玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

長期入院と幻覚(4)

2016年10月14日 | 日記

③エロチックな冷凍イカ
 なんでトラバーチン模様が冷凍イカに結びつくのか、しかもエロチックなそれに結びつくのか自分でも解らない。ここでの冷凍装置は横長のガラスケースを持ったもので、そこに冷凍イカが整然と冷気を発散しながら並べられている。
多分トラバーチン模様の規則性が、きちんと並べられた冷凍イカの姿に反映されている。
 なぜエロチックなのか? その夢を見ている私の中で、囁く誰かがいる。「イカは全然不格好で、品のない食べ物だったが、最近綺麗になって、エロチックな魅力さえ持つようになりましたね」というのである。このエロチックな冷凍イカのイメージがそのまま、冷凍された裸の少女達のイメージに結びついていく。
 私は長岡市のある大学から、柏崎市の病院に大きな冷凍車で運ばれている。目の前にガラス張りの大きな冷凍庫がある。そこに冷凍イカが左から右に整然と並べられているのである。
 イカは厚みのあるもので、多分アオリイカかモンゴウイカのたぐい。形良く仕上げるためだろう、げそは外してある。しかも皮もむいてあるのか、身は白く極めて美しい(写真参照、これはスルメイカだからもっと厚いのが整然と並べられている)。それが冷凍の冷気を発散しているのを見ると、手術室の清潔ささえ感じさせるのである。


 そして、その冷凍イカは見ている私の前で、冷凍された裸の少女達の姿にすり替えられていく。目の前で変身するのではない。私にとってエロチックな冷凍イカは冷凍少女達と等価なのであって、「綺麗になったエロチックなイカ」という言葉が直接に冷凍少女達を導いてくる。
 私を運ぶ車は中型バスくらいの大きさで、片側に座席が、もう片側には冷凍庫が収められている。車は私と冷凍イカ=冷凍少女を柏崎の病院の手術室に運ぶ途中なのだと私には了解されている。国道を進む車、病院に到着する車が私には認識されてくる。
 意識があるのはそこまで。その後私がどこに運ばれたのか、そこでどのような扱いを受けることになるのかについては、描かれることはない。まるで、手術時の麻酔の世界に入っていくかのように。
 それにしてもガラス扉つきの冷凍車というのは面白い。こういう奇想は夢につきものであり、夢の持つ大きな力を感じないではいられない。

 

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