満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『竜と竪琴師』

2007-06-24 06:36:06 | 

皆様おはようございます。日曜の早朝だしまだ起きていらっしゃらない方が大半でしょうが、本日徹夜したあたいにはそんなこと関係ないぜ☆黒猫でございます。

ええ、お察しの通り、『竜と竪琴師』を読んでいて。やめられなかった、読み終えてしまいました。


パーンの竪琴師ノ工舎にひとりの男児が誕生した。パーン随一の作曲師であるペティロンと、類稀なる歌唱師であるメレランとの間に生まれたその子どもは、ロビントンと名づけられる。しかしペティロンは生まれた息子にあまり関心を示さず、夫を心から愛しているメレランにはそれが唯一の不満であった。

音楽に囲まれて育ったロビントンは、わずか三歳にして笛で複雑な変奏曲を演奏し、その天賦の才能の片鱗を示す。母メレランは息子の才能を嬉しく思う一方、仕事に関しては完璧主義者で妥協を知らぬペティロンがこの事実を知れば、過酷な訓練を強いて幼い息子を潰してしまうかもしれないと危惧する。周囲の者もそれに同調し、メレランは夫の目に触れないところでロビントンが才能を伸ばせるように計らう。
しかし年を経てもペティロンは息子を省みず、ロビントンの才能を知った時には苛立ちさえ示す。その態度に耐えかねたメレランは竪琴師の責務としての遠方への出向を引き受け、息子を連れてしばらく工舎を離れることにする。
ロビントンはそこで様々な人々と出会い見識を広げていき、のちに竪琴師として不可欠な素養を養いつつ成長してゆくが・・・?

というようなお話。


とりあえず、ロビントン師最高☆

もうその一言に尽きます。ああ面白かったなあ。
ロビントン師が「師」となる前の、生まれてからパーンシリーズ第一巻『竜の探索』の時代に及ぶまでの半生を描いています。

今までシリーズを読む限り、ロビントン師とその父ペティロンの間には何らかの確執があったらしいということはわかっていたのですが、その詳細が明らかになりました。うわあ、という感じです・・・。
パーンにおける竪琴師とは、教師であり調停役であり連絡係であり、且つ音楽の担い手であります。歌や楽器さえできればいいってものではないのです。しかしペティロンは、俗に言う芸術家肌。自分の作業を邪魔されることを酷く嫌い、作曲に没頭する人です。優れた作曲者であるがゆえにその難儀な性格も許容されているんですが、実の息子にあの仕打ちはないだろう。そう思わずにはいられません。でもこういう人現実にいそうです。何だかやるせないですが。そしてふたりの間に挟まれて苦しむお母さんのメレランがまた可哀想なのです。

ロビントンはそんな父親の態度にもめげず、聡明で温厚、目端の利く人物に成長します。のちにパーン史上最も優れた竪琴師ノ長と評される人が、どんな風にしてその地位に就いたのか、この作品で知ることができます。ああもう何度も読み返したい。特にロビントン師の竜好きすぎるエピソードの数々は微笑ましいです。タイミングが合えば竜騎士になれたのかもしれないですねぇ。まあ、のちのち竜騎士になれなかった者といては望みうる最上の報われ方をしているので、よかったということで(笑)。

シリーズ既読者にとっては、知った名前が次々と出てきて、この人はこんな若い頃からロビントン師と知り合いだったのかぁ、とか、この人とこの人って実はそういう関係だったのか!とか、ああ、ついにこの人出てきた!とか、色々楽しめる仕掛けになっていましたが、もしかすると未読の方もこれから読んで『竜の探索』に入ると色々わかりやすいかもしれません。ただ、世界観や単語の説明が一切ないので、その点ではちょっと入りづらいかもしれませんが。

作者マキャフリイはこのシリーズをもう数十年書き続けているのに、初期のエピソードを新作にこんなにも自然に繋げられるのはすごいことだと思います。ご自分の作品を愛しているんでしょうね。わたしも愛しています(どうでもいいよ)。

この機会に未読の方にも是非読んで頂きたいシリーズです。本当におすすめ。
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