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【論考】中国の消費市場と越境EC(電子商取引)─デジタル時代の消費財輸出戦略

2017-06-19 | 論考

 

     

 
【論考】中国の消費市場と越境EC(電子商取引)─デジタル時代の消費財輸出戦略

1.昨今、中国経済の減速がメディアを賑わしているが、これをビジネスチャンスの縮小と捉えるべきではない。世界第2位の経済大国となった中国の2016年1年間のGDP増加分は5兆5,080億元(8,290億ドル)であり、日本の名目GDPの10%を超える。とくに消費市場が堅調に拡大している点は引き続き注目すべきである。
 
2.中国では所得格差が著しいこともあって高所得層の所得水準は高い。公式統計でも都市部住民の上位20%(約1億5,000万人に相当)の一人当たり年可処分所得は2015年に約65,000元(約126万円)の水準にあり、家計ベースに換算すれば年間400万円近くになる。
 
3.これら高所得層を中心とする旺盛な消費意欲は、わが国への観光客数の増加と支出額からも確認できる。2016年の中国人観光客は637万人で、旅行支出額は1兆4,754億円に達している。この中国人観光客の増加は、日本の対中国輸出にもポジティブな影響を及ぼしている。例えば、観光客が好んで購買する商品の輸出(インバウンド製品の輸出)は過去2年間で1.5倍に増加した。
 
4.このインバウンド製品の輸出は越境EC(電子商取引)の普及により今後も拡大していく見込みである。その背景として①インターネット環境の整備と携帯電話の普及、②越境ECを通じた輸入における税制上の利点、③保税倉庫の利用と越境EC総合試験区の設置、④越境EC専用サイトへの大手企業の参入などがある。
5.中国の消費市場開拓において越境ECの活用は重要な戦略の一つとなる。ソーシャルメディアの活用も今後視野に入れるべきであろう。また、越境ECの活用は、中国だけでなく他の新興国の市場開拓にも生かせる。国内においても中小企業の活性化や地域再生につながる戦略である。
 
 
  

    

ジャンル:
海外
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