ガウスの旅のブログ

学生時代から大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。現在は岬と灯台、歴史的町並み等を巡りながら温泉を楽しんでいます。

旅の豆知識「日本の秘境100選」

2017年10月03日 | 旅の豆知識
 旅行先で、「秘境」と呼ばれるところに行ったことはないでしょうか。「秘境」とは、大辞林によると「人の訪れたことのない、まだ一般によく知られていない地域。」とのことですが、最近は、交通網が発達し、国内では、かなりの山奥でも車で行けるようになりました。しかし、ほんとうに山奥で徒歩でしか行けない場所とか、離島で飛行場がなく、今でも船便しか交通手段がないところが結構残っているのです。
 そんな、辺鄙な所へ行ってみると手付かずの自然や昔ながらの風俗が残っていたりして、感動することも少なくないと思われます。
 そにな中で、雑誌「旅」(JTB発行)が選定した「日本の秘境100選」というのがあり、いろいろな場所を紹介しているので、旅先の一つとして考えてみても面白いと思います。ただ、一般にあまり知られていなくて、観光ガイドブックにもほとんど載っていないようなところも含まれていますので、よく調べてからにした方が良いかもしれません。

〇「日本の秘境100選」とは?
 雑誌「旅」(JTB発行)の創刊750号を記念して、1989年(平成元)9月号誌上に掲載したシンポジウムにおいて、岡田喜秋、C・W・ニコル、立松和平、辺見じゅん、椎名誠の5氏によって、「いま 日本の秘境100選」として選定されたものでした。全国各地にある「知られざる名所」100ヶ所で、「秘境」と銘打っていますので、観光地として有名な場所に限らず選ばれていますので、相当行きにくい場所も含まれています。

☆「日本の秘境100選」のお勧め(体験旅行記)

(1)礼文島(北海道)
 礼文島香深港に上陸後、今度は礼文島レンタカーで軽自動車を借り、島内を巡りました。まず東海岸を北に向かって走り、上泊崎へ立ち寄ったのです。車を置いて、上泊埼(うえどまりさき)灯台にまで登ってみましたが、灯台は小さなものでした。しかし、ここは礼文島東岸から少し東に突き出していて、南東方向に利尻富士がくっきりと見えたし、東方には稚内のノシャップ岬を望むことも出来ました。また、背後は緩やかな丘陵になっていて、のびやかな風景が広がっていて、感激したのです。次に、再び北上し、海岸沿いの道路を回り込んで、金田ノ岬へと至りました。ここにも、赤と白の縞模様に塗られた金田ノ岬灯台があったのですが、登り口がわからず、下からカメラで写すだけになったのが残念です。ここからみるさいはての海は天気も良く凪いでいて、静かで、対岸のスコトン岬や海驢島(とどしま)もはっきり見えました。その後は、船泊へ至り、食堂に入ってミソチャーシューメンを食べてから、最北端スコトン岬へと向かったのです。駐車場へ車を置いて歩いていくと、眼前にすばらしい景色が広がっていきます。北には無人のトド島が浮かび、天気が良ければはるかに宗谷海峡からサハリンを望むことができるとのことです。東には金田ノ岬が長く延び、西には日本海、そして振り返れば南東方向に船泊港から利尻富士までを見渡すことが出来、すばらしい眺望なのです。展望台からは、トド島の上に海驢島(とどしま)灯台が見えました。もう少し近づいて撮影したかったので、急勾配の崖道を下り海岸線まで出て、先端の岩礁にとりついたのです。ここには、船小屋があったのですが、その荒れた風情が、さいはての旅情にマッチしていて、何回もシャッターを切ってしまいました。撮影後は、来た道を引き返し、途中から西上泊方面へと向かったのですが、その道筋は、樹木の生育が乏しい一面の緑地となっていて、独特の景観を成していました。行き止まりとなっている漁港の岸壁近くの駐車スペースに車を入れ、澄海(すかい)岬まで、徒歩で登っていったのですが、ここから見る海岸線の風景は、すばらしいもので、思わず感嘆の声を上げてしまいました。写真を撮りまくったことは、言うまでもありません。それからは、来た道を戻り、船泊から久種湖畔を経て、東海岸へと復しました。その後、海沿いに南下して、一端香深へ出てからは、峠越えをして、桃岩展望台へと向かったのです。以前から桃岩のすばらしさは聞いていて、一度訪れたいと思っていたのですが、そこには、噂に違わない絶景が展開していました。時間の許す限り、遊歩道を歩いてみようと思い、元地灯台方面へ30分ほどの散策を試みました。特に、利尻富士が大きく見えて、それはそれはすばらしいのです。ここでも、時々立ち止まりながら、シャッターを切りまくりました。それからは、一端元地港まで出てから引き返して、香深のフェリー乗り場へと戻っていきました。レンタカーを返してから、出港までの待ち時間に「礼文町郷土資料館」へも行ってきましたが、この島がかつてはニシン漁で栄えていたことがわかりました。今は、ホッケやイカなどの漁が中心とのことでしたが...。しかし、今回の旅の中では、礼文島が天気も良くて最高でした。さいはての島には、大自然がいっぱい残されていて、すばらしい景色で、たくさん写真も撮ったのです。そんな思いを抱いて、16時20分発の稚内港行きフェリー「クイーン宗谷」号(3,531トン)へと乗り込みました。

