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附録の王者「軍艦三笠の大模型」
その2
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講談社が創業以来100年以上にわたり編んできた雑誌、書籍の数々。
その膨大な原本はもとより、大家の筆による表紙絵や口絵、宣伝チラシやポスター、販促用グッズなど、コレクター垂涎(すいぜん)の貴重品が収められた秘庫の奥に、“附録の王者”と謳(うた)われる紙模型が眠っていることを知ったのだ。
その附録の名は「軍艦三笠の大模型」(設計者:中村星果)。
『のらくろ』や『冒険ダン吉』の連載で知られる月刊誌『少年倶楽部』(1914年~1962年)が、昭和7(1932 )年の新年特大号用として生み出した作品で、完成サイズは全長820㎜、全幅230㎜、全高550㎜という豪快さ。
附録とはとても信じられない迫力である。
『少年倶楽部』では、昭和6年の春を皮切りに、誰も見たことのない巨大な紙模型を案出し、附録にするという収支を度外視した破天荒企画を実施していた。
「大飛行艇ドックス号」(620㎜×750㎜×200㎜)、「エンパイヤ・ビルデング」(290㎜×150㎜×820㎜)、「空中軍艦」(700㎜×970㎜×250㎜)、「帝国新議事堂」(460㎜×310㎜×180㎜)など、いずれも紙模型とは思えぬダイナミックな作品を次々に創出。
それまで附録といえば、すごろくや小説集などが主流だった少年雑誌界に衝撃をもたらしたと伝えられている。
撮影、合成:太田公平
なかでも、「軍艦三笠の大模型」は、『少年倶楽部』附録大模型シリーズ中で、もっとも人気が高く、造形的にも頂点をきわめた逸品らしい。
自称“秘宝ハンター”としては、見過ごすことのできない附録である。暗くひんやり冷えた倉庫から、模型を太陽のもとへとひっぱり出し、なんとか蘇生させることができないものか? つづく
写真の模型は一部に加工と塗装を施してありますので、実際の商品とは多少異なります。
「完全復刻『少年倶楽部』附録大模型 軍艦三笠」
■講談社 価格:3675円(税込)
■ISBN 978-4-06-216254-8
■箱入り・シュリンクパック
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