高度成長期に計画され、バブル時代に建設されたはよいが、その後の大不況で今や存在自体が危ぶまれている。そんな建造物・構造物はどこにでもあるが、千葉モノレールも、その一つである。
平成3年に開業して以来、着々と路線を延ばし、「懸垂型モノレール世界最長の空中鉄道」という称号まで頂くようになったが、客足は年々減少し、赤字も年々累積されて200億円。もう国債的雪達磨状態、息絶え絶えである。
それを受けて千葉市は経営再建策を練ったが、「企画乗車券を売る」「広告ラッピング車両を走らせる」「人件費を削る」「運行本数を減らす」というもので、到底再建に繋がるようなものではない。人件費を削った結果、駅舎も車両も小汚いものとなり、本数も減って、利用客の減少→さらなる本数減という国鉄末期の状況に陥っている。
客足が伸びないのは、沿線の高齢化、人口減少によるもの、と千葉市はしているが、識者らはそもそも路線設定が甘い点に問題がある、と考えている。千葉モノレールは曲がりくねっていて、直線なら速いのに、ずんと遠回りしている奇妙な造りをしている。これは大船渡線などでも見られる「我田引鉄」の典型例で、どこもどこもと停車駅を増やした結果、非常に使いづらい路線となっている。
全般的に競合するバス路線やJRの方が速く、場所によっては徒歩の方が速いとも囁かれている。バスはワンコイン100円、モノレールは初乗り190円だから、とても太刀打ちできない。1つの線で全ての重要地点を結ぶより、千葉駅を中心にした放射線形態にすべきだったろう。
また路線構造自体、過剰投資のようにも見える。現行の運転間隔なら単線で十分だし、懸垂式モノレールは跨座式より建設費がかさむ。さらに無闇に軌道も背が高いように見える。大体全ての重要地点を結ぶのでは、建設費がかかって仕方がない。思いきって停車駅を絞った路線にすべきだったろう。
余りの赤字に昨今では廃止案も噴出してきているが、単年度で見ると黒字を計上しているため、決して儲からないという訳ではない。建設費を税金で払ってしまい、綺麗な身体にして再出発、という形にするのが一番だろう。
千葉県の施設には、イマイチというか、企画倒れ的なものが少なくない。千葉ニュータウン。当初計画では34万人の人口を抱える事になっていたが、実際の居住者数は8万にも達して居ない(H11年)。人口割れはどこのニュータウンでもあるが、これほどの割れ具合は珍しい。実に計画の四分の一である。
そのニュータウンのお膝元、船橋市には「ザウス」なる室内スキー場があったが、これも閉鎖されてしまった。スキーしにわざわざ新幹線や長距離バスに乗らなくてもいい、というのがウリであったが、入場料(5000円程度)の割りには狭苦しく、スキー独特の開放感が味わえない、という事から客足が遠のいた。実際コンクリートの外壁や支柱にぶつかって怪我をした人もいる。
その船橋を通る鉄道の一つが京成電鉄であるが、この会社は大手私鉄の中で始めて経営破綻寸前まで行ったことで有名だ。それも今の不況下でのことではなく、日本経済が元気だった昭和の御世のことだから凄い。
その京成破綻劇の原因となったのが成田空港である。京成は開港を見越して設備投資を行っていたが、成田空港が過激派に占拠されたり、空港までバスに乗り換えないとならない事から客足が伸びず、経営破綻にまで陥ったのである。
その成田空港であるが、世界でも著名な「不便な空港」だ。東京からやたら遠く、サテライトと飛行機が直結しないことが多いので、バスを乗り継ぎながらの苦難の旅を強いられる。旅travelの語源が「困難」ということを実感させられる空港である。(パクリ御免・・Ravioliさん)
これらの諸現象に共通しているのは、計画と現実のミスマッチである。このミスマッチは発展途上国でも良く見られるものだが、誰が悪いというより、立案者と住民の間に認識上のギャップがある点に原因があるようだ。立案者はよかれと思って様々な施設を作るが、住民は作った通りには行動しない。
これは立案者の官僚的・工学的世界観と、住民の庶民的・農民的世界観が食い違うからで、一般に住民の教育水準が向上してくるとかなり解消されてくるものだ。千葉県が首都圏の中の「発展途上県」と揶揄されるのも、原因がないことではない。
千葉モノレールに戻ると、そもそも懸垂式、という選択が誤りだった、という意見もある。同形式の路線は他に湘南モノレールしかなく、東京・多摩・大阪・小倉・那覇などで実績のある跨座式に比べると建設・運営コストがかかる。それなのに懸垂式にしたのはメーカーの三菱側と、千葉県・千葉市側でなんらかの取引があったのではないか、とも噂されている。(ちなみに跨座式のメーカーは日立)
確かに懸垂式には跨座式にないメリットがないことはない。走行輪が桁の中に置かれるので雪にも強く、騒音も少ない。ただ千葉市は積雪も少ないことから、それが理由とされたというのは考えづらい。騒音についても、とりわけ跨座式が大きいという訳ではないことは、東京モノレールなどで実証済みだ。
疑惑は残るが、千葉モノレール、眺望は絶品だ。ビルの5,6Fほどの、かなり高い地点まで上ったかと思うと、民家すれすれまで降下する。モノレールならではの小回りを活かした「ライド」は一乗に値する。
ただ車両が余りにチャチいのが気になる。元々懸垂式というものはカーブを曲がるさいに遠心力で振られるため、裾を絞っているのだが、そのため向かい合わせに座ると足がぶつかりそうになる。大江戸線では上が絞ってあるので割合ゆったりと座れるが、千葉モノレールはそうはいかない。バスと余り変わらないほどの空間だ。
