GAOの隠れ処「ムンダナ」

都内のアマチュアオーケストラでVnとVaを弾いているGAOの、音楽を中心とした関心事についてのあれこれ

娘のヴァイオリンレッスン

2011-08-21 22:35:41 | 音楽日記
昨日は頭痛と発熱に襲われて、フラフラして身体も起こせない感じで一日中臥せっていた。
まるで最近の様々な疲れがドッとでてきて危険信号を発した身体が私の行動を制止したようだ。
睡眠時間を削って仕事をしたり、付き合いで深酒したりと、結構無理することもあるから
ある日突然、こんな風に身体が悲鳴をあげて無理矢理にでも身体を休めようとするのだ。
おかげで、夕方から予定していた弦楽四重奏の練習を休んでしまった。
…忙しい中遠路練習場に集まった他のメンバーには申し訳ない限り…

一晩明けた日曜の今日(8/21)、すっかり夏は去ってしまったかのような肌寒い一日だった。
昨日一日の休養…といっても汗だくで横になっていただけだが…の甲斐あって熱は下がり、
身体中の節々の痛みも消えて気分もよく、心身ともにフワフワと軽くなった感じになった。
…といって大したダイエット効果があったわけではない…

で、何の予定もない一日だったので、午前中はバッハの無伴奏チェロ組曲と読書を楽しみ、
午後は娘のヴァイオリンの先生のお宅まで伺い、そのレッスンに付合ったりした。

娘のヴァイオリンのレッスンンは毎週木曜日で、先生からはお父さんもぜひ見に来てください
と声をかけられてはいるのだが、木曜日は葛飾フィルの練習と重なりそれはかなわぬ話。
が、今日は日曜日だし女房も一緒に来いというので、娘は嫌がったがレッスンに同伴した。
…女房にしてみれば、先生のお宅まで車での道がわからず私を運転手にしたかっただけ…

さて、私自身は先生のお宅に伺うのは実に4年ぶり。
レッスン室は我が家のリビングよりも数倍広い先生のお部屋である。
壁に整然と並んだ本棚には様々な音楽関係書籍と色々な楽譜がギッシリ並んでいる。
レッスン生は、広いこの部屋の中ほどに譜面台を立てて先生に対し斜めに構えて演奏し、
先生は、少し距離を置いた部屋の片隅のご自分の椅子に腰かけてそれをじっくりと見据える。



レッスンには夏休みがあったので、娘が先生にレッスンをみていただくのは1か月振り。
この夏休み中の娘は、陸上部の活動に夢中で、毎週のように陸上競技会やら記録会やらで
とにかく真っ黒に日焼けするまで走り続け、あまりヴァイオリンの練習には熱心でなかった。
…今日、レッスンを受けるだけの練習はちゃんとやれとんかいの?…

音階からアルペジオ、いくつかの課題曲と、とにかくお披露目しなければならない課題を
次々と弾き進めていくが、徐々に練習量の足りなさが露呈されていく・・・。

ポジション・チェンジがスムーズでない。
音程が不安定。
ボウイングの右腕の使い方が不明瞭。
弓を持つ右指の使い方が固い。
先弓の課題なのに中弓によっている。
構えた楽器がだんだん下がってくる。
弦が水平になるように構える。

娘の力量で毎日丁寧に練習していれば、指摘される必要もないような簡単なことが
何度も何度も指摘され続ける。
とりあえずクリアできた課題もあるようだが、私が聴いても「サボってたな」とわかる。

1時間近くのレッスンが終わり次の課題曲もいただいてはみたものの、今日やった課題は、
次のレッスンの時に、再度、先生に聴いていただかねばならないようだ。
女房が言うには、今日は私が見学していたので先生も遠慮気味だったが、普段は手厳しく、
あまり弾けてないと「今日は止めておきましょう」とか、できるまで何度も繰り返すらしい。
今日もそうなるはずの場面はいくらでもあったとのこと。

これから先、娘が本気でヴァイオリンを勉強するつもりなのかどうなのか。
先生のお考えは、本気でやるなら陸上なんてやっている場合ではないというものだが、
今の娘はヴァイオリンより陸上に気持ちが傾いている。
女房は、最近、先生からその取組姿勢についてお叱りを受けることがあったり、
娘があまり熱心に練習しなかったりすると、かなり深刻な調子で私に愚痴ることがある。
まあ、若いうちは色々とやりたいこともあるし、中学入って陸上始めたばかりだから、
しばらくは様子みとったらええやんかとも思う。
子供だって、色々と模索して自分のやりたいことや将来のことを考えていたりするから、
あまり方向性を決めつけてしまうようなことは避けたいと思うのだ。

が、今日のレッスンの状況をみていると、先生が心配されるのもよくわかるし、
女房が娘の姿勢に腹立たしくなるのもよくわかる。
陸上に夢中になるのもいいが、ヴァイオリンが嫌じゃないんだったら課題をこなし、
しっかりと練習を続けて欲しいとも思う。
今の楽器を買い求めたときの娘は、将来ヴァイオリニストになると公言していたこともあり、
本人が本気でその道を目指したいと考えた時に、それが選択肢のひとつにできる状況だけは
なんとか維持してやりたいというのが我々の正直な気持なのだ。

娘のレッスンを見学して、色々と考えさせられた。
今日、私を連れだした女房は、私がそんなことを考えることを期待していたのだろう。


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指揮者山田和樹とSDN48

2011-08-17 06:19:29 | 日記
昨晩(8/16)は、サントリーホールで読響「夏フェス」山田和樹≪三大交響曲≫なる演奏会があった。
山田和樹氏は、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝してからというもの世界中で活躍されており、
国内におけるどの演奏会でも常に注目を浴びておりまさに人気絶頂という感じである。
かつて多くのアマチュア・オーケストラを指揮した氏は、私の所属する葛飾フィルの指揮台にも上り、
その稀有な音楽性でもって我々から思いもかけない音楽を引き出し、聴衆を魅了したことがある。
今や若手指揮者の中で最も多忙を極める一人となり、おいそれと指揮をお願いできる状況ではないが
機会があれば首都圏での演奏会に足を運んで拝見拝聴したいと思っていた。

で、昨日は仕事も定時に終えたので、今ならまだ間に合うとサントリーホールに足を運んだ。
プログラムは『未完成』と『運命』それに『新世界』と、超メジャーな3つのシンフォニーで、
そんな名曲だからこそ氏の音楽性が楽しめるのではないかと、期待に胸ふくらませていたのである。

が、甘かった!
ヤマカズ氏は世界中で活躍する注目の若手指揮者ではなかったか!
前売チケットも求めず、当日券で聴こうなん無茶な話だったのだ。
ホールの窓口には、既に前売完売だったこと、当日も開演一時間前から配布する整理券があれば、
開演直前の先着何名かがかろうじて入場可能であったことが、貼り紙で告知されていたのである。

自らの愚かさ詰めの甘さを呪いながらも、まあ、しょーがないかと引き返すしかなかった。


ポッカリと時間が空いたので、このところ無性に食べたくなっていた新橋のスマトラカレーを食し、
そのまま新橋駅から帰ろうと思いつき新橋まで歩くことにした。
カレーの店「スマトラ」は、以前は虎ノ門(西新橋)にももう一店舗あって、よく通ったものだが
ビルの解体工事のために閉店し、今は、この新橋のお店のみとなっているようだ。
昨年4月に会社を出向して今の職場になってからは御無沙汰しており1年数か月ぶり。
あの病みつきになる、じゃがいもドロドロでスパイシーな懐かしい味を思い描いていたが、
私の記憶していた味と何か違う。

ジャガイモがあまり煮崩れしてないんとちゃうか?
スパイスが弱なっとるか…まろやかになったんか?
?????

