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【再読・論考】マクロン新仏大統領が直面する課題~労働市場改革の舵取り次第で、再びポピュリズム勢力を勢いづかせる恐れも

2017-06-10 | 論考

 

     

 
【論考】マクロン新仏大統領が直面する課題~労働市場改革の舵取り次第で、再びポピュリズム勢力を勢いづかせる恐れも
 
(1)2017年5月8日に実施されたフランス大統領選の決選投票では、マクロン候補が66%の得票率で勝利し、新大統領に就任。当面は、6月10日、17日に行われる下院議会選挙で、マクロン大統領が率いる新政党「共和国前進」が議席を伸ばし、安定政権を樹立できるかが焦点に。

(2)世論調査によると、「共和国前進」は徐々に支持率を高めており、単独で過半数を獲得できる可能性も。ただし、大統領選の決選投票では白票・無効票や投票辞退が総投票権者の3分の1に達しており、それらを含めたマクロン大統領の実質的な得票率は44%。新大統領への支持が国民の多くに広がっているとは言い難く、予断を許さない状況。

(3)また、仮にマクロン大統領が主導権を握る安定政権を樹立できたとしても、今後の政策運営には多くの課題。マクロン大統領はマニフェストとして、労働時間や解雇に関する規制の緩和といった労働市場改革を標榜。フランスは先進国のなかでも、雇用規制が極めて強い国の一つとされており、過度な労働者保護がフランスの単位労働コストの高止まりを招来。輸出競争力の向上を通じて外需を取り込み、景気を回復軌道に乗せるためにも、労働市場改革は最優先課題。

(4)ただし、ドイツやスペインといった労働市場改革に取り組んだ国をみると、改革の実行から1~2年半程度の期間は、失業率の上昇など国民への負担が生じる可能性が大。失業者への適切なサポート等がなければ、国民の不満が一段と高まり、再びポピュリズム勢力が勢いを増す恐れ。一方、反発を恐れて抜本的な改革に踏み切れなければ、長引く景気停滞を脱却できず、いずれにせよ国民の不満を招く可能性。マクロン大統領の政治手腕が未知なだけに、労働市場改革の舵取りが下院選挙後の注目点に。
 
 
 
  

    

ジャンル:
海外
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