ジェンダーからみるカンボジア

カンボジア社会について、ジェンダー視点から色々な情報をお届けします。

縫製工場でのキャンペーン

2015年12月08日 |  ビアガールたちとの仕事2015

 

縫製工場で女性に対する暴力撲滅のキャンペーンをやるというので、取材にでかける。ビアガールとは全然関係ないんだけれど、実施部隊がビアガール関係なので、この情報がゲットできたのだ。

今の仕事とは、あまり関係ないんだけれど、縫製工場なんてなかなか内部にはいれないので、是非とも参加させてもらうのである。

↓準備中、100人程度、ランチタイムに参加してもらう

ジェニーという看板を使ってどこでもキャンペーン展開中

広い工場、1000人くらいは働いていそう

この工場では、セクハラ方針が作成されてテスト運営中で、セクハラ委員会まで設置される段階にあるというからすごい。

職場での何気ない会話で、「一晩、いくら?」みたいな直接的なジョークともとれる発言をする男性がいたそうで、女性職員から苦情が出たそう。スーパーバイザーが呼び出して、注意喚起して、3回続くと解雇になるそう。ちなみに、この、「いくら?」っていう発言はかなり頻繁にあるみたいで、男性には、ちゃんと勘違いしないように理解してもらわないと。

まあ、大学で朝からセックスとは何かって議論しているわたしたちも、考えようによっては相当セクハラまがいの発言をやってるのである・・・・「これは夜中のバーでの会話であって、朝9時の会話ではないわ!」っていうと、「まあ時間をちょっと後もどししよう、パリってことでどう?」とか、男性職員はわたしがジョークに命をかけているのを知っているので、すさまじいジョークで切り返してくるのである。でも、モニカルインスキーとクリントンがセックスしてたのでなくて女性からの一方的なセックスだったとか、訳のわからないことをいうカンボジア人には驚きなのであった・・・

↓セクハラ防止のポスター、これがかなり効果あるそう

「セクハラがあると、生産性がおちます」って言い切ったコンプライアンス担当職員。えらい。こういう人が、どの会社にもいてくれるといいんだけれど。

キャンペーンそのものには参加できなかったので残念だった・・・・なにせ時間刻みで仕事を次々こなしてる師走なのだ。どんなかんじだったのかな?あとでちゃんとフォローしなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 


仕事でビアガーデンへお出かけ

2015年12月06日 |  ビアガールたちとの仕事2015

 

 

11月25日から12月10日までは、16日キャンペーンといって、女性に対する暴力撲滅のためのキャンペーンを全土でいろんな団体が開催している。仕事の関係で、ビアガーデンでのキャンペーンを取材することに。

↓準備中、明るいうちから事務所を出てビアガーデンへ

ビール販売をしている女性たちを含むエンターテイメントワーカーの戦略を策定する仕事をしたので、コアメンバーとは仲良しだし、今でもいろいろまだ関わっているのだ。

  

ビアガーデンに行くのは実は久しぶり・・・というよりも、「不健康なビアガーデンに行くのは」、といったほうがいいかもしれない。

↓お手伝いさんがいろいろ買ってた、行商の人

 

一人でビアガーデンに行ってもつまらないので、子どもと、飲み相手を呼び出すのである。

↓サラダ、大好物だけれど、食べるのは久しぶり・・・・

 

オレンジ色のTシャツを来たキャンペーンスタッフが、お客さんに近寄って行って、女性に対する暴力について「やらない、許さない」というような誓いを立ててもらう。

↓お客さんにキャンペーンを説明中

 

↓注文しすぎた料理、子どもたちは遊ぶことに一生懸命で食べない・・

 

値段を聞かないままオーダーしたら、とっても高いお会計でびっくり。平均的市民が行くというよりは、お金持ちのおじさんたちが女の子と遊ぶために行くための店だったのだ・・・・いやはや、そんなところがよくキャンペーンをするって許可してくれたなと感心。

↓サービスでついてきた料理

ビアガーデンでは、大量に女性がいて、カラオケにそのまま入っていく客もいれば、テーブルで食べている客の相手をする女性たちもたくさんいる。なんとも不健康で、驚き・・・そもそも女性の客なんて誰もいない。