思い切って店のおじさんに「何か味が変わったりしてますか?」とたずねると、
やや当惑した顔から「いいえ、何も変わってませんよ。」と答えが返ってきた。
「硬かったり甘かったり、ジャガイモの出来で味も随分変わりますよ。」とのこと。
…そうかもしれんが、年がら年中食べていた頃にはそんなことなかったし…

私の味覚が変わったのか???
そんな、どうでもいいがヤケに気になる疑問を残しつつ店を出た。


さっ、新橋駅からJR総武・横須賀線一本で新小岩に向けて帰ろうとSL広場に向かうと、
いつにない人の山である。

なんじゃろ?
新橋駅に向けてその人だかりを突っ切ろうとすると、いきなり大音響でミュージックスタート!
聞き覚えのあるCMソングが♪ミンミンミン♪頭上から聞こえてくる。
…蝉が鳴いてのではない…
音のする“ラ・ピスタ新橋”を見上げると2Fステージでアイドルと思しき女性グループが
マイク片手に踊りながら歌っているではないか。
SL広場の群集の多くも音楽に合わせて体を揺らし、腕を大きく振って♪ミンミンミン♪
周囲ののぼりやポスターから目に入ってくるキーワードは「SDN48」とか「眠眠打破」。
よく見れば、何台もTVカメラがあったりしてマスコミも集合していたようである。
携帯やデジカメで記念撮影してい人も多い。
私も後日娘をうらやましがらせてやろうと思いデジカメのシャッターを切った。



歌が終わると司会者が登場して新曲「MIN・MIN・MIN」が翌日の8/17に発売されることを宣伝、
常盤薬品の「眠眠打破」CMタイアップ・ソングの発売記念イベントだとわかった。
新橋はサラリーマンやオジサンの街だといわれるが、今日のSL広場には若者もいるし、
私のような通行人Aや野次馬のような人もいれば、明らかにSDN48の追っかけもいる。
だいたいこの広場に何人いるんだか、・・・千人くらい?それを超えるか?

SDN48の12人がステージから去ると、ステージの下で「眠眠打破」を無料配布が始まり、
SL広場を埋め尽くしていた人の山がそのまま雪崩を打って配布スペースに殺到したため、
たまたま配布スペースのそばに立っていた私はその雪崩にのまれてしまいもみくちゃになり、
その挙句に押し倒されてこけてしまった。
…その後踏みつけられなかったのが不幸中の幸い…
が、しかし、私もタダでは転ばなかった。
雪崩に押し流された結果、無料配布の「眠眠打破」を一本ゲットしたのであった。


サントリーホールヤマカズ&読響の演奏会は2千人の聴衆で満員御礼。
これを聴くことができなかったため、新橋駅前SL広場でSDN48のイベントに遭遇。
こちらも広場を埋め尽くす人の山で盛り上がりをみせていた。
そこに集った人々の関心や感動の種類は異なるかもしれないが、両者には“音楽”という
共通項もあるのだなと思うと、なんとなく異次元空間を彷徨ったかのような気分がした。
なんだか不思議な体験だった。

ところで、まだ20時前の新橋駅前SL広場でゲットした「眠眠打破」であるが、この後、
予期せぬ徹夜仕事が発生したために、図らずも私の役に立つことになるのであった。




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まさかの気管支炎

2011-07-07 17:40:19 | 日記
先週末くらいからなんだか喉がつかえてイガイガするというかガラガラするというか…
と思っていたら、月曜日くらいから軽く咳込むようになり、それが火曜、水曜と酷くなり、
昨日の夕方頃には、同業他社の担当者とのミーティングでの会話にも支障が出てきた。
とにかく何かしゃべると咳込むというところまできて、呼吸もどうも気管支のあたりで
ヒーヒー、ゼイゼイしているようで、首から胸にかけて熱くてやや苦しい感じがする。

喉のずっと奥のほうでかなり粘っこい痰がひっかかっているようだけどなかなかとれない。
一度、喉の粘膜が切れてしまうのではないかと思うぐらいに苦しい大きな咳をした時、
気になっていたこの痰が飛び出してきたが、これが相当に濃厚なゴムまりのようだった。
こりゃヤバイかな?ひょっとすると単なる風邪とか咳とかじゃないかもしれない…。
咳する度に頭にもガンガン痛くなり、それで、昨夜は帰宅したらサッサと寝床に入った。

今朝(7/7)も喉の痰が詰まったような苦しさで目が覚めると、頭から首筋や背中にかけて
汗びっしょりになっていて、ちょっと尋常でない感じだった。
頭もフラフラするので、仕事を休むことにして近所の内科医に助けを求めたのである。

風邪ひきや頭痛、発熱で身体がいうこときかなくなると、女房も私も頼っているのが
もうかなりご年配のおばあちゃん先生が診察してくれる、このS医院である。
私は、慢性腎炎のほうでは定期的に職場に近いT病院の主治医のもとに通っているので、
ご近所のS医院にはここ数年やっかいになることはなく、久しぶりで診ていただいた。

「あらまあ、随分お久しぶりですね。今日は、どうされましたか?」
「先週末から喉がイガイガしてたんですけど、この数日で急に咳がひどくなって…」
「じゃ、まず胸の音を聞いてみましょうか。」
と、胸と背中と両方に聴診器をあてて診察が始まったと思いきや、いきなり
「もうちょっと来るのが遅かったら肺炎で重傷だったかも…」などと仰る。

「えっ?ちょっと大袈裟じゃないですか?」と冗談めかして先生の顔をみると真面目な顔。
結局のところ「急性気管支炎」と診断(カルテには「気管支喘息」も併記)されたのだが、
あやうく肺炎になりかけだったとか。
「でも、ほんの数日のことだったし、発熱だってほとんど自覚症状なかったし…」
「あのね、働き盛りだからって元気ってわけじゃないのよ。元気に見えていても、
 二十歳過ぎたら体力はどんどん衰えていくし、四十を過ぎればふつうは身体の
 あちこちにガタがきてるんだから。過信してると命取りになることもあるわよ。」
と有難くお説教までしていただいた。