(2)下北半島/恐山・仏ヶ浦(青森県)
 北海道からの帰路、フェリーにて下北半島の大間港上陸後は、まず最北端の大間崎に寄ってみることにしましたが、台風の雨はまだ降り続いています。行ってみると、平坦なところで、階段状に海に降りれるようになっていました。沖の岩礁にある大間埼灯台が雨にかすんでいます。とりあえず、本州最北端の碑と群れていたかもめをカメラに収めたものの、早々に立ち去ることにしました。そこからは、国道338号線に出て、ずっと南下して、仏ヶ浦を目指していきます。この海峡ラインと呼ばれている道は悪路でした。細く曲がりくねっていて、運転に神経を使わざるをえなかったのです。それでも、なんとか12時過ぎに仏ヶ浦駐車場に到着することが出来ました。しかし、そこから海岸に下りるのが大変なのです。断崖絶壁を途中からは、木の階段となって、ずっと下っていって、やっとのことで、海岸にまでたどり着きました。この台風のさなか、雨は小降りになっているとはいうものの、さすがに人は、誰もいません。しかし、景色はすばらしいのです。白砂の浜に奇岩が並び、仏像、仏具の姿に見えると言います。遠くの海岸線の山が、海にせまっています。波は、台風であるにもかかわらず、意外に静かでした。しばし、絶景に見とれながら散策しましたが、内田吐夢監督の映画『飢餓海峡』でも、主人公(三国連太郎)がこんな断崖をよじ登っていくシーンがあったことを思い出しました。この天気に、一人では不気味な感じさえし、早々に切り上げて、帰路の階段を上っていきましたが、とてもきつくて、あえぎながらやっと駐車場に戻ったのです。
 今度は、恐山目指して車を走らせることにしました。薬研温泉まで戻り、来た道とは分かれて、右折して山奥にどんどん入っていきましたが、道は曲がりくねり、見通しの悪い急カーブが連続するようになってきました。慎重にハンドルを回しながら、いいかげん疲れてきた頃に、下方にカルデラ湖である宇曽利山湖が見えてきたのです。すり鉢の底のようになった荒涼とした地形の湖畔に、恐山はあって、霊山としての偉容を現していました。ここは本州北端の霊場として有名で、高野山、比叡山と並んで日本3大霊場の一つとされています。駐車場に車を入れ、入山料を払って、境内へと入っていきましたが、あちこちから硫黄が吹き出し、草木の生えない異様な光景を現出していました。真っ直ぐ歩いて、豪壮な山門をくぐり、地蔵堂で本尊に参拝してから、地獄を巡ることにしたのです。無限地獄、血の池地獄、賽の河原など亜硫酸ガスによって白くただれた岩場に、もの悲しい雰囲気で、石地蔵が立っています。水子供養の名残か、風車が回っているのが不気味です。湖畔の極楽浜には、硫黄が流れて黄色くなったところも見られ、烏が一羽、二羽と舞っています。そんな、散策を小一時間で終えてから、境内にある温泉共同浴場に入ることにしました。小さな湯小屋が4ヶ所あって、中央の参道の左手に男性用の「古滝の湯」と女性用の「冷抜の湯」があり、右手に住職専用の「薬師の湯」、そしてその奥に混浴の「花染の湯」があって、入山料を払って境内に入れば、無料で入浴できるのです。私は、最も評判の高い「花染の湯」へ入ることにしました。草木1本も生えていない、地獄現象の荒涼として開けた場所に、ぽつんと粗末な木の小屋が建っていて、そこがその湯でした。中にはいると硫黄の臭いが鼻につき、入浴すると酸性が強くピリッとし、なめると酸っぱく、湯船の底にうっすら湯花が溜まっています。しかし、適温なので、とても気持ちよく入っていることができ、地獄で極楽という気分になれるのです。なんとも言えない良い気分になって、長く浸かっていたかったのですが、今日はもういささか入りすぎで、その上、後に長い旅程を残していたので、ほどよいところで切り上げることにしました。

