JAPAN BRIEFING:エグゼクティブのため情報検索サービス

エグゼクティブのために、政治・行政・経済・ビジネス・安全保障・外交を中心に情報を提供、論点整理をお手伝いするブログです。

【論考】東南アジアにおける日本企業とスタートアップの連携の可能性

2017-06-16 | 論考

 

     

 
 
【論考】東南アジアにおける日本企業とスタートアップの連携の可能性

1.日本企業はこれまで東南アジアにおけるビジネスの優位性を保ってきたものの、外国企業や地場企業との競争が激化し、日本製品という理由だけでは売れない時代となっている。そうしたなかで市場開拓を行っていくには、現地に入り込み、現地のニーズをきめ細かく吸い取って適切に対応していくこと、すなわち現地化が従来以上に重要になっている。
 
2.一方、東南アジアでは現在、デジタル化が急速に進んでいる。もっとも、個別分野ごとのバラツキが大きいうえ、デジタルとそれ以外の分野が足並みをそろえて発展しているわけではないなど、先進国の感覚からはアンバランスな、いわば「新興国型のデジタル化」といえる。こうした状況下、日本企業による市場開拓もデジタル化に対応したものに変えていくことが求められるが、対応方法は現地の事情に合致したものでなければ到底通用せず、ここでも現地化が重要になる。
 
3.こうした難しい局面において考えられる一つの方策が、現地スタートアップとの連携である。スタートアップは最新のデジタル技術を駆使しつつ、現地の実情に寄り添うビジネスを展開している。日本企業は彼らと連携し、彼らのイノベーションを取り込むことで、デジタル化・現地化に関する情報・ノウハウのハンディキャップを補ったり、デジタル化・現地化に向けたさまざまな実験を容易に行ったりすることが可能になる。それが東南アジアでの日本企業の市場開拓を後押しし、ひいては日本企業のプレゼンスの維持・向上につながることが期待される。
 
4.日本企業の間では、国内のスタートアップと連携する動きが始まったばかりであり、海外、ましてや東南アジアでの連携となると実施事例は少ない。しかし、連携を進めるための環境は徐々に整いつつある。スタートアップを巡る人的ネットワークが水面下で次第に構築されつつあるほか、官民あげての取り組みにより、スタートアップ・イベントやコワーキング・スペースなど、オープンな出会いの場が増えている。
 
5.海外のスタートアップとの連携に不慣れな日本企業にとっては、まずは日本人が東南アジアで立ち上げたスタートアップ(日本人スタートアップ)と連携するという選択肢が考えられる。日本人スタートアップであれば、トップが日本語を話し日本人の思考パターンを理解するため意思疎通がしやすく、自社商品が現地に受け入れられるための支援を受けることが期待できる。日本人スタートアップを通じて連携慣れした後に、連携先の候補を現地人材によるスタートアップへ広げていくというのが一つの有効な方策であろう。
 
6.東南アジアで日本企業がスタートアップとの連携を成功させるための主な留意点としては、①連携の目的を明確にしたうえで、それを社内で共有する、②社内手続きのスピードを速めるなど、既存企業とは異なる対応を行う、③対等な関係を構築する、の3点が挙げられる。
 
  
 

    

ジャンル:
海外
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【論考】英EU離脱Brexitレポ... | TOP | 【論考】ユーザー・ドリブン... »

Related Topics