気管支炎は男性がなりやすい疾患だそうだが、ちょっと咳込んでも大したことないと
ナメてかかる人が多くて、軽い風邪かなんかだと思っていて痛い目をみるそうだ。
私の場合も、ご多分に漏れずこの症状を軽くみていたのだと諭された。

そのほか、今、T病院でかかっている慢性腎炎の話やら、職場環境の話などすると、
「とにかく睡眠時間をしっかりとることに尽きるわね。」とズバリ一言。
「仕事も趣味も家庭もと、あれこれ欲張って頑張るのはいいけど、休まなきゃダメ!
 この週末はおとなしく家で養生してくださいね。」と念押しを忘れない。

さすが、このおばあちゃん先生は達観している。
なんだか「全てお見通しなんだから、私の言うとおりにしなさい」という感じだ。

注射を打って、向こう数日間の薬を処方していただき診察室を出るとき、
「明日も来るのよ。」と声をかけられた。
振り向くと「ちゃんと治してあげるから、毎日いらっしゃい。」と手を振っている。
つまり、この土日も私に注射するために毎朝開けてくれるそうだ。
町医者というのは、こういうところが本当に有難い。
別れ際のおばあちゃん先生の笑顔が、「サイナラ、サイナラ、サイナラ」の名調子で
多くのファンを魅了したあの映画評論家の淀川長治さんの顔に見えた。

で、帰宅してから薬を飲んでひと眠りして、先ほど目が覚めると少し楽になっている。
まだまだ咳はでるし痰もひっかかって不快であるが、昨晩や今朝よりは随分楽だ。
明日は、朝8時から診てくれるので出勤途上に寄ろう。
土日も早起きして行かねば…。
そして、ちゃんと治す。


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葛飾フィルのホール練習 〜第41回定期演奏会に向けて〜

2011-06-02 23:52:03 | 葛飾フィルハーモニー管弦楽団
葛飾フィルの第41回定期演奏会まで残すところ3日となった今日(6/2)、
本番の演奏会場となる“かつしかシンフォニーヒルズ”のモーツァルトホールに
指揮の田中祐子先生をお迎えして、仕上げ段階となるホール練習を行った。

先週の練習で、ストバイとチェロが執拗なくらいのプルト弾きでかなりしごかれたせいか、
タクトダウン前に集まってくる楽団員の表情は、弦楽器メンバーを中心に緊張気味である。
私自身、昨晩遅くに副団長氏から新小岩駅前の居酒屋に呼びつけられ、弦楽セクションで
今回最も出来の悪いヴィオラパートについて散々にこき下ろされなじられていたので、
今日の練習で度々注意されて気まずい雰囲気だけがホールを支配したりしないだろうかと
やや弱気な自分と、いやいや最後まで諦めずに集中してやりきるゾという強気の自分とが
混在する複雑な気分であった。

先週、練習後の連絡会で楽団員を前に「練習してきたことは本番の演奏でウソをつかない。
プロコの5番は我々にはかなり背伸びした選曲だったかもしれないが、本番までの10日間、
更に練習を積み上げて、最後まであきらめずに演奏会に臨みましょう!」と呼びかけ、
「第41回定期演奏会のキーワードは“あきらめない”です!」と大見得を張ってしまった。
ために、毎日、女房子供達が寝ている間に早朝練習と丑三つ練習を欠かさなかった。
仕事帰りが午前様の自分にとっては、これはかなりシビアな日課となったが自信もできた。
…それでもキチンと弾けないところは多々ある…


さて、指揮台にあがった田中先生の表情も真剣である。
先週、かなり我慢しながら、けれども最後まで真摯にご指導くださった田中先生の姿勢も
“あきらめない”ことを貫いていて、私には我々への信頼のようなものすら感じられた。
今日も、緊張と集中力とで我慢の練習を積み上げていこう!

練習の順番は、演奏会プログラムの順で「禿山の一夜」から。
小学校の音楽の授業で「音楽鑑賞」と称して古今東西の名曲を聴かされる時間があったが、
初めて耳にしたその時以来、なんだか俗っぽくて安っこいイメージがついて離れなかった。
今回、この曲がプログラムで取り上げられることになった当初、嫌〜な感じだったのだが、
練習を重ねるにつれ、かなり面白くて刺激的に感じるようになった。
これは誤った考えなんだろうと思うが、私はスプラッター映画を観る感覚で演奏する。
田中先生がそれをご示唆されたわけではないが、魑魅魍魎とした悪魔や妖怪のイメージや、
その凄まじさのようなものについて語る田中先生の表情からは、私の場合どういうわけか、
スプラッター映画における強烈な映像のイメージが、よりリアルな恐怖として迫ってくる。
この半年間、そんな感覚が増幅してくることで、この曲がとても新鮮なものに変身した。
フォルテはより巨大で大胆に、ピアノはより透明で繊細に、テンポしっかり締めていって、
というように、今から思えばそれほど特別なご指導をいただいたわけではないのだろうが、
そのことが、この曲を退屈なものと思い込んでいた私の意識を大変革させたのである。
わからないものをわからせてくれた!田中先生にはホントに感謝である。
つまりは、葛飾フィルの演奏も面白いものになってきたってこと。


ホールに入ったことで、音の遠近感や響きの拡がりに戸惑ったり、楽器間やパート内で
演奏するタイミングに時間差が生じてきたりと、お約束の様々な乱れが生じる。
先ずそういた状況に留意しながら耳を慣らしバランスを整えていくことが必要となる。
我々が自ら演奏を変えていき、田中先生からの細やかなサインに応えてさらに変わる。
その都度、オケの色、響きの質感、音の奥行きが目まぐるしく変化し、バランスも変わる。
これがホール練習の醍醐味である。
「ホールに入ると細かいところもよ〜くわかってしまいますね。誤魔化せませんよ!」
これまでなんとなく誤魔化したりうやむやにしてきたところが、ここにきて逃げることの
できない現実として我々の前に立ちはだかるのである。田中先生の指摘も容赦ない。
響きが変わるとテンポも変わる。
「お客さんが入るとどうなるかわかりませんが、その時の響きでテンポやバランスを
考えて演奏したいですね。予め決め打ちしないので指揮からは目が離せませんよ!」
ニコリと微笑みながらも目が笑っていない。
今日に限らず、とにかく「指揮をみて!」と耳にタコができるくらいに注意されている。
生きた音楽をやりたいなら当たり前のことだ。
しかし、現実にはそれがなかなかできないのが多くのアマチュアオーケストラの実情。
だからといって簡単にあきらめないのが田中先生であり、そんな田中先生の真摯な姿勢に、
我々もいつのまにか応えようとしている。
100点満点は取れないし失敗も多いが、前向きな楽団員が増えてきた。
いい感じだ。