(3)秋山郷(長野県・新潟県)
 秘境秋山郷へ向かい、県道59号から千曲川沿いの国道117号線へ出て、北に向かって走り、新潟県境を越えて津南町へと入っていきました。役場のある集落から右折して、今度は中津川沿いに上流の山間地へと分け入っていったのです。道は、どんどん細くなり、崖沿いを曲がりくねる悪路となっていきます。車一台がやっとで、ガードレールのない所もあり、ちょっとハンドルを誤れば、谷底転落です。慎重に運転を続けたので、宿泊する屋敷温泉「秀清館(しゅうせいかん)」にたどり着いた時はホッとしました。ここは、中津川沿いの秘湯で、江戸時代から温泉が涌きだし、鈴木牧之著「秋山紀行」にも出てきます。部屋に荷物を置くと、まず露天風呂に入りにいったのですが、乳青色で硫黄臭のする湯は、適温でとても入りやすかったのです。その後、内湯にも入り直したのですが、これがまた、エメラルドグリーンをした透明感のある湯がとうとうと注ぎ込まれ、掛け流しになっていて、素晴らしものでした。こんな名湯に入れただけで、遠路はるばるここまで来たかいがあったというものですが、さらに、その後の夕食も良かったのです。地元で採れた物ばかり、特に、イワナの塩焼きとまるまる一匹入ったお吸い物が出てきて、イワナを二匹も賞味できました。馬刺もとろけるような上物で、各種の山菜やテンプラも美味しく、お酒もすすんで、良い夕餉となったのです。その後は、部屋に戻って、テレビを見ながらうとうとしてしてしまいました。一日の疲れが出て、早めに床に就いたのです。翌朝は、6時に目を覚まし、7時前から散歩に出かけましが、秋山郷はほんとうに深い谷の中にあります。まず、中津川渓谷沿いに歩き、屋敷橋のところから、屋敷の集落へと登っていきました。山村の朝は、夏でも涼しくて心地よいのです。渓谷や山の写真を撮りながら、30分ほどで戻ってきて、また温泉に浸かりました。内湯は昨晩より透明感が増し、ほんとうにきれいなエメラルドグリーンでまるで、入浴剤でも入れたようなのですが、これで正真正銘の天然温泉100%なのです。再び、極上の温泉を堪能してから、上がってきて、朝食になりました。食後、荷物をまとめ8時半には宿を出立して、秋山郷の最奥にある切明温泉へと向かいました。ここは、河原を掘ると天然の温泉が出てくることで有名なので、行ってみたのです。切明温泉「雄川閣」の近くに車を駐め、赤い橋を渡ってから河原へ続く小道を下りていきました。案の定、河原の水たまりには底から温泉が湧きだしています。すでに、先人が掘った穴がいくつか有ったのですが、熱すぎたり、ぬるすぎたりで、なかなか適温の所がみつかりません。それでも、ようやくよさそうな所を見つけて、周りに見物客がいないことを良いことに服を脱いで、天然温泉へ飛びこみました。周辺には中津川の流れと、大自然の山々が見えるだけ、ほんとうにワイルドです。しばらく悦に入ってから、車へと戻っていきました。その後は、来た道を戻りながら、小赤沢にある「楽養館」という日帰り入浴温泉にも再訪してみました。ここは、2年前に来た時にも立ち寄っていますが、鉄分が多い赤褐色のお湯で、成分が濃いので、析出物が床や浴槽を覆っています。また、湯口からは間歇的にゴボッゴボッとお湯が注ぎ込まれていて豪快なのです。これもなかなか良い温泉で、気に入りました。ほんとうに、秋山郷には、個性的な温泉が多いのです。入浴後は、再び川沿いの悪路を下り、途中「萌木の里」というところで、小休止して、お土産を買ってから、帰途に着きました。 

