反原発の島(瀬戸内・祝島)の「電力は自前で」つくるという今年1月の新聞記事(2011.4.8)

2011-04-08 14:58:37 | Weblog

 *朝日新聞2011年1月19日付朝刊。このブログで<  >の文章はこの記事からの引用です。

 福島第一原発の事故が起きる前、今年119日の朝日新聞記事をスクラップしていました。
 <瀬戸内海に浮かぶ人口500人の小さな島、山口県上関町の祝島で、エネルギー自給率100%をめざす野心的なプロジェクトが始まる。約4キロ対岸で進む中国電力の上関原発建設計画に28年間ほぼ島ぐるみで反対を続けた島民と東京の環境NGOが手を組んだ。実現に向けた組織を立ち上げ、企業やアーティストらの協力で資金を広めく集める計画だ>

 ワタシは、岡山県で育ちました。高校生のころは2年間、広島県の大崎上島で、毎日瀬戸の海の中で暮らしていました。それから、水島(岡山県)、福山(広島県)の海を埋め立てたコンビナートも知っています。ただ必ず海に隣接することになる原子力発電所が瀬戸内海にできないことを願っていました。海が美しいからということでなく、人間の住む瀬戸内海に作るという乱暴なことはしないだろうな、とも思っていました。

 中国電力は日本海側の島根原発(1974)選びましたが、四国電力は、端の方ですが瀬戸内海に作りました。伊方原発(1977)です。
*祝島の漁業への補償金は10億円だったが。
 そうして今、中国電力が計画している(来年20126月着工、183月営業運転予定)、上関原発は、生活の海の真ん中です。

*祝島

 原発による“町おこし”“県おこし”ためでしょうか。ネットの例えばウィキペディアから、推進派、反対派の激しい攻防を読むことができます。山口県行政と上関町行政は、この場合は首長、議会ですが、“地域の発展のために原発誘致は不可避の立場”です。ある意味、国策です。原発に限らず、このような対立は、全国いたる所であります。

<県知事は、200810月に予定地の海面埋め立てを許可し、中国電力は0912年に国に原子炉設置許可を申請、同年10月からは海面埋め立て工事に着手したが、島民らの反対運動で中断。109月から試みているが、作業台船が予定地に向かうたびに漁船団が海上で抗議して、埋め立て工事は進んでいないのが現状だ>

<ただ祝島は海底ケーブルで届く中国電力の電気を使っており、反対運動への批判もある。「自然の力でエネルギーを自給できたら」との機運が島民の間で高まり・・>
ということのようです。

 1982年以来「自然とともに生きる生活を守りたい」と島民の多くが反対を貫いてきた。総額10億円を超す漁業補償金の受け取りも拒否してきた>のです。

 持続してきた志の強さを思います。
 そうして、ゼッタイ安全といわれてきた福島第一原発に事故が起きたのです。

*事故後の3月15日付の日本経済新聞

事故後の上関原発に関する動きは、このブログが詳しい。
http://blog.shimabito.net/

反対の立場<祝島>のホームページは、
http://www.iwaishima.jp/

推進の立場<上関>のホームページは、
http://kaminoseki.jp/

*3月11日の東北大地震で被災した子どもたちと保護者を祝島が受け入れる(朝日新聞2011年3月25日付朝刊)

【おまけ】
*ワタシも、原発はいらない、ハンタイの気持ち以上に、非常時に備えて屋根の上にソーラーパネルをのせようと本気に思っています。ただ、今の太陽光で集めた電気を売ってお金を節約するという考えで、単独での自家利用ができないのでなく、自家利用を中心にした太陽光利用を考えています。

*大げさに言えば、原子力利用をやめて、各自各家が電気を自己調達、自給自足することは、電気の地産地消につながるかもしれません。

【おまけー2】

*福島原発を誘致した“双葉町”についての、ルポルタージュが、雑誌「世界」2011年1月号に載っています。タイトルは、「原発頼みは一炊の夢かー福島県双葉町が陥った財政難」、岩波書店がネットに無料公開しています。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/pdf/skm1101-3.pdf