最終戦、最終周の最終コーナー

 「事実は小説より奇なり」と云う言葉は、まさに昨日の2008年F1最終戦、ブラジルGPのために用意された言葉のようである。

 直前の雨により10分のスタート・ディレイで始まったレースは残すところ8周という段になって再び雨。中嶋一貴ら最後尾を走るドライバーが真っ先に、続いてトップ集団がレインタイヤに交換する中、ドライタイヤで最後まで走りきることを選んだトヨタのグロックがマッサの敗北を、つまりはハミルトンの2008年タイトル獲得のキーとなったのはご存知の通り。Web上に数多の情報があることだろうから、郷秋<Gauche>はこれ以上書かない。

 2008年は例年になく雨のレースの多いシーズンだったと言える。そして雨のレースは面白い。速いマシンの優位はそがれ、遅いマシンは相対的な速さを得ることになる。遅いマシンがために自身のドライビングスキルを発揮できないでいたドライバーがマシンの劣勢を跳ね退けてその速さをアピールする。ドライコンディションのレースでは決して上位を狙えないチームやドライバーがリザルトの上位に名前を記す意外性はF1の楽しみの一つでもある。

 マッサには申し訳ないけれど、そんな面白さを最大限に見せてくれたのが昨日のインテルラゴスでのレースである。ただしだ、昨年、郷秋<Gauche>は「マッサはチャンピョンの器ではない」と書いたが、71周のレースの間見せ付けた熱い中にも沈着冷静なドライビング、表彰台で見せた多くのファンへの感謝の気持、悔しくないわけはないのに落ち着いてインタビューに応えるマッサにはこの一年の大きな成長が見て取れた。

 果たして来期がどんな戦いになるのはわからないけれど、ライッコネン、アロンソ、ハミルトンらとともに、再び熾烈なチャンピョン争いをマッサが見せてくれることを大いに楽しみにしている。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、晩秋の陽に輝く薄(ススキ)。
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コメント
 
 
 
Unknown (toahi16)
2008-11-04 06:12:29
先日、ブラジルGPという事を考えると、タイトルの行方に関係なくマッサに優勝してほしいと、こちらのブログに僕がコメントしました。


結果、その通りになりました。

この結果には、F1で使い古された言葉の
THIS IS THE RASE
がピッタリですね。
 
 
 
ドラマ (郷秋)
2008-11-04 20:54:09
toshi16さん、こんばんは。
2年続けて凄まじいドラマが用意されていましたね。
2008年のチャンピョンを逃したのはまったく気の毒でしたがあのレースで、マッサのファンが少なくとも一人増えましたから、あれはあれでよかったのではないでしょうか
 
 
 
ご無沙汰しております (けねり)
2008-11-04 22:25:01
郷秋様、ご無沙汰しております。
2008年はすごい結末でしたね。
私はマッサを正直買っていませんでしたが、
終盤の頑張りと、ブラジルGP後のコメント等を見て
素晴らしいと思いました。
 
 
 
こちらこそ (郷秋)
2008-11-13 08:44:42
けねりさん、コメントありがとうございました。
せっかくいただいたのに気づかないまま10日近くもたってしましました(^^)。
マッサはこの一年も大きく変わりましたね。結果的にはタイトルを逃しましたが、その資格が十分にあることを見せてくれました。来シーズンが楽しみですね。
 
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