「仮面舞踏会」は、5つの曲のうち前半3曲を3月の「第4回よくわかるオーケストラ」で
公募した小学生から高校生までの若いメンバーと共に演奏していたということもあって、
比較的に楽団員のノリもよく、田中先生の棒にもよくついて行くことができていたようだ。
勿論、オケの側が妙な先入観と慣れでよく指揮も見ずに“演奏してしまった”りすると、
そのタクトが止まって、情け容赦ない指摘と「指揮をみてみて!」と連発されるのである。
この曲も、あまり考えもなしに何となく弾いてしまうと、ダラダラした演奏でつまらなく、
聴いているほうも弾いているほうも退屈になってしまう曲だ。
「今回の演奏会では、葛飾フィルがこんなに若々しく元気で新鮮な演奏をするのか?と、
お客様に驚いてもらえるような演奏を目指したいし、皆さんにはそれができるはずです。」
と田中先生はキッパリとおっしゃる。
おもしろいもので、こんな一言の後はオケが変わってしまうのである。
葛飾フィルの平均年齢は、明らかに田中先生のそれより上である。それも相当に。
上述のような科白のあとに「私ってめっちゃ失礼なこと言ってますよね…」と微笑む。
ええ歳こいたオッサン達が鼻の下伸ばして若い美女にノセられて手玉に取られて…。
でも、それで互いにハッピー、ハッピー!演奏がよけりゃお客もハッピー!
そんな構図が、しかし、これでファンタジックな演奏へと変貌していくのである。
これもまた一興である。


休憩後は問題のプロコの5番である。
最初から楽章ごとに通して演奏しては返してポイントとなる部分を練習していく。
で、1楽章を通した後、他の楽団員がどう感じたか知らないが自分は嬉しくなっていた。
先ず、このホールの広さが、ようやくこの曲の身の丈に合った服を得たという感じ。
そして、今の演奏が思いがけず安定していて、しかも集中力を維持できていたこと。
勿論、細かいことを挙げればキリがないことぐらいは誰もがわかっていることだが、
この曲をここまで本格的に演奏できるなんて!というのが正直な感想でビックリした。
案の定、田中先生もそういう顔をしていて正直に褒めてくださった。
ただし、「ここであまり褒めちゃうと、油断して本番まで緊張が続かないかも…。
いいですか、今の感じを忘れず、とにかくこの緊張感を本番まで維持してください。」
と、逆に手綱を引き締めなければならなかった。
褒めるとすぐに甘えてしまうこのオケの体質を十二分に掌握されているようである。

2楽章と4楽章は、先週よりもテンポが速くなったようである。
というか、先週はややゆったり目でしっかり弾く練習を目指したのであった…。
当然のことながら演奏上の粗はいくらでもあったが、音楽の流れとか大きな風景は見えて、
未完成ながらオーケストラが有機的に演奏していることが実感できるものであった。
ということを感じられたのは、若干ではあるが、自分にも音楽の全体像を把握しながら
演奏するようなゆとりが生まれてきたのかもしれない。
ヴィオラの問題の個所は、特に何の指摘もされなかったが、音程もリズムもニュアンスも
バラバラだったものが回を重ねるごとに徐々に良くなってきている感じはしているので、
本番までの3日間でもっとよくなってくるだろうという、その点に期待しているのだろう。
チェロもいくつかつかまったところがあるが、目を見張るくらいによくなっている。
4楽章の序奏部後半の難しいパートソロは、返し練習の時には田中先生からも褒められ
「それが、やり直してできるのではなく、最初の通しの時にできればいいのです。」と
チクリと指摘されたが、その気持ちはチェロのメンバーと同化してやや悔しそうだった。

葛飾フィルには、この“やり直してできるのではなく、最初に通した時にできる”ことが
これからの大きな課題である。
この課題は、今に始まったことではなく、ずっと以前から色々な指揮者やトレーナーから
指摘され続けてきたことであるが、演奏するときの心構え一つで随分改善されるだろうし、
集中力を持続することで習慣化できることなのではないかと、私なりに考えている。
田中先生との練習を通じては「できることは、ちゃんとやりましょう。」と何度も指摘され、
「言われてできるなら、最初からやって欲しい。」というようなことまで言わせてしまった。
これは、オーケストラの側が何も考えていないか、単に注意が足りないということである。
つまりは、オーケストラのモラルなんだろうな…と思う。
田中先生との練習は、そんな葛飾フィルの姿勢について考えさせられてしまうことが、
露骨な形で我々に提示される場でもあった。
葛飾フィルの運営責任者の立場にある団長としては、かなり辛いものがあったな…。

と、そんなことも思いながら、今日の練習での演奏を考えたとき、一時はどうなることか
不安だったものの、良い演奏会になりそうだという希望の光が差してきた感じがする。
あとは、田中先生から口を酸っぱくして、何度も何度も言われたように、
「とにかく気持ちを緩めずにこの緊張感を維持して欲しい。」ということに尽きる。

今日の練習はホールでの練習ということでオケの響きの変化の過程を楽しみつつ、
はたまた、思いのほかプロコの5番が仕上がってきていることを実感できた。
まだまだ、やるべきことは沢山あって、本番までにはどうしてもフォローしきれない
こともそれなりにありそうだが、でも、相当のことはやり遂げそうである。
まだまだ諦めず気を抜かずに、その上で演奏を楽しめるように努力を続けるのみ。
今日はいいホール練習だった。


それにしても、プロコの5番。
本当に難しい曲で弾けないところが沢山あるけれど、演奏していてとても楽しい。
田中先生をお迎えした最初の練習の時、この曲は練習すれば練習するほどハマっていく
に違いないというところでお互い意見が一致して盛り上がったのだが、本当にそうだ。
ここにきて、この曲との付き合いもあと3日間だと思うと寂しい感じすらする。
ならばなおのこと思い残すことのないような演奏会にしたい。



今日、6月2日。
葛飾フィル第41回定期演奏会まで、
なんと、あと3日…





■ 葛飾フィルハーモニー管弦楽団 第41回定期演奏会 ■
  日時:2011年6月5日(日) 14:00開演(13:30開場)
  場所:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
  指揮:田中 祐子
  曲目:ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
      ハチャトゥリアン/組曲「仮面舞踏会」
      プロコフィエフ/交響曲第5番
  料金:前売1,000円(全席指定、当日1,500円)
      ★チケット好評発売中★
      かつしかシンフォニーヒルズ・チケットセンター 03-5670-2233
      かめありリリオホール・チケットセンター 03-5680-3333
      葛飾区文化施設指定管理者HP http://www.k-mil.gr.jp/
  HP:http://www7.big.or.jp/~katuphil/




