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【論考】2020年代入り後のわが国経済─展望と課題─

2017-05-28 | 論考

     

 
【論考】2020年代入り後のわが国経済─展望と課題─

安倍政権は、「経済再生なくして財政健全化なし」とのスタンスのもと、成長率の引き上げに注力している。もっとも、これまで政策の柱としてきた金融緩和の余地が限られるなか、マクロ政策による成長率の引き上げは難しくなっている。一方、財政健全化については、これまで景気拡大に伴う税収増を目指す方針のもと歳出構造の抜本的な見直しが遅れていたため、当初目標としていた2020年度の基礎的財政収支黒字化は、ほぼ実現不可能になっている。
 
2022年以降、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に移行するのに続き、2030年代半ば以降は、団塊ジュニア世代が順次65歳以上となるなど、今後生産年齢人口の減少ペースが加速することが見込まれる。このため、経済成長ペースの大幅鈍化が予想されるほか、医療・介護を中心に社会保障関連費が大幅に増加する見通しである。このため、現状を放置すれば、基礎的財政収支の赤字は2020年度以降再び拡大し始め、公的債務のGDP比も上昇に歯止めが掛からなくなると予想される。
 
2020年代入り以降、高齢化に伴う家計貯蓄の減少により、財政運営は一段と厳しさを増してくるとみられるだけに、できるだけ早期に財政健全化の道筋を示す必要がある。仮に、財政健全化を消費税率引き上げだけで賄っていくとすれば、現行の経済構造を前提にすると、消費税率を2030年に向け少なくとも20%前後まで引き上げる必要がある。公的債務残高の持続的な低下の実現や軽減税率の導入も考慮に入れると、さらに引き上げていく必要がある。
 
こうした状況を踏まえ、今後大幅増加が予想される国民医療費や介護費を抑制していく必要がある。ただし、診療報酬の抑制や高額療養制度の見直し、後期高齢者医療制度における自己負担増加などの措置を行っても、国庫負担抑制効果は限られる見込みである。介護費に関しても、要介護者の大幅な増加が見込まれるなか、介護保険における給付範囲の見直しなどに取り組んでも、国庫負担抑制効果は限られる見通しで、社会保障関連費を大幅に圧縮することは困難である。
 
このため、歳出削減だけでなく、税収増に向け経済成長の上振れを図っていく必要がある。
 
 
 
  

    

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