(4)黒部峡谷(富山県)
 宇奈月温泉駅に到着し、少し歩いて黒部渓谷鉄道のトロッコ電車乗場へと急ぎました。しかし、この混雑はなんだ!電車はそれほどでもなかったのですが、道路には延々と車が連なっています。今は、車で来て、トロッコ電車に乗り継ぐ客の方が圧倒的に多いようです。出札口には長い列が出来ていましたが、ここまできたら仕方がないので、その後尾について、順番を待つことになりました。幸いなことに11時48分発の特別車両の券が一枚だけ残っているとのことで、それを購入しました。そうでなければさらに1時間以上待たねばならないところだったのです。ホームへ行くと私の乗る特別車両は小さな箱型で窓ガラスがありますが、一般車両の方は屋根はあるものの吹きさらしで寒そうです。乗り込んだ人は防寒具を身にまとっています。しかし、車両は狭く、一列に4人座るようになっていますが、どの車両も満員で皆肩をすぼめて腰掛けています。走りだしてみると、そのスピードは遅く、時速15km位でガタゴトと揺れていきます。まあ、断崖絶壁の曲がりくねった線路のうえ、軌道巾が狭いので致し方ないですが、ほんとにゆっくりしたものです。それでも、車窓からの景色はすばらしく、そのスリルもなかなかなもので、端に座っている人は奈落のそこに落とされるような恐怖を感じているかも知れません。最近では、ジェットコースターに乗り慣れている人が多いせいか、そんな恐怖が受けているのかも………。この線は、関西電力が黒部川電源開発のために敷設したもので、以前は「生命の保障はしません」とのことで便乗を認めていた時代もあったとか。それほどすごい路線で、11月いっぱいまでの運行で、雪のため冬季は休止すると聞きました。紅葉の盛りは10月中頃までで、少し色あせた感じがありますが、渓谷全体に晩秋の趣が漂っていて、これもまた良いのです。しばらくは、渓谷美に身を乗り出して、見入っていましたが、狭い車内に満員の乗客で体を動かすのもままならないのは決して快適な旅とはいえません。途中駅で何度も反対列車との行き違いをするのですが、どの列車も乗客を満載していて、こんな山奥まで多くの人が出掛けてくるようになったものだ感じざるをえなかったのです。そんな、列車旅も1時間20分で終点欅平駅に到着しましたが、構内は折り返し列車を待つ乗客でごった返していました。とりあえず、帰りの15時17分の列車を予約し、もう昼を大分過ぎているので、腹ごしらえでもと思って、駅2階にあるレストランに向かいました。セルフサービスで岩魚定食をたのんで、ひとまず空腹を満たしました。食後は、散策にでかけることにしましたが、徒歩15分のところに名剣温泉というのがあり、露天風呂もあると聞いていたので、そこまでは歩いてみて、できれば入浴してみたいと思ったからです。途中の散策路にはハイカーがたくさんいて、これが、皆トロッコ電車の乗客だった人です。渓谷は深く、雪を抱いた山並みも見えて、とても良いコースなのですが、この人出がもうちょっと少なければと思わずにはいられませんでした。名剣温泉の受付で入浴料を払って谷底へ向かって階段を下りていきましたが、温泉に入る人は意外に少ないようで、露天風呂には数人の入浴客しかいませんでした。ここからの眺望はすばらしく湯加減もとてもよいのですが、隣の女性用露天風呂に行く、女の人からは丸見えになっているのはいかがなものかと思いました。聞くと、以前の露天風呂は水害で流されてしまって、新しく作ったとのこと。少し、離れた内風呂の方にも行ってみましたが、天然の岸壁を削ったような場所で湯がごぼっごぼっとと吹き出してくるところがとても面白いのです。温泉好きの私にとっては、ここに入浴できただけで、来た甲斐があったと思える秘湯でした。帰路ものんびりと下っていって、欅平駅に戻ったら、予約した列車にはほど良い待ち時間となっていました。帰路はあえて一般車両としたので、屋根だけで窓ガラスがなく、背もたれもなくて、冷たい風が吹き抜けます。まあ、これもトロッコ列車ならではの風情かとがまんしましたが、狭い車内に一列4人詰め込まれ、身動きしにくいのだけはなんとかしてほしいものでした。宇奈月駅に着いて、ホームで体を延ばしてホッとしたのです。下車後は富山地方鉄道に乗り換え、16時43分発の急行富山行きに乗りましたが、車窓はすでに暗くなりかけていました。

