部に位置する登路沿いの小さなコブである
頂上は、登路から左に灌木林を10m位、林床のクマザサを踏み分けると
平坦地が長方形に延びていて落葉樹林に包まれている。(標識等は無い)
今日の当初の目標は西峰としていたが
紅葉の時は既に過ぎ去り、地蔵山より上部は冬支度の光景であったので
西峰は諦めて地蔵山止まりとして、ゆったりと昼食タイムを過ごした。
↑ [軽トラ進入不可(路肩崩落で)のため、ここからスタ-ト]
↑ [駐車地を振り返る:上流側から撮影]
河川敷に付けられた作業道(車道)は、川床との境の法面が陥没し
(熊本地震の影響と思われる)車の通行不可。
↑ [最後の堰堤横(左岸)が登山口]
↑ [取付き地点にマ-キングテ-プを付ける石ちゃん]
↑ [登り始めて20分、急坂の登りが続く]
↑ [急坂を登り上げると、更なる急傾斜の前方には岩崖が立ちはだかる]
↑ [先ほどの岩崖を右に捲き上がると、登路は快適な痩せ尾根を歩いて最初の尾根ピ-クに至る]
↑ [最初の尾根ピ-ク]
このピ-クには「山の頂」を感じさせる風情のあるピ-クで、
このル-ト一番の「憩いの場」である。山名があってもよさそうであるが
その名前が有るのか無いのか、私は知らない・・・。
次の画像は「ヤカタガウド・竿河原」から過去に眺めた尾根ピ-クです。
特徴のある山頂の一本の木、印象に残る山容で「いつかは登りたい」という
登高意欲を誘う風景であった事を思い出す。
↓ [竿河原から眺めたピーク(2008年11月01日]
↑ [登路を楽しませる、アブラチャンの黄葉 :地蔵尾根出合直下の登路]
↑ [断崖に落下した岩塊(溶岩弾)の跡形(熊本地震の時と思われる)]
下記、二つの画像は「在りし日の岩塊」の写真です。
↑ [七竃・ななかまどの実]
↑ [地蔵山頂上 :林の奥に高岳東峰を見る]
↑ [地蔵山付近から眺めた対岸の見晴新道の見晴台と微かに見える屏風岩]
↑ [地蔵山付近から眺めた天狗岩 :崩落した岸壁の肌と天辺に彩る一株の紅葉]
・・・・・・ここから復路・・・・・
↑ [尾根ピ-ク直下に彩る紅葉 :地蔵尾根の先に高岳の鷲ヶ峰・虎ケ峰]
(次の三景は尾根ピ-ク頂上からの眺め) ↓
↑ ① [天狗岩と天狗のコル・竿河原]
↑ ② [竿河原のメガネ岩付近]
↑ ③[見晴新道の屏風岩を望む]
↑ [下山口(最後の堰堤左岸)から撮影]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下山後、ヤカタガウド「天狗の水場」まで踏査
(踏査の結論は)→「ウグイス谷ゴルジュ」入口から上部は入山危険
地震を想定すれば
震度1でも落石が100%予見され状況にあり、命に係わる危険度
(行程) 最後の堰堤横(発13:45)→天狗の水場(着14:12)→最後の堰堤横(着14:35)
→駐車地(着14:55)
西峰に登らなかった分、早めの下山となった。
時間が有るので気になるヤカタガウドを覗くこととした。
2012.7.12九州北部災害後、2回目の立ち入りとなるが、
登路となる流路の川床は前回よりも更に土石流堆積物で嵩上げとなっていて
歩きやすい川床となっていた。(熊本地震とその後の豪雨の影響で)
ただ、ゴルジュの岸壁には「いつ崩落してもおかしくないような状態で
剥き出しの石が見える」
恐る恐る早足で歩き「天狗の水場」を見届けて帰りを急いだ。
無事に帰られ安堵した始末であった・・・・。
夜、寝床の中でゴルジュの場面を回想すると
「ヘルメットも着けず無謀な事をした・・・」
もしも地震が来ていたら震度1でも岸壁からの落石事故に遭遇する破目に
なったかも知れない・・・。
その時は、地震のことは全く頭に浮かんで来ず、「天狗の水場までは、行きたい」という
テンションが高まり、余震か続く中での登山行動に細心の注意が足らなかった事を
反省とした。(本来なら行くべき場所では無かった)。
ちなみに11月11日には、地震が発生していた。(阿蘇震度1・高森震度2・宇城震度4)、
↑ [最後の堰堤の上流 :土石流の堆石で扇状地の河原となっている]
↑ [「ウグイス谷のゴルジュ」]
↑ [「天狗の水場」]
↑ [天狗の水場から天狗のコルを眺める]
↑ [ゴルジュの上部]
↑ [天狗の水場付近から下流側を眺める]
↑ [登山口から、午後の日射しに照る紅葉を見る:復路にて]
[登山口からの帰路を振り返る]
[駐車地から復路を振り返る :昔の車道は、ほぼ全壊している]
(参考:2012.7.12九州北部災害後のヤカタガウドの風景 )
・ 7.12豪雨災害後のヤカタガウドル-トを歩く(2012年09月20日)
・ 災害復旧工事後のヤカダガウド登山口(2014年10月29日)
(2016.12.30日 加筆)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます