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【論考】IoTにおけるブロックチェーンの適用可能性について─「つながるIoT」プラットフォームの実現に向けて

2017-06-19 | 論考

 

     

 
 
【論考】IoTにおけるブロックチェーンの適用可能性について─「つながるIoT」プラットフォームの実現に向けて

1.IoTは、世の中のあらゆるモノをネットワークに接続することで、さまざまな付加価値を生み出すことを目的としたITインフラストラクチャである。AI(人工知能)、ビッグデータなどの技術とともに利活用することで、経済活動の効率性や生産性が大きく向上すると見込まれている。さらに、高齢・人口減少社会における経済、社会保障などの面で生じる課題を解決する手段としても注目を集めている。
 
2.IoTの実用化および高度化に向け、企業や業界においてさまざまな取り組みが行われているものの、いまだ特定の企業や工場内の最適化、生産性向上といった狭い適用範囲での利用にとどまるものが多い。しかしながら、各種のデータの統合と利活用による潜在力を考えれば、サプライチェーンの上流から下流にかかわる企業がデータによって結び付き、業界を跨がる社会のあらゆるモノがIoTでつながり、人の関与なしにモノが自動的・自律的に動作する方向へ進展するとみられる。
 
3.社会全体へIoTサービスを展開するには、1社単独で提供するのは困難であり、さまざまな企業が連携してサービスを提供するオープンイノベーションが不可欠である。その際、他社との協業体制を構築し、素早く、最適に結び付き、新しいサービスを提供することが可能な「つながるIoT」のプラットフォームが必要になる。そうしたIoTプラットフォームの実現において、従来のITシステムで一般的な中央集権型であれば管理主体に負荷やコストが集中するうえに、管理主体の技量や資金力がシステムの機能や信頼性の制約条件となる。そこで、参加者間で分散統治する分散型システムを形成するほうが有利となる場合がある。
 
4.ブロックチェーンは分散型システムの一種であり、その革新性や応用可能性から大いに期待を集める技術である。ブロックチェーンは特徴の異なる3種類に大別できると言われており、それぞれ特徴や適性があるにもかかわらず、一括りに議論されることが多く、正しく認知されているとは言い難い。分類ごとの特徴や課題を十分把握したうえで利用目的やシステムへの適合を見極めなければ期待する効果は得られない。
 
5.ブロックチェーンは発展途上の技術であり、現時点の成熟度を勘案すれば、コンソーシアム型と呼ばれるブロックチェーンの活用が最もIoTプラットフォームに適合する可能性が高い。台帳を分散保持することで障害に対する耐性を高め、さまざまなモノやサービスの接続を容易にする拡張性を備え、参加者間での相互運用性の向上が期待できる。さらに、副次的なメリットとして、スマートコントラクトと呼ばれる自動執行機能をブロックチェーンに実装することにより、参加者は共通のルールに従わざるを得ないため、標準化とオープンイノベーションの推進に寄与する。
 
6.広く社会へ普及するIoTの実現に向けて、最初から完全な正解(仕組み)を求めて長時間を費やすのではなく、少数の関係者でコンソーシアムを組み、実現可能性の高いところから迅速に試行錯誤を繰り返し、運用しながら修正・拡張していくことが重要である。そうした観点からも、IoTにおけるブロックチェーンの利活用にはメリットがある。
 
 
 
  

    

ジャンル:
経済
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