(5)神島(三重県鳥羽市)
 神島は伊勢湾の入口に浮かぶ、周囲約4km、人口500人余の小さな島で、標高170mの灯明(とうめ)山を中心として全体が山地状で、集落は季節風を避けるように北側斜面に集まっています。そして、なによりも三島由紀夫の小説「潮騒」のモデルになったことで、有名で昔から一度来たいと思っていたのです。神島へ着いて、今日の宿「山海荘」に荷物を置くと、さっそく島一周の散策に出かけました。ほんとうに急斜面にへばりつくように人家が密集して建っていて、歩道が急勾配でアップダウンしながらその間を縫っていました。まず、集落の東側にある八代神社へと行ってみたのですが、真っ直ぐ伸びた214段もの階段を登らなくてはならず、閉口しました。ここで、元旦の夜明けにゲーター祭りと呼ばれる奇祭が行われるといいます。夜明け前にグミの木で太陽をかたどった直径2m程のアワと呼ばれる白い輪を島中の男たちが竹で刺し上げ、落とす神事で、県指定無形民俗文化財になっていると聞きました。 社殿参拝後、時計回りに島を一周しようと、裏手の遊歩道を上っていったのですが、勾配がきつく、断崖絶壁になって海に落ち込むような細道を進んでいくことになりました。しかし、伊勢湾、伊良湖岬から太平洋の景色はすばらしいのですが、神島の東側は「安房の鳴門か 音頭の瀬戸か 伊良湖度合いが恐ろしや」と船頭歌に歌われ、日本三海門の一つと言われる伊良湖水道で、昔から海の難所とされてきたところです。しばらく行くと、シラヤ崎に至り、神島灯台の門が見えてきました。この灯台は、1909年(明治42)に灯台の建設が始まり、翌1910年(明治43)5月1日に初点灯した歴史を持ち、「日本の灯台50選」にも選ばれています。また、小説「潮騒」の中で、新治、初江が灯台職員宿舎(退息所)を訪ねるシーンが印象的ですが、退息所は無人化に伴い撤去されていて空き地となっていました。その奥に白亜の灯台が立っていて、小説「潮騒」の案内板がありますが、そこからの眺望はすこぶるよく、小説の場面を彷彿とさせるのです。また、灯台についての描写は特に秀逸で、新治、初江の前途とも重ねて描かれていて、脳裏に思い浮かべながら、見上げていました。この小説は、青山京子、吉永小百合、山口百恵、堀ちえみ等の主演により5回にわたって映画化されていますが、灯台周辺でのロケもありました。その映画の場面も思い出しながら、しばしたたずんでいたのです。さらに、遊歩道を進むと木製の階段となり、アップダウンしながら監的哨跡へと至ります。ここは、旧陸軍省が砲弾の着弾点を観測した施設で、小説「潮騒」では、主人公とヒロインがクライマックスを迎える場所であり、映画の情景を思い浮かべながら見学しました。コンクリート造の2階建となっており、屋上に上ることも出来て、眺めもすばらしいのです。おりしも、西に夕焼けが広がっていて、その幻想的な雰囲気に何十回もシャッターを切りました。さらに歩いていくと、神島小中学校のあるニワの浜へ出ますが、風が吹き抜けていて冷たいのです。ここは、小説「潮騒」で海女が集まって漁をしていた所で、そのダイナミックな景色と共に印象に残りました。その後も、祝が浜、古里の浜と巡って港へと戻り、2時間弱の散策を終えて旅館「山海荘」へ戻りました。

