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月刊イオがおくる日刊編集後記

同胞学生たちの「朝鮮学校を知ろう!考えよう!応援しよう!キャンペーン」

2014-03-19 09:00:00 | (K)のブログ



 3月9日、日本の大学に通う同胞学生たちによる「守ろう!ウリハッキョ! 朝鮮学校差別に反対する大学生全国集会」という集会に参加してきました。

 この集会は、昨年10月より進められてきた「朝鮮学校を知ろう!考えよう!応援しよう!キャンペーン」を締めくくるものとしてもたれたものです。このキャンペーンの目的は、「高校無償化」制度からの朝鮮学校排除、補助金の支給停止など、朝鮮学校を取り巻く状況が日増しに苦しさを増し、日本当局による弾圧がひどくなる中、一人でも多くの人に朝鮮学校について知ってもらい、朝鮮学校を取り巻く差別について考えてもらい、朝鮮学校を応援するために行動してもらおうというもの。

 キャンペーン期間中、同胞学生たちは、統一的に、地方別に様々な活動を行ってきました。「外国人学校、民族学校の制度的保障を求める文部科学省宛メッセージ」カードを日本全国で集めて文科省に提出(3月5日)したり、各大学での展示会「知ろう!朝鮮学校」や、東京での講演会、兵庫と大阪での公開学習会、愛知での「無償化」裁判の支援活動、京都での「学生法廷」の開催などがそうです。

 「守ろう!ウリハッキョ! 朝鮮学校差別に反対する大学生全国集会」はその名の通り、各地域で活動してきた日本全国の同胞大学生たちが一堂に集まっての集会となりました。集会ではまず、「朝鮮学校差別の本質とは何か―朝鮮学校差別と日本の植民地主義」と題したシンポジウムが行われ、明治学院大学の鄭栄桓准教授が「朝鮮高校生の「無償化」排除とどう対峙するか―歴史的視点から考える―」というタイトルで、大阪産業大学の藤永壯教授が「「高校無償化」裁判闘争の争点と展望」というタイトルで、それぞれ発言しました。

 「無償化」問題について、東京朝高の生徒と先生からのアピール、キャンペーンの各地方の活動報告などがあった後、集会のメインイベントである、関東地方の学生たちによる演劇「チョゴリ」が上演されました。
 演劇は、今を生きる学生がハルモニの過去の話を聞くところからスタートし、時代が1948年、4.24教育闘争の時へと移ります。当時、実際にあった東京での朝鮮学校への弾圧と、それに抗して同胞たちや先生、子どもたちがいかに闘ったのかを描いています。



 学生たちの熱演がすがすがしい演劇でした。セリフでも語られていましたが、今の朝鮮学校の置かれている状況は本質的に4.24の時代と変わっておらず、弾圧の形態が違っているだけである、闘わなければ朝鮮学校も同胞の権利も何も守ることはできないということを、訴えていたと思います。出演者の一人に日本人学生もいたのが印象的で、朝鮮学校の問題が日本人自身の問題であり、日本人自身が解決のために立ち上がる必要があるということを語っているようでした。



 最後には学生たちが全員壇上に上がり、「守ろう!ウリハッキョ!在日朝鮮人学生宣言」が読み上げられました。宣言では朝鮮学校に対する差別・弾圧について言及し、次のように訴えています。
 「私たちは、日本社会に広く訴えたいと思います。/このような不正義が本当に許されていいのでしょうか? このような不正義をいつまでも続けるのでしょうか?/私たちは、朝鮮学校を差別し、その存在を否定することは、在日朝鮮人が民族的な尊厳を持って生きていくこと自体を否定することだと考えます。/日本は植民地時代から今日に至るまで、朝鮮人の尊厳を否定することを続けて来ました。それが今もまったく終わっていないことは、昨今の朝鮮学校に対する露骨な差別が如実に見せてくれています。/歴史的に続いたこの不正義を、いつまでも許すことは出来ません。」

 同胞学生の中には朝鮮学校を卒業した人たちも多くいますが、日本学校しか通っていない学生も多くいます。日本の大学で学ぶ同胞学生たちが朝鮮学校を守るために、キャンペーンを張って具体的な行動を続けてきたことは、本当に素晴らしいことだと思います。
 この集会はキャンペーンを締めくくるものでしたが、朝鮮学校を知ってもらい考えてもらい行動してもらうための同胞学生たちの活動はこれからも続けられていきます。(k)


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