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【論考】生活困窮高齢者の経済的安定に向けた課題

2017-05-18 | 論考

 

【論考】生活困窮高齢者の経済的安定に向けた課題

近年、わが国では、非正規雇用者に象徴されるワーキングプア世帯ばかりでなく、勤労世代に比べ余裕があるとされる高齢者世帯でも、経済的に困窮する世帯が増加傾向にある。こうした世帯は、収入が最低生活費に満たない世帯ばかりでなく、最低生活費ギリギリの収入で貯蓄がない、あるいは日々の赤字補てんのため貯蓄を取り崩し、存命中に底をつく可能性が高い世帯である。
 
生活困窮高齢者世帯およびその予備軍の世帯は、2012年時点で、400万世帯を超え、2030年には、500万世帯以上に達すると推計される。とりわけ、2012~2020年の増加幅が大きく、ボリュームゾーンである団塊ジュニアの高齢化を待たずして、増勢が加速する形となっている。これは、団塊世代の高齢化のほか、1990年代以降の国内外の経済危機が大きく影響しているためである。とりわけ、1950~1960年代前半に生まれた世代では、危機の度に減給やリストラなどの対象となり、年金や貯蓄といった老後資金を十分に積み上げられなかった者が少なくない。
 
生活困窮者に対しては、生活保護制度を柱に、社会保障制度の枠内での対応が図られてきたものの、財政面の制約が強まるなか、政府は対策の軸足を社会保障による救済(福祉)から、生活困窮者本人の就労による自立支援、地域での共助・互助へ転換した。しかしながら、新たな就労の対象は生産年齢層であるうえ、地域の共助・互助も基盤整備に着手した段階であり、生活困窮高齢者は、支援の枠組みからこぼれ落ちているのが実情である。
 
 

     

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