ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

クメールルージュ時代の女性に対する暴力

2012年05月29日 | 女性の自立

 

クメール・ルージュ時代の女性に対する暴力に関する調査が、カンボジア弁護士の会(Cambodian Defenders Project)によって実施され、調査報告書のお披露目会が開催。この分野のパイオニアと称されるわたし、お披露目会にも招待されるのである。

↓80名以上が参加

今回の調査も、私の実施した調査と同じような結果が出ていて、やはり女性に対する暴力が「日常茶飯事」だったのだと証明されることに。インタビューされた人の8割は当時暴力があったことについて知っていたと回答、5割以上が実際に犯罪の目撃者。

クンメールルージュ(中央政府)による「道徳犯罪」の禁止が、末端レベルではほとんど意味をもたなかったこともあきらかに。

今回のお披露目会、準備は万端だったはずなのだけれど、主催者側は、ちょっと大きなミスをしてしまったのだ。というのも、カウンセラーを招待していなかったこと。今回の調査員の男性の一人が、お披露目会で調査結果を報告しているうちに、感情的になってしまって、泣きだしてしまったので、対応できない主催者側のせいで会場はしーんとなってしまい・・・・・・。彼は、これまで誰にも言えなかった自分の両親の苦しみ(父親は殺され母親は強制結婚させられた)を語り始めたのだ。何度も声をつまらせて、涙をクロマーでぬぐいながら語った彼に対して、誰も手を伸ばさなかったのだ。

昨年ケープタウンで開催された性暴力調査の世界レベルでのネットワーク会合に行ったときの最後のセッション議題は、「調査員が自分の感情をどうコントロールするか、トラウマとどう向き合うか」。わたしもそうだったけれど、性暴力の被害者からインタビューをとるっていうのは、想像を絶するエネルギーを消耗するし、わたしも調査直後はひどいトラウマに苦しめらて、調査結果を見たくもない時期があったのだ。

今後、被害の実態を語ってくれた人たちをエンパワーメントして、次世代にもこの問題を語り継いでいくことが重要だなあと、改めて使命感をかんじるのである。

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。