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【論考】米財政運営の主導権はトランプから離れ、市場の期待も剥落

2017-06-26 | 論考

    

 
【論考】米財政運営の主導権はトランプから離れ、市場の期待も剥落

トランプ政権は5月23日、2018年度の予算教書を発表した。今次予算教書は、過度に楽観的な景気見通しなど、無理な前提に基づいた政治的な文書の性格が強い。実現可能性を考慮していないとすら考えられ、公約実現の助けになりにくい。
 
.......予算教書では、2027年度までに財政赤字を解消する方針が示され、同時に、同年度にGDP比90%近くにまで増加すると予測されている債務残高も、同60%を下回る水準にまで低下させるという。しかし、これらの前提は従来の見通しからかけ離れたものであり、実現は困難だろう。...................
 
予算教書の意義は、財政運営の主導権が議会共和党に移る契機となる点にある。議会は2018年度予算の審議を先に終えざるを得なくなっており、減税などの実現は越年の可能性が高まっている。
 
減税などの実現に向けた活路が開けるとすれば、ロシア疑惑による政治的なダメージを挽回するために、議会共和党が団結を強めるという展開に限られるだろう。すでに4月には税制改革が発表され、今回の予算教書はその数字につじつま合わせた側面が強い。理論的な裏付けが乏しいため、今後も議会との調整には困難を伴うと展望される。
 
今日の世界の市場は、トランプ政権の減税政策の思惑で左右される状況にあるが、年内の減税の実現を市場は諦めつつある。
 
米国の長期金利の低下の一端にはこうした期待の剥落もあるのではないか。
 
 
  

    

ジャンル:
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