月刊パントマイムファン編集部電子支局

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アーティストリレー日記(72)佐々木博康さん

2017-01-14 08:01:33 | アーティストリレー日記
今回は、数多くのマイミストを育成し、今なお現役で活躍し続ける、わが国のマイムの偉大なパイオニアである、日本マイム研究所の佐々木博康さんの日記をお届けします。

肉体表現について
19歳で始めた肉体表現も今年で58年になる。長いと云えば長いかも知れないが、現在の自分からするとあっという間に過ぎてしまった。現在から考えると過去は凝縮されたようなもので既に終わってしまったことに過ぎない。ただ人間であるからノスタルジックな回想の懐かしい、楽しい思い出というものは存在しているし、それが作品を創る原動力となることも多い。
マイム、モダンダンス、舞踏、リアリズムマイム、日本舞踊、民謡(踊り)、柔道、空手、太極拳等、自分の一生は体を動かし続けてきた。どれも肉体表現に役立つと思ってやってきたものだ。
僕は最初にマイムから始めたが自分のめざす肉体表現とは演劇(心理表現としての)、マイム、ダンスが三位一体となったものである。それは要素として一体となったもので、いずれも型にとらわれないものでなければならない。いろいろの秀れた芸術を参考にしながら、人間、自然、宇宙をよく観察し、自分流の表現で創作していくことが重要である。

たとえば能の空間芸術としての意識の持ち方や技術は素晴らしいものがある。ただ我々肉体表現の立場から見ると能は言語を使っている。我々の表現は言葉を用いない。これは決定的な違いがある。我々は言葉の説明がないので頭のてっぺんから足の先まで使って明確に表現しなければならない。能の歩き方や所作も我々の肉体表現ではもっと明確にスピーディにしなくてはならない。時間を凝縮すると云うことはとても重要である。短い時間にどれだけ密度の濃いものが表現できるかが問われる。
僕は77歳になったが若い頃や中年の頃より肉体で表現することがより好きになった。肉体表現は難しい。それだけが長く続けられた一番の理由なのだ。究極の肉体表現とはいかなるものか、今年もそれを追求していきたい。

日本マイム研究所は演劇、映像、バレー、ダンス他あらゆる舞台芸術をめざす人、プロフェッショナルの人達に根本的な演技力、肉体表現力をつけて頂くためのレッスンを行っております。それがメーンですが、今年から専門的ではなく、趣味として健康としてのクラスを始めます。(4月予定)中高年対象。
又、小学生、中学生のこどもクラスも始めます。
楽しく身体を動かしながら人を魅了、笑わす芸ができるようになります。ぜひ挑戦して下さい。

日本マイム研究所お問合わせ:Mailアドレス hiro-s@bg7.so-net.ne.jp

佐々木博康

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