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葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」の練習(そろそろ終盤戦)

2011-02-20 23:18:29 | 葛飾フィルハーモニー管弦楽団
今日(2/20)は、小学生から高校生までの受講生と葛飾フィルとのジョイントコンサート、
「第4回よくわかるオーケストラ」に向けた受講生を対象とした練習に参加した。

といっても、今日は我が葛飾フィルの前団長Y氏の結婚式があり、披露宴で演奏するため、
朝から準備中の披露宴会場で練習し、昼過ぎから結婚式、披露宴にと出席していたため、
“よくわかるオーケストラ”の練習には、やや遅れての参加となった。

今日の練習は、再来週の葛飾フィルとの合同練習を前に、受講生のみの単独練習としては
最後の合奏練習であり、昨年末から始まった練習もいよいよ終盤戦を迎えるのであった。
その合奏指導は、我が葛飾フィルのヴィオラ奏者でもある幸重氏が担当する。
“よくわかるオーケストラ”の練習では、毎年、幸重氏に合奏指導をお願いしているが、
これが受講生達からも我々葛飾フィルのメンバーからも大好評なのである。


その指導には定評のある幸重氏による最後の合奏

今回“よくわかるオーケストラ”に参加する小学生から高校生までの受講生は約30人。
このうち半数がヴァイオリンを演奏する。
合同演奏ではこれに葛飾フィルのメンバーが加わるからファーストバイオリンだけでも
10プルトとなるし、セコバイでも同じような大勢である。
一方でヴィオラの受講生は0、チェロとベースはそれぞれ1人と比較的少ないところに、
葛飾フィルの中にも参加できないメンバーがいて、高弦と低弦とではややアンバランス。
これらがいつものようにステージに並ぶと下手側のヴァイオリン族が大部隊となって
所狭しと並ばなくてはならないのに対し、上手側の低弦族がスカスカの小部隊となり、
音量的なアンバランスさにとどまらず、セッティングも大変で見た目にもカッコが悪い。

そこで、葛飾フィルでは滅多にやることがないし、“よくわかるオーケストラ”では初の
試みとして対向配置をとることにした。
すなわち、下手側のファーストヴァイオリンに対向する形でセコバイを上手側に置くのだ。
早速、今日の合奏から対向配置でセッティングしてみた。
写真では、指揮者の右手にファーストヴァイオリン、左手にセコバイがみえる。


毎週のように葛飾フィルメンバーが入れ替わりで応援参加

今日の合奏練習にも葛飾フィルのメンバーが多数参加して受講生たちの練習を支援する。
ファーストヴァイオリンにはK女史(写真中央)とS氏(その右)が応援に来てくれた。

K女史は、葛飾フィル入団以来長らく演奏会実行委員会のメンバーとして活躍しており、
その貢献たるや、葛飾フィルの定期演奏会準備には余人をもって代えがたい存在だ。
半年前に入団したS氏は、昨日は北海道、今日は東京、明日は金沢といった具合に、
なかなか一つ所に落ち着いておれない仕事をなさっているようで土日も忙しいらしいが、
そんな中でもこの子供達との合奏を楽しみにやってきた。

忙しいといえば、チェロのT氏(写真左手前)も働き盛りの忙しい身ながら駆けつけた。
チェロの受講生はたった1人なので、葛飾フィルのメンバーの誰かが一緒に弾くだけで、
心強くもあり様々なことを学べるとのこと。


フルートパートにはN女史が応援に

フルートパートでも葛飾フィルのメンバーが交代で練習に参加して子供達と一緒に吹く。
今日は葛飾フィル創立時からのメンバーでもあるN女史(写真左)が応援に来た。
N女史は口数も少なく一見控えめな感じのフルート奏者だが、結構熱いものを持ていて、
いつぞやも、たまたま練習中の曲のイメージについて語りあった時など話が尽きず、
彼女の音楽に対する想いは、まさに泉湧くの如しと思い知らされることがあった。
そんな彼女の想いは、小中学生の2人のフルート受講生にどのように伝わっただろうか。


金管パートにもトロンボーンのY女史が助っ人に

金管パートの受講生は、ホルン1人、トランペット1人とトロンボーンの2人であるが、
今日はトロンボーンのY女史(写真手前)が参加して、あれこれと細かい指導をしていた。
彼女は土日に様々なボランティア活動をしているため、葛飾フィルのこのような活動には
参加すること自体がなかなか難しいらいしいが、子供達とのこのコラボレーションには
まるで使命感でも持っているかのように熱心に参加している。
トロンボーンの受講生達とはフレンドリーな雰囲気ができあがって練習に励んでおり、
傍らでながめるその様子は友達同士で協同作業を楽しんでいるかのようだ。


幸重氏の指導は音楽的造詣に裏打ちされた説得力がある

今日の合奏を指揮(仕切)ったヴィオラの幸重氏。
彼は、学校の先生であり、本業の学校においても生徒たちのブラスバンドの指導をしている。
そういうこともあって、よくわかるオーケストラの受講生達への指導もお茶の子さいさいだ。
ただし、単に学校で指導しているから指揮ができるというわけでもない。
そこは、音楽的にも造詣が深く、楽曲の絵姿を我々に示すことができないと説得力がない。

普段、葛飾フィルの活動では割と口数の少ない幸重氏であるが、彼の能力を思い知ったのは、
未だ“よくわかるオーケストラ”がここまで大きな企画コンサートになる以前に、
金町中学校オーケストラ部と葛飾フィルのジョイントコンサートに数年程度取組んでいた頃、
葛飾フィルのメンバーが金町中学校を訪ねて生徒達と一緒に練習した弦分奏のときであった。
ジョイントコンサートを企画して間もない頃、子供達との練習の進め方もまだぎこちなく、
中学生にどう伝えるかということを考えて、初めて、自らが音楽を必ずしも十分に理解して
演奏していたわけではなく、ただただなんとなく楽器を弾いていた…。
そんなことに気がつかされた葛飾フィルのメンバーが多発していた時期でもある。
私もその一人。

そんな中、各パートで練習したりマンツーマンで指導するばかりでなく、弦楽セクションで
分奏練習をすることになり、比較的生徒が少ないため生徒に占める大人(=葛飾フィル)の割合
が大きくメンバーにゆとりのあるヴィオラパートの幸重氏に指揮をしてもらうことになった。
そこで私が目を瞠ったのは、彼の指導のテンポ感がよく、生徒達の集中が途切れないこと、
指摘することが的を得ている上、その中身がオケ全体で音楽構築する視点に立脚している点。
さらには、練習している楽曲の演奏様式(作曲された時代背景やその手法にまで拡がりがある)
などにも触れ、皆の音楽へのイメージを膨らませ、より明確なものを提示していったこと。
…わおっ!こりゃすごいや。
 学校で指導しているかって、なかなかこうもできんぞ…

まあ、そんなことがあったので、以来、金町中学校とのジョイントコンサートでの練習や、
それがさらに発展して始まった“よくわかるオーケストラ”の練習では、必ず数回程度は
幸重氏の指導による合奏練習を設けるようにしているのだ。

今日も、オケ全体にしっかり目配せをして、最終的に目指す曲の理想像を示しながらも、
受講生にとってめちゃくちゃ無理ではないがすぐにはクリアできない程度のハードルを課し、
テンポ感のある充実した練習を展開していたのである。
勿論、我々葛飾フィルのメンバーにとっても有意義な練習であったのは言うまでもない。



さて、あとは一回のパート練習を経て、3月になれば合同練習、いよいよ本番という流れだ。
これまでは、受講生の指導に現役の音大生を迎えることもあったが、今回は、全ての練習を
葛飾フィルのメンバーのみで指導し、受講生と一緒に練習してきたので、例年になく全体の
一体感というものが醸成されており、それが演奏にも反映してきたように感じる。
本番のステージでどんな演奏になるのか、いまからワクワクしてきた。



今日、2月20日。
葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」まで、
あと14日…



■■■ 葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」 ■■■
  日時:2011年3月6日(日) 14:00開演(13:30開場)
  場所:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
  指揮:植村 理一
  語り:岡崎 弥保(「ピーターと狼」のナレーター)
  演奏:第4回よくわかるオーケストラ講座受講生、葛飾フィルハーモニー管弦楽団
  曲目:【葛飾フィルによる演奏】
       ブラームス/ハンガリー舞曲第5番
        〜 楽器紹介 〜
       プロコフィエフ/交響的物語「ピーターと狼」
      【葛飾フィル+受講生による合同演奏】
       ハチャトゥリアン/組曲「仮面舞踏会」〜ワルツ、ノクターン、マズルカ
  入場:事前申込み(2/20まで大募集中!)
      葛飾区文化施設指定管理者HP http://www.k-mil.gr.jp/
  HP:http://www7.big.or.jp/~katuphil/




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青葉城址

2011-02-16 23:59:57 | 日記
今日(2/16)は、仙台に日帰り出張であった。
用務先の東北大学には午後から伺えばよかったので、午前中早い時間に仙台入りし、
仙台には何度も足を運びながら一度も訪ねたことのなかった青葉城址まで散策した。

仙台駅から西に向かって伸びる青葉通りを1キロほど歩くと、右手に晩翠草堂を見つけた。
ここは仙台が生んだ詩人土井晩翠がその晩年を過ごした家で、1945年7月の仙台大空襲で
屋敷と蔵書を焼かれてしまった晩翠を慰めようと、教え子や市民が建てたものだそうだ。
晩翠は亡くなるまでここで暮らしていたそうで、その落ち着いたたたずまいの草堂内部は
晩翠の生前のままの状態で保存し展示されているのである。
この屋敷の通りに面して「天地有情」と刻まれた石碑が立っている。
晩翠の出世作となった第一詩集の題名である。

晩翠草堂を後にしてさらに西進すると、広瀬川に突き当たる。
ここに大橋という橋がかかっているが、江戸の昔は青葉城とその城下を結ぶ橋でもあり、
番所が設けられ番人による通行の取り締まりが行われていたそうな。
橋を渡って坂を上ったところに青葉城の大手門があったというから、広瀬川は城にとって
天然のお堀として重要な機能を持っていたことが容易に想像される。
そして、この橋のたもとには、ポルトガル人神父と日本人キリシタンが殉教したとされる
「仙台キリシタン殉教の碑」なるものがある。
踏絵に代表されるキリスト教徒迫害の時代に、ここでもキリシタンが冬の広瀬川に浸され
水責めの拷問を受け殉教するという事件があり、碑はその残酷で悲しい記憶を留めている。

広瀬川といえば、かつて、さとう宗幸さんが♪広瀬川、流れる岸辺♪と歌っていた
「青葉城恋唄」の最初のフレーズを思い出すが、あの歌詞のイメージは実際の風景と
それほど違和感がないように感じた。
仙台駅から距離にして2キロも離れていないのに、のどかでどことなくひっそりしている。
杜の都といわれる所以か。



大橋を渡ると、左右に博物館やら国際センターなる建物が展開しているが、
道はやや急な坂道となって、青葉城の顔ともいうべき大手門跡へと続く。
よく観光パンフレットなどで目にする写真の建物は、大手門の左脇に建っていた
“脇櫓”で、1967年に大手門とともに焼失したものをこの櫓だけを復元したそうな。
大手門跡のこの場所は、左折すると本丸、直進すると東北大学川内キャンパスに
分岐する交差点となっている。

“脇櫓”をしげしげとながめた後、進路を左にとって本丸へと登っていく。
道路脇の歩道は立派な杉の木立を縫っていくように蛇行していたりして良い感じ。
途中の中門跡とされる部分は、石垣が鉤状に対峙しており、それにそって道路が
窮屈そうなS字を描いて蛇行している。
車は減速して対向車や歩行者に注意して走行しなくてはならない謂わば交通の難所だが、
かつて外敵の進行を妨げたであろう城郭がしのばれて、なにやら微笑ましい気がした。
坂道はさらに傾斜を急にして蛇行するが、突然、目の前に高い石垣に壁が現れる。
これが本丸の北側の石垣である。
石垣のたもとの通路は日陰になっていて、残雪がアイスバーンのように固まっているので、
ビジネスシューズの私は、坂を登る間、滑らぬよう細心の注意を払わねばならなかった。



青葉城本丸は見晴らしの良い広場となっていた。
仙台の街を一望するこの場所に、かの伊達政宗公が馬に跨る「政宗公騎馬像」がある。
この本丸からは、仙台市街のその向こうに太平洋を望むことができるが、騎馬に跨る
政宗公の視線は、遠く太平洋を眺めているようである。
水平線を眺望するというのは、それだけで気分がでかくなった気になるから不思議。
大海はロマンだな〜、などと悦に入ってしまうのであった。

さて、本丸で仙台市街のパノラマを満喫した後は、来た道をそのまま戻る。
仙台駅へと向かう途中、牛タン屋さんで定食を注文、タンシチューに牛タン、
麦飯とテールスープを美味しくいただいた。

そして午後から、仙台駅で職場の同僚と待合せて、東北大学での用務に向かったのである。

・・・

東北大学での用務が終わってからは、まだプライベートな用事が残っていた。
同期入社のI君が、ここ仙台の東北支店(現在私は別会社に出向中だが)で勤務している。
彼は福島は会津地方の出身で、その勤勉で実直な仕事ぶりは誰からも一目置かれていて、
信頼度も厚く、私が尊敬し模範とする業界人の一人でもある。
そのI君と数年ぶりで杯を交わすというのが、プライベートでの大事な用事であった。
仕事の話、家族の話、最近考えたり感じたりしたことなど、話は尽きることを知らず、
また、最近結婚した彼の奥様が声楽を専攻した音楽家だということが判明するに至り、
互いに音楽家の女房を持ったという共通の話題で時の過ぎるのも忘れてしまった。
結局、東京行き最終の“やまびこ”にギリギリのところで飛び乗ったのであった。
I君と話したひと時でなんだか心が洗われた気分になって、同期ってのはいいな〜と、
つくづく思ったもの。