(6)佐田岬(愛媛県)
 四国の高知県と愛媛県を巡る2泊3日の旅に出て、2泊目に五十崎町にある龍王温泉に泊まり、最終日に、佐田岬(さだみさき)半島へと足を延ばしました。この半島は、全長約40km、幅は最大で約6.2km、最小では800mしかない、日本一細長い半島です。リアス式海岸となっていて、急峻な地形で、入江、岬、暗礁などが入り組んでいます。その景観は、実に見応えのあるすばらしいものです。そんな景観を愛でながら、半島の付け根から保内町、伊方町、瀬戸町、三崎町と国道197号線を走っていきました。三崎港までは、メロディラインとも呼ばれ、快適に走れるのですが、そこから先は、段々と道が細くなっていき、串の集落を過ぎると、断崖絶壁上をたどっての、曲がりくねった道となります。しかし、やっとたどりついた駐車場から、さらに自然林の中、アップダウンを繰り返しながら、遊歩道を片道20分ほど歩くと、ようやく佐田岬灯台へと至るのです。さりながら、北側が伊予灘、南側が三崎灘で、紺碧の海を望むすばらしい景観です。灯台周辺の海は、良い漁場ともなっていて、海士によるアワビ・サザエ・ウニなどの採取や、豊予海峡でのブリ・岬アジ・岬サバなどの一本釣り漁業が盛んです。また、ハマチや真珠の養殖も行われているとのことで、漁船や漁をする小舟の姿も見え、望遠レンズでカメラに収めました。この半島は、海流の影響が大きく、各種の温暖性、亜熱帯性の花が咲いているそうです。この秋から冬にかけての季節には、ノジギクやツワブキ、椿などの花を見ることが出来ました。断崖絶壁にへばりつくように咲いている野草にも、哀愁が漂っています。ちなみに、佐田岬半島の町、伊方町は、ツワブキを町の花に制定しているとのことです。このように自然や生態系が豊かで、さすがに瀬戸内海国立公園に指定されているだけのことはあります。佐田岬灯台は、佐田岬半島の先端に立つ、白色八角形の大型灯台でした。四国の最西端に位置し、約14kmの豊予海峡を隔てて、九州佐賀関半島地蔵崎の関埼灯台と対峙しています。また、「日本の灯台50選」にも選ばれた灯台でもあります。灯台周辺は、瀬戸内海国立公園に指定され、自然がよく保護されています。元来豊予海峡は、九州の地蔵崎のほうに灯台があったとのことですが、その代役として建設され、レンズや灯器類一式を地蔵崎の灯台から移して、1918年(大正7)4月1日に建設され、初点灯されました。その後、1966年(昭和41)5月に無線方位信号所(レーマークビーコン)が併設され、1976年(昭和51)には、黄金碆に照射灯が設置されたそうです。灯台周辺で時間をとって、大自然を堪能してから、来た道を戻っていきました。