電車に乗ると言うより、駕籠に乗っている感覚だ。
平成3年に開業して以来、着々と路線を延ばし、「懸垂型モノレール世界最長の空中鉄道」という称号まで頂くようになったが、客足は年々減少し、赤字も年々累積されて200億円。もう国債的雪達磨状態、息絶え絶えである。
それを受けて千葉市は経営再建策を練ったが、「企画乗車券を売る」「広告ラッピング車両を走らせる」「人件費を削る」「運行本数を減らす」というもので、到底再建に繋がるようなものではない。人件費を削った結果、駅舎も車両も小汚いものとなり、本数も減って、利用客の減少→さらなる本数減という国鉄末期の状況に陥っている。
客足が伸びないのは、沿線の高齢化、人口減少によるもの、と千葉市はしているが、識者らはそもそも路線設定が甘い点に問題がある、と考えている。千葉モノレールは曲がりくねっていて、直線なら速いのに、ずんと遠回りしている奇妙な造りをしている。これは大船渡線などでも見られる「我田引鉄」の典型例で、どこもどこもと停車駅を増やした結果、非常に使いづらい路線となっている。
全般的に競合するバス路線やJRの方が速く、場所によっては徒歩の方が速いとも囁かれている。バスはワンコイン100円、モノレールは初乗り190円だから、とても太刀打ちできない。1つの線で全ての重要地点を結ぶより、千葉駅を中心にした放射線形態にすべきだったろう。
また路線構造自体、過剰投資のようにも見える。現行の運転間隔なら単線で十分だし、懸垂式モノレールは跨座式より建設費がかさむ。さらに無闇に軌道も背が高いように見える。大体全ての重要地点を結ぶのでは、建設費がかかって仕方がない。思いきって停車駅を絞った路線にすべきだったろう。
余りの赤字に昨今では廃止案も噴出してきているが、単年度で見ると黒字を計上しているため、決して儲からないという訳ではない。建設費を税金で払ってしまい、綺麗な身体にして再出発、という形にするのが一番だろう。
千葉県の施設には、イマイチというか、企画倒れ的なものが少なくない。千葉ニュータウン。当初計画では34万人の人口を抱える事になっていたが、実際の居住者数は8万にも達して居ない(H11年)。人口割れはどこのニュータウンでもあるが、これほどの割れ具合は珍しい。実に計画の四分の一である。
そのニュータウンのお膝元、船橋市には「ザウス」なる室内スキー場があったが、これも閉鎖されてしまった。スキーしにわざわざ新幹線や長距離バスに乗らなくてもいい、というのがウリであったが、入場料(5000円程度)の割りには狭苦しく、スキー独特の開放感が味わえない、という事から客足が遠のいた。実際コンクリートの外壁や支柱にぶつかって怪我をした人もいる。
その船橋を通る鉄道の一つが京成電鉄であるが、この会社は大手私鉄の中で始めて経営破綻寸前まで行ったことで有名だ。それも今の不況下でのことではなく、日本経済が元気だった昭和の御世のことだから凄い。
その京成破綻劇の原因となったのが成田空港である。京成は開港を見越して設備投資を行っていたが、成田空港が過激派に占拠されたり、空港までバスに乗り換えないとならない事から客足が伸びず、経営破綻にまで陥ったのである。
その成田空港であるが、世界でも著名な「不便な空港」だ。東京からやたら遠く、サテライトと飛行機が直結しないことが多いので、バスを乗り継ぎながらの苦難の旅を強いられる。旅travelの語源が「困難」ということを実感させられる空港である。(パクリ御免・・Ravioliさん)
これらの諸現象に共通しているのは、計画と現実のミスマッチである。このミスマッチは発展途上国でも良く見られるものだが、誰が悪いというより、立案者と住民の間に認識上のギャップがある点に原因があるようだ。立案者はよかれと思って様々な施設を作るが、住民は作った通りには行動しない。
これは立案者の官僚的・工学的世界観と、住民の庶民的・農民的世界観が食い違うからで、一般に住民の教育水準が向上してくるとかなり解消されてくるものだ。千葉県が首都圏の中の「発展途上県」と揶揄されるのも、原因がないことではない。
千葉モノレールに戻ると、そもそも懸垂式、という選択が誤りだった、という意見もある。同形式の路線は他に湘南モノレールしかなく、東京・多摩・大阪・小倉・那覇などで実績のある跨座式に比べると建設・運営コストがかかる。それなのに懸垂式にしたのはメーカーの三菱側と、千葉県・千葉市側でなんらかの取引があったのではないか、とも噂されている。(ちなみに跨座式のメーカーは日立)
確かに懸垂式には跨座式にないメリットがないことはない。走行輪が桁の中に置かれるので雪にも強く、騒音も少ない。ただ千葉市は積雪も少ないことから、それが理由とされたというのは考えづらい。騒音についても、とりわけ跨座式が大きいという訳ではないことは、東京モノレールなどで実証済みだ。
疑惑は残るが、千葉モノレール、眺望は絶品だ。ビルの5,6Fほどの、かなり高い地点まで上ったかと思うと、民家すれすれまで降下する。モノレールならではの小回りを活かした「ライド」は一乗に値する。
ただ車両が余りにチャチいのが気になる。元々懸垂式というものはカーブを曲がるさいに遠心力で振られるため、裾を絞っているのだが、そのため向かい合わせに座ると足がぶつかりそうになる。大江戸線では上が絞ってあるので割合ゆったりと座れるが、千葉モノレールはそうはいかない。バスと余り変わらないほどの空間だ。
電車に乗ると言うより、駕籠に乗っている感覚だ。
駕籠なわけないでしょう。