ところで、仙台出張における私のもっともっと重要なミッションはほかにあったのだ。
東北大学での用務や青葉城散策、I君とのひと時よりも極めて重要なその任務とは、

・・・






女房への“牛タン弁当” の土産である。








仙台駅の駅弁コーナーでたまたま選んだこの“牛タン弁当”。
何やら容器からヒモが伸びていたので「このヒモ、何か意味あるんですか?」と尋ねると、
店員さんが「このヒモをひっぱると容器が発熱して、温かく召し上がれます。」とのこと。
ヒモを引くだけで温まる加熱式容器で、柔らかい牛タンと温かい麦めしが味わえる一品だ。
今、ウィンタースクールで留守の娘は味わえないが、女房も息子も喜ぶはず


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葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」の練習(中盤戦)

2011-02-05 23:49:05 | 葛飾フィルハーモニー管弦楽団
今日(2/5)は、小学生から高校生までの受講生と葛飾フィルとのジョイントコンサート、
「第4回よくわかるオーケストラ」に向けた受講生を対象とした練習に参加した。
昨年12月26日に練習をスタートして以来、ほぼ毎週のように葛飾フィルのメンバーが
合奏や分奏、時にはマンツーマン指導の形で子供達と一緒に練習を重ねている。
団長である私は、本来ならばすべての練習に立ち会いたいところなのだが、
この企画の日程が固まる以前から予定していた家族行事やプライベートな活動のため、
全日程の半分程度にしか立ち会えず、それが残念でもあり不安でもあったりする。
もっとも、受講生達への練習指導については、葛飾フィルの役員やパートリーダーが
毎週の練習を計画的に分担して指導しているし、毎回の練習の様子も指導メンバーから
話を聞いて大体は把握できているので、その点では安心である。

今日の練習は、弦、管、打の3セクションに分かれ、弦セクションの練習ではさらに
前半を各パートの練習に分け、後半は弦全体で一緒になっての練習だ。


葛飾フィルの次席コンミスS嬢によるファーストヴァイオリン分奏

葛飾フィルのコンサートマスターは、長らくO女史がその重責を担ってきたのだが、
年2回の定期演奏会の他に、先日の保育園児のためのコンサートのような依頼演奏や、
今回の「よくわかるオーケストラ」のような企画演奏会の機会も増えてきたことなどから、
創立20周年を迎えて、O女史の他に複数の次席コンサートマスターを置くことにした。

新たに次席コンサートマスターとなった2人のうち、20代で元気ハツラツなS嬢は、
「第4回よくわかるオーケストラ」の本番が葛飾フィルのコンミス・デビューとなる。

ファーストヴァイオリンの練習は、その彼女による指導が緻密に展開されていく。
受講生には非常に優秀な奏者が揃っていて、彼女の指導によく反応していくので、
彼女が要求する内容も、時には大人の我々ですら難しい厳格なものだったりする。
特に、今日はあいまいなリズムをクリアにしてく練習が印象的であった。


葛飾フィルの長老格U氏(右)と入団1年の若手K氏(左)も応援

小学生から高校生までの受講生達の後方では、本番のステージでは受講生達と並んで弾く
葛飾フィルのメンバーが自らの練習もかねてS嬢の指導を応援する。
今日は、葛飾フィル創設期からの団員で長老格のU氏と1年前に入団した若手K氏が参加、
S嬢の指導を補足したり、受講生への個別の助言など側面から支援するのであった。


セカンドヴァイオリンはセコバイトップのI女史による分奏

セカンドヴァイオリンの指導は「よくわかるオーケストラ」での指導経験も豊富なI女史。
新たな次席コンサートマスター2人のうちのもう一人というのは実は彼女なのであるが、
彼女は新体制以前の、前々回の「よくわかるオーケストラ」でコンミスを経験済みである。

受講生達の後ろからI女史の指導を補佐するのは、現在の副団長氏である。
彼は、弦楽器の初心者や素人愛好家への指導が達者で、こういう場面では非常に頼もしい。
実は、大学オケで私にヴァイオリンのイロハを教えてくださった大先輩なのだが、
私が未だにあまり上達していないのは、決して彼のせいではなく私の努力不足にある。
一応、念のため。


楽譜の書きこみチェックなどその指導もキメ細やかだ

セカンドヴァイオリンの受講生の中には楽器を始めてから比較的日の浅い中学生もおり、
I女史の指導は、弓の上げ下げから左手のフィンガリングやポジションチェンジまで
キメの細かい懇切丁寧な内容となっていて、傍で見学している私も感心してしまうのだ。
勿論、テクニカルなことばかりではなく音楽を楽しむ部分も忘れずに伝えており、
受講生達は、昨年の最初の練習から比較して着実に上達し音楽らしくなってきている。
彼女は、葛飾フィルのインスペクターやセコバイのトップも務めていることもあり、
ごくたまにではあるが、葛飾フィルの練習においても分奏指導をすることがあるのだ。


弦全体の指導はもうひとりの次席コンミスでもあるI女史だ

そして、練習の後半はI女史の指導ですべての弦楽器が一緒になっての弦分奏である。
私もたった一人ではあったが、ヴィオラを弾いての参加であった。
ハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」からワルツ、ノクターン、マズルカの3曲を
順番に通し練習していくが、これまた、練習当初の分奏練習よりも“踊り”らしくなり、
練習を重ねたぶん音楽が動いてきている感じがした。


中学生にマンツーマン指導しているチェロのI氏も参加

さて、今回の弦楽器の受講生達の多くはヴァイオリン奏者で、他にヴィオラ奏者は0、
チェロ奏者は1、ベース奏者も1という状況である。
残念ながら今日の練習ではベース奏者がお休みだったが、チェロ奏者は孤軍奮闘しており、
我が葛飾フィルからは彼女に付きっきりで指導している古参のI氏が参加しての応援だ。
今日のチェロパートは、まるでお爺さんとお孫さんのようなプルトを組んでの練習だ。
…いくらなんでも、お爺さんは失礼か!Iさんごめんなさい。<(_ _)>…

