阪急電車の上品さは、創業者小林一三の茶の湯の心(大阪奈良感傷旅行①)(2010.9.28)

2010-09-28 18:09:18 | Weblog

 *小林逸翁美術館

 先週9月22日から2泊3日で大阪に行ってきました。大阪で感じる東京との違いは、いろいろありますが、まずエスカレーターで右側に立って、左側が歩き登ることです。関東とは逆です。
 なぜなんでしょう。40年前に私が大阪にいた時代は、エスカレーターはデパートにあった程度で、片側をあけて立つなんてことは、そもそもなかった。地下鉄に長いエスカレーターができてからでしょう。エスカレーターに乗っていながら歩く人が出てきてからでしょう。人が急ぐようになってからでしょう。

 阪急電車に乗りました。上品なのです。乗客でなく車内、車両が上品と感じるのです。写真を撮らなかったのですが、木目調だったか車内デザイン、座席の材質、品がいいのです。まるで一等車です。これは40年前から変わっていません。東京・大阪、いくつも私鉄に乗ってきましたが、阪急だけです。。社風でしょうか、守り続けている精神です。
 電車もまた、派手なツートンカラーやアルミむき出しでなく、渋めのあずき色で落ち着いています。

 阪急宝塚線で、池田駅まで乗りました。茶の湯好きの家人に合わせて、小林逸翁の記念館などを訪ねました。
 小林逸翁、小林一三は、起業家で、阪急電車、阪急デパート、宝塚歌劇団、阪急ブレーブス、東宝・・・などの創業者です。電車を通し、文化施設、文化的な住宅地を創っていった、今流にいえば、“まちづくり”をしていった人です。文化を根底にまちづくりをした人、まちづくりの先導者でもあります

 明治生まれの大実業家は、茶の湯の“数寄者”でもあります。東京の、益田鈍翁(三井)、根津嘉一郎(東武鉄道)らの系譜につながる破格の茶の湯好きです。

 *小林一三記念館(旧邸宅)

 池田駅でおり、山に向かって20分ほど歩いた所に、小林逸翁の邸宅があります。   今、小林逸翁記念館です。小林逸翁の生涯、実業での業績を展開します。そして、自邸で楽しんだ茶、茶室が点在します。生前は7つの茶室があったといいます。今、ここでは、即庵(三畳台目)、費隠(二畳離炉)、そして没後に意志をついで建てられた人我亭があります。<簡素即茶道>、<芸術即茶道>を全うした人です。

*椅子でも楽しめる逸翁の茶室、即庵

*京都の古寺から移設した費隠

 駅に戻る方向に歩いて5分。小林逸翁の集めた茶道具・美術品を展示する小林逸翁美術館があります。

*逸翁ある日の茶会の取り合わせ

 そして、その隣に、池田文庫があります。小林逸翁には、ひとつの市に一美術館・一図書館をもとうとした文化によるまちづくりの構想がありました。池田文庫は、小林逸翁が作った図書館です。今、私邸にあった茶室、大小庵と古彩庵も移設され、広く市民の茶道サークルらが利用しているようです。

*今、市民も使っている茶室

*塀の内側に池田文庫

 茶の湯好きの家人には、うらやましい町のように思えたでしょう。

*池田市はやはり古い町です。

 【おまけ】

*池田市には、もうひとつ大阪が世界に誇る起業家記念館があります。安藤百福の“インスタント・ラーメン記念館”です。40年前の大阪で、私が食べ続けたチキンラーメンの故郷です。行きたかったのですが、食べたかったのですが、その思いを飲み込んだのです、


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