ボブ・ディランの秘盤LPがCDRで売っていました(2007.5.15)

2007-05-15 20:34:03 | Weblog

*この間、買ったCDRです。

先日(11日)、新宿に出かけた日、いつものように、ディスクユニオン本店によりました。5階ルーツミュージックの売り場だけです。このジャンルを揃えている店はここだけになったような気がします。新宿に出たときは必ず寄ります。

この間は、CD3枚を買いました。そのうちの1枚に、レジの若い人から、<CDRですがいいですか?>と聞かれました。

レコードもっていてもCDがあれば買うのです。
“Broadside Ballads vol.1(FH-5301)”です。見なれたジャケットの絵から、すぐに買うこと決めました。

このLPは、アメリカでは、1963年ぐらいに売り出されたのですが、日本では、13年後(日本でもフォークブームが消えかけた頃、私がギターを持たなくなった頃)の、1976年に日本コロンビアから発売され、それを買っていたのです。

*1976年に買ったLPレコード

<無名時代のボブ・ディランの貴重な録音(2曲)を含む秘盤!>と赤い帯に書いてありました。
<秘盤>はすごいですね。<秘盤>と書かれたら、買わないわけにはいかなかったのです。
そのころ私は、アメリカの60年代をもっと深く理解をしようとしていた頃です。10年前のボブ・ディランを訪ねるように、海賊盤(ブートレッグ)集めに夢中になり始めた頃でした。

ボブ・ディランは、私が岡山から大阪に出た年、1960年にアメリカの田舎ミネソタからニューヨークに<上京>します。アメリカの<都会>は、フォークソング・リバイバルのど真ん中、昔からの素朴なアメリカの歌、ギター一本で歌える歌が、公民権運動など社会運動の中で、盛んであったのです。

BLOADSIDE(ブロードサイド)という名の、チラシのような小雑誌に、こぞって歌を発表し歌って、はやらせていったのです。ボブ・ディランもまたそうです。“風に吹かれて”(Blowin’ the Wind)もここに発表されました。
小雑誌と同じように、それに載った歌のレコードが、フォークウェイズというレコード会社からでていました。同社は、アメリカの古い民謡の採集にも力をいれていました。

 4,5年遅れで、アメリカの流行を追っていた日本にもフォークブームがあったのですが、私ら日本の“若者”で、ブロードサイド誌やフォークウェイズのレコードに、リアルタイムで接していた人は、ほんのわずかだったでしょう。
フォークウェイズ社は、その後、スミソニアン博物館の音楽・音源保存部門の援助を得て、“スミソニアン・フォークウェイズ・レコーディング”になっています。

<CDRでもいいですか?>とレジで聞かれて、<ええ、たぶん聞かないでしょうから>と応えましたが、今朝、このCDRをパソコンで聞きました。
今<貴重な音楽>というほどの感動もありませんが、わずかな感傷はありました。
レコードがCDに代わって残念なことは、レコードに入っていたライナーノーツ(解説や歌詞カード)がなくなることです。
しかし、この買ったCDRのジャケットをよく読むと、ライナーノーツが、CDRにPDFデータで収録してあるというのです。まだ、それを取り出すことはできていません。また、スミソニアンのデータベースから、ライナーノーツデータをダウンロードすることが可能とあります。これはできました。

そうして、このデータベースで遊んでいると、このCDの全曲をダウンロードできることもわかりました。またCDRにして購入することもできるようです。たしか10$弱でした。ディスクユニオンでは、2390円でした。

   【おまけ】

*2000年に発売されたCD5枚組み

* ついでに、Broadasideは、第7集ぐらいまであるのです。LPで持っているのは、第1集だけです。しかし実は、10年ぐらい前に、CDRでなくほんとのCD化されているのです。ただし、すべてを網羅した再編集盤です。ライナーノーツもきれいに、“豪華本”風に作られていて、むろん買って(The best of Broadside 1962-1963 SFW-CD 40130 ; 8990円)います。だから、2重3重に持っていることになります。

* どうして、こうレコードやCDの<盤>にこだわるのでしょう。今の若者世代は、ダウンロード>i-podとなるのでしょう。場所もとりません。でも私ら世代には、見て読んで、撫で回して、それから聞くという形がいるのですね。聞こえればいいというのではないのです。それが私ら世代の、レコード文化だったように思うのです。