同じだ・・・

 「ある時点から私は新しい音楽をほとんど聴かなくなってしまった。そして気に入っていた古い音楽だけを、何度も繰り返し聴くようになった。本も同じだ。昔読んだ本を何度も繰り返し読んでいる。新しく出版された本にはほとんど興味が持てない(村上春樹の新刊を除いてはと云うことだが)。まるでどこかの時点で時間がぴたりと停止してしまったみたいに。」 村上春樹著『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』 222頁。

 私と同じだ。私って、「騎士団長」の私ではなく郷秋<Gauche>のこと。私も音楽も本も、新しいものにはほとんど手を出さない。お気に入りの古臭い音楽と本を繰り返し聴いて、そして読んでいるのだ。考えてみみれば実に偏屈でつまらない、人に好かれない後ろ向きの性向だ。

 そう云えば、村上春樹作品の主人公が「僕」から「私」に変わった。初期の作品はもちろんのこと、近作に至っても彼の作品の主人は常に彼自身であるわけだけれど、さすがに六十代も半ばを過ぎて「僕」では自身との乖離が大きいことに気づいたのだろうか。

 しかし、相変わらずの村上春樹ワールドである。以前にも書いたけれど、村上春樹版の「水戸黄門」である。全く期待を裏切らない。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」以降の作品のエッセンス(ピース)を抜き出して並べ、いくつかの新しいピースを加えシャッフルしながら完成させたジグソーパズルである。

 それにしても素晴らしい、恐ろしいばかりの才能だ。彼がこれまでに創って来た、彼にしか創ることのできない珠玉のピースを組み合わせて全く新しい、同時にこれまでの彼の全ての作品と相似形でもある物語をつくりあげているのだから。

 村上春樹の作品についてはたびたび書いている。blog内検索をしてみたらかなりの数の記事が引っかかって来た。
http://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/4e23168813a327fdce9ccf27aec7b77d 
 この記事以降にも書いているけれど。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた木五倍子(きぶし)。

 毎週撮影・掲載している「恩田の森Now」に、ただいまは3月18日に撮影した写真を5点掲載いたしております。まごうことのない春がやって来た、そんな森の様子をどうぞご覧ください。
「恩田の森Now」 http/:blog.goo.ne.jp/ondanomori

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