玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

長期入院と幻覚(7)

2016年10月17日 | 日記

「ゴシック・ロックの演劇」
次に何を紹介するか迷うところであるが、「鮮度抜群の居酒屋」に連続していた夢を取り上げるのがいいだろう。これから紹介する夢はあまりにリアルであり、忘れがたいだけではなく、一時はそれが現実であると思い込んでいたので、今回入院中の夢の中でも完全に別格であった。
 ゴシック・ロックというジャンルが存在する。70年代のパンク・ロックの精神を引き継いでいるようで、パンク・ロックよりももっとマイナーなジャンルである。しかし私はそれを聴いたことがない。どんなものかは想像がつくが、聴いたことがないから夢の中できちんと曲が演奏されることはなかった。
 例の居酒屋のとなりにいつのまにかミニシアターのようなものが出来ている。
そこでゴシック・ロックのバンドが主役をつとめる演劇(ロック・オペラのようなもの)が行われている。私はいつの間にかベッドを離れてミニシアターの入り口にあるカウンター席に座っている。
 オープニングはイギリスのゴシック建築が立ち並ぶ街の一角を映像で見せるという趣向である。ゴシックの尖塔が数多く聳えていて壮観であるが、塔はすべて病院の壁紙に見た青海波の模様で覆われていて、鱗状になっている。そこにバンドのリーダーが登場するが、彼もまた鱗状の青海波模様で頭まですっぽり覆われていて、人間ではなく蜥蜴かなにかのように見える。
 演劇はミニシアターの内部で開催されていて、それを観ることは出来ないが、時々出演者達の一部がカウンター席までやって来て歌を歌うので、それがどんなものかその一部を窺うことは出来るのだった。映像と役者による演技を組み合わせたオペラのようなものらしい。
 役者はそのほとんどが外人である。金髪が多い。役者についてはちゃんとした人間の姿をしていて、恐くはない。いつの間にかバンドのメンバーが主体になっていくが、彼等はすべて人間の姿をしていない。蜥蜴のような扮装を始めさまざまな恰好をして演奏するのである。
 出演者の一人が私にメッセージを運んでくる。私のある友人に今日の公演のことをきちんと伝えてくれというのである。この公演は私の友人のそのまた友人がアメリカ在住中に書いた、アメリカ80年代研究にすべてを負っている。その著者は若くして亡くなったが、我々はその著書をアメリカ研究の重要文献と捉え、著者に絶大な信任を与えている。この演劇も彼のおかげで成立しているので私の友人によろしく、ということであった。
 ここで、私の友人のそのまた友人のアメリカ研究が映像で紹介される。この映像が衝撃的で、私はそれを忘れることが出来ない。残酷で思い出したくない場面もあるが、ある程度は紹介しておくことにする。


 

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