「失敗学のすすめ」は、ずいぶん前に東京で受けた講習で「おすすめ」だといわれ、でもちゃんと読んでなかった本。
工学部の先生が、実験とかでの失敗をもとにして、「失敗学」なるものを論理的に追及して、失敗から学ぶ重要性とその手順について、事例をたくさん紹介しながらわかりやすく解説してある本。
たしかに、成功例を聞くより、失敗例を聞くほうが自分のためになるんだけれど、失敗例を共有してくれる立派な人たちはそういないかも・・・・特にカンボジアでは、失敗例をきくってことはほとんどないかも。
女性に対する暴力やジェンダーの分野は、意識改革を通じて行動を変えていくっていうことを目的にしているので、失敗例といっても、「こんな事業をやってみたけれど、うまくいかなかった」ってことが多いかも。でも、ほとんどがODAとか外国からの援助で事業を運営しているので、評価の段階で「失敗」があげられることはあまりない。わたしも、いつもLesson Learnedっていう項目を評価にはいれるけれど(これはたいていの場合お客さんからの要望でMUSTになってる)、あまり厳しい現実には直面しないし、失敗といってもアプローチがちょっと間違ってたから成果がちゃんとあがてないかな、っていう程度で、汚職があって大変だった・・・・なんてことは、たいていオフレコなのである。
失敗学かあ。理工学系にいれば、失敗っていうのは目に見えるし、分析しやすいのかもしれないけれど、人間の意識や行動をあつかう学問では、なかなか理論的にとりまとめるのはむつかしいかもしれない。