↓女性たちが「オーダー」されている様子、久しぶりにみた・・・・

 

ただ、暴力は減っているそうで、何かあったらマネージャーが警察をよんでくれたりしている。まあ、暴力とか問題をおこしたら、店にとっても評判を落とすから、いい対処法だと思う。

↓大好物のカエル、ビールのあてにぴったり

 

今回仕事の関係でインビューした、かつてビールを売っていた女性によると、「車に連れ込まれて、銃で脅されたことがあって、とっても怖かった」そう。「当時は細くて若かったから・・・」と、今はふっくらして二人の子育てをしながらシングルマザーでがんばってる話を聞かせてくれた。こういう話を聞くと、その度に、元気をもらえるのである。

 

 

 

 

 


エンターテイメントワーカーと5カ年戦略立案

2015年10月07日 |  ビアガールたちとの仕事2015

 

モンドルキリから戻って10時間後に、ビールを販売したりしているエンターテイメントワーカーたち20名ほどと戦略立案策定のワークショップ。

↓2016−2020年の戦略策定 

 

みんな、夕方3時半ごろにはレストランに出勤。 夜10時までの勤務が多いけれど、11時、12時まで働いてる人も多い。

プレイリアップのある有名レストランでは、40名程度の女性が働いてて、月収は30ドル。これ、6年も据え置きだそう(わたしがインタビューした女性は)。正月と旧正月に出勤すれば1日10ドル手当がでるけれど、もし休んだら10ドル給料からひかれるそうな・・・・

↓SWOT分析をしてもらう、混乱しているけれど、まあまあ順調

彼女たちの大きな課題は、2015年9月31日で、これまで無料だった保険医療サービス制度が終了したこと。性病とか避妊など、これまではいくつか政府指定のクリニックにいけば無料だったのに、これからは予算カットのせいで、 TG (トランスジェンダー)のみに無料になる。まだこの制度改定は数日前からの施行なので、影響は不明。でも、多くの女性たちが「男性のせい」で性病をうつされ、クリニックにいかなければならなかった。病気をうつしたレストランやカラオケに行く客(男性)はそんなことも知らずにきっと妻や子供達と普通に生活していて、ずるいなと思うのである。

 

それにしても、みんなのFACEBOOKはすさまじい・・・・ポルノまがいの写真をアップしていて、まあ、お客さんを呼ぶには仕方ないのかもしれない?いやいや、みんな超喜んでティーンの女の子たちみたいに笑いながらシェアしてて、楽んでるのである。たくましいな。まあ、わたしの学生たちのFACEBOOKもポルノまがいなので、同じかもしれない。

↓2日間の楽しい協議、たくさんお友達ができてうれしい!!

将来、ぜひ彼女たちのストーリーをインタビューして、本にしたいな。やりたいことだらけなのである。

 

 

 


ビアガールたちの戦略立案

2015年09月29日 |  ビアガールたちとの仕事2015

 

ビールを販売している女性たちが、暴力の被害にあわずに快適な環境で仕事できるようにするための協会が設立されていて、その協会の4年間活動戦略をみんなと参加型で立案してほしいという依頼。

自分の調査で手一杯、子育てもあるんだけれど、雪かきみたいな仕事で大至急誰かにやってもらわないといけないということで、引き受けることに。割ける時間がちょっと限られてて、困ってるんだけれど・・・さらに、別件で大至急ITと女性の調査をやってくれという依頼があって、息子たちの手も借りたい!!ってかんじなのだ。それにしても、なんでみんな大至急なんだ??

↓協会メンバーと、ビアガーデンの職員との協議会

この協会、予算がけっこうついてて、活発に活動してる。

現在の戦略は5つの柱からなってる。

1 ビアガールの能力向上

2 保健サービスなどへのアクセス向上

3 ビアガールの声を政策立案などに反映してもらう

4 ハラスメント防止のために関係者との協力

5 組織能力向上

 

個人的には、5つも柱があるのは多いので、3つに減らして、最大20ページくらいの戦略に落とし込もうというアプローチ。そもそも、学校に通ったことがほとんどない人たちの集まりなので、むつかしいことを言ってもわからないので、みんなの声や期待が明確に反映されてるような戦略のほうがいいとおもう。