☆「日本の秘境100選」一覧

<北海道>
1.礼文島(北海道)
2.大雪山(北海道)
3.北オホーツク海岸(北海道)
4.知床(北海道)
5.野付半島(北海道)
6.釧路湿原(北海道)
7.然別湖・東雲湖(北海道)
8.渡島半島北西岸(北海道)
9.サロベツ原野(北海道)
10.オンネトー(北海道)
11.積丹半島西岸(北海道)

<東北>
12.八甲田山(青森県)
13.下北半島/恐山・仏ヶ浦(青森県)
14.津軽半島西岸(青森県)
15.八幡平・乳頭温泉郷(秋田県・岩手県)
16.出羽三山(山形県)
17.檜枝岐・野岩鉄道沿線(福島県・栃木県)
18.裏磐梯・雄国沼(福島県)
19.遠野盆地(岩手県)
20.内間木洞(岩手県)
21.重茂半島(岩手県)
22.十二湖・白神山地(青森県)
23.飛島(山形県)
24.笹谷峠(宮城県・山形県)

<関東・甲信越>
25.小笠原(東京都)
26.上高地(長野県)
27.佐渡・外海府(新潟県)
28.秋山郷(長野県・新潟県)
29.遠山郷(長野県)
30.青木ヶ原樹海(山梨県)
31.尾瀬(群馬県・新潟県・福島県)
32.奥鬼怒(栃木県)
33.西沢渓谷(山梨県)
34.大菩薩峠(山梨県)
35.上路の里(新潟県)
36.木曽路(長野県)
37.奥裾花(長野県)
38.鍋倉山(長野県・新潟県)
39.奥日光(栃木県・群馬県)
40.足尾銅山跡(栃木県)
41.奥那須(栃木県)
42.奥秩父/両神山(埼玉県)
43.青ヶ島(東京都)
44.奥久慈(茨城県)

<東海・北陸>
45.黒部峡谷(富山県)
46.能登外浦海岸(石川県)
47.白山北麓(石川県)
48.五箇山・白川郷(富山県・岐阜県)
49.寸又峡・大井川源流(静岡県)
50.柿田川(静岡県)
51.長良川上流(岐阜県)
52.岩村城跡(岐阜県)
53.八尾の里(富山県)
54.旧板取宿・木ノ芽峠(福井県)
55.伊豆/猫越峠(静岡県)
56.桶ヶ谷沼(静岡県)
57.野麦峠(岐阜県・長野県)

<近畿>
58.十津川郷(奈良県)
59.琵琶湖/竹生島(滋賀県)
60.大台ケ原/大杉谷(奈良県・三重県)
61.熊野古道(和歌山県)
62.蛭子山・作山古墳(京都府)
63.芦生原生林(京都府)
64.瀞川渓谷(兵庫県)
65.石楠花渓(滋賀県)
66.神島(三重県)
67.古座川(和歌山県)
68.裏高野(和歌山県)

<中国・四国>
69.祖谷(徳島県)
70.佐田岬(愛媛県)
71.四万十川(高知県)
72.隠岐/国賀海岸(島根県)
73.島根半島北岸(島根県)
74.比婆山(広島県)
75.氷ノ山西麓(鳥取県)
76.別子銅山跡(愛媛県)
77.千本山(高知県)
78.根山街道(高知県)
79.大堂海岸(高知県)
80.奥物部(高知県)
81.小豆島(香川県)
82.鯉ヶ窪湿原(岡山県)
83.引き明けの森(広島県)
84.宮島(広島県)

<九州・沖縄>
85.高千穂の里(宮崎県)
86.吐噶喇列島(鹿児島県)
87.吉野ヶ里遺跡(佐賀県)
88.坊がつる(大分県)
89.五島列島/嵯峨ノ島(長崎県)
90.阿蘇(熊本県)
91.椎葉の里(宮崎県)
92.屋久島原生林(鹿児島県)
93.西表島(沖縄県)
94.鷹島海底遺跡(長崎県)
95.国東半島/六郷満山(大分県)
96.五家荘(熊本県)
97.銀鏡(宮崎県)
98.石垣島・竹富島(沖縄県)
99.与那国島(沖縄県)
100.竹島・黒島・硫黄島(鹿児島県)

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