因みに、I氏はその風貌から葛飾フィルのロストロポーヴィチとかカザルスと呼ばれるが、
写真の姿からもその愛称はうなずけよう。


セコバイに加わったY女史も子供達を盛り立てる

さて、弦分奏の練習からはセコバイに葛飾フィル創設期からのメンバーY女史も加わった。
彼女は、葛飾フィルの定期演奏会ではファーストヴァイオリンを担当、パートリーダーや
コンマスサイドの重責を長きにわたって務めてきた葛飾フィルの要となる存在だ。
セコバイの受講生たちが仲良し二人でプルトを組もうとするところにあえて割り込んで
一緒に弾きながら色々と気が付いたことを助言し、指導していく。
さらに、弾き方に迷った受講生には、その音色や音量などを弾き分けて導いていくのだ。

実際、音楽は楽譜の読み方や弾き方(技術)を教えてもらう時、口で説明してもらうことも
大事であるが、隣で一緒に楽器を弾いてもらったほうが数倍もわかりやすく説得力がある。
彼女の受講生と交わって練習しようとする姿勢は、本番では必ずや実を結ぶに違いない。


打楽器指導をするS嬢と乱入してはしゃぐ副団長氏

さて、いつもの練習は、弦、管、打の3セクションが同じ時間帯に並行して練習するが、
今日は練習場所の都合で、弦と管・打の練習時間帯が入れ違いとなり、弦分奏が終わる頃、
管・打の練習が始まったのである。
弦分奏の片付けを終えて、副団長氏とともに打楽器パートの練習室をのぞいてみると、
3人いる葛飾フィルの打楽器奏者の一人であるS嬢が、小学生の受講生を指導していた。

打楽器パートの練習は、指導陣がわりとフレンドリーなのか和気あいあいとした感じ。
のぞきに乱入した我々も、ついつい茶々をいれたくなる。
このスナップは、副団長氏が小学生の彼に近づくべくはしゃいでいる姿であるが、
彼はそんな大人を、大らかに見まもり、テキトーにあしらってくれるのである。
…近頃の小学生は、ホント大人だよな…


と、打楽器パートに迷惑をかけた我々は、その後、この企画演奏会の主催者である
葛飾シンフォニーヒルズ(葛飾区文化施設指定管理者)の担当者と、今後の段取りや
演奏会前当日のスケジュール確認等の打合せに時間の過ぎるのも忘れるのであった。


さて、この葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」コンサートについては、
現在、葛飾区内の掲示板にこんなポスターを貼って鑑賞希望者を募集している。
…ポスターには「観覧」と書かれているが、せめて「鑑賞」にして欲しいな…


葛飾区内の掲示板に貼られている観覧大募集のポスター

観覧大募集の案内はHPでもやっているので、ご関心の向きにはぜひご来聴いただきたい。
我々葛飾フィルのメンバーも、定期演奏会とはまた違ったアプローチを楽しんでおり、
企画演奏会ならではの、子供達とのジョイントならではの素敵な演奏会を目指している。
ひいては、こういう経験がオーケストラをより成長させてくれるとすら考えている。

本番まであと一か月となったが、さらに受講生たちも我々葛飾フィルのメンバーも
お互いに刺激し合って一体となった音楽が創り上げられそうな予感の今日この頃。
終演後の子供達の笑顔が、我々にとっても聴衆にとっても最高の喜びになることだろう。



今日、2月5日。
葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」まで、
あと29日…



■■■ 葛飾フィルの「第4回よくわかるオーケストラ」 ■■■
  日時:2011年3月6日(日) 14:00開演(13:30開場)
  場所:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
  指揮:植村 理一
  語り:岡崎 弥保(「ピーターと狼」のナレーター)
  演奏:第4回よくわかるオーケストラ講座受講生、葛飾フィルハーモニー管弦楽団
  曲目:【葛飾フィルによる演奏】
       プロコフィエフ/交響的物語「ピーターと狼」
      【葛飾フィル+受講生による合同演奏】
       ハチャトゥリアン/組曲「仮面舞踏会」〜ワルツ、ノクターン、マズルカ
  入場:事前申込み(2/20まで大募集中!)
      葛飾区文化施設指定管理者HP http://www.k-mil.gr.jp/
  HP:http://www7.big.or.jp/~katuphil/




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さぼうる2のナポリタン

2011-02-04 22:57:12 | 食べあるき
今日(2/4)は、ある公的施設で開催された30人程度の同業者が集まる研修で講師を務めた。
研修内容というのは、4月からスタートする我が業界の新たなルールの概要を説明し、
ルールへの理解を深めてもらい、また、その準備もしっかり進めてもらおうというもので、
この業界での新ルールの運用担当となる私の重要な仕事の一つである。

で、この研修であれこれ話した後、この施設のパートナーと意見交換をしていたら、
お昼になってしまったので、職場に戻る前にこの近所で昼食を済ませることにした。
この施設は竹橋からほど近い場所にあり、昼食には神保町辺りまで足を伸ばすのも
それほど珍しいことではないという。
かつて九段下の職場で勤務していた頃は、神保町界隈を食べ歩いたものである。

そこで思い出したのが“さぼうる2”のスパゲティ・ナポリタンである。
最近、滅多に食べることはないのだが、私の大好物である。



東京メトロ半蔵門線と都営新宿線に三田線が交わる地下鉄「神保町」駅のすぐ傍の路地に
「さぼうる2」はある。
おとなりには「さぼうる」というお店があり、姉妹店であるということはすぐわかるが、
私は「さぼうる」には入ったことがない。
なんでも「さぼうる」のほうは純喫茶で、美味しい飲み物があるそうだが、
そちらに入るまでもなく、初めて「さぼうる2」に入って以来、ここでナポリタンと
コーヒーをいただくだけで、ホッと一息つけてお腹も心も十分満足してしまったのだ。



お目当ては、このスパゲティ・ナポリタンだ。
とりたてて絶品というわけではないかもしれないが、子供の頃から馴染んだ味がする。
このお店のナポリタンを愛する知人は、異口同音に“なつかしの味”をあげているが、
彼らは年代も違うし、出身地も全国に散らばっていて、あまり共通項は見いだせない。
そのくせ“なつかしの味”では全く意見が一致している。勿論、私もそうなのだが…
ということは、この店のナポリタンは、我が国にナポリタンが誕生した当時からの味を
ただひたすら受け継いでいるのであろうか。

その気になって調べたり取材すれば、その味の秘密や凄さがあるいはわかるかもしれない。
が、まあ、そこまでマニアックにならずとも、とりあえず美味しければよいのである。
たまに神田に足を運んだら、久しぶりに食べたくなる味なのだ。



このお店、昼食時は、ランチにやってくるお客が入口前に行列をつくるのが常だが、
意外に回転も速く、過去、やたらめったら長い時間待ったというような記憶はない。
かといって、店の中がガヤガヤと騒々しいわけでもなく、むしろ、なんか落ち着いちゃう。
このすこし古めかしい雰囲気がそんな気分にさせるのかもしれない。

かつて、九段下の事務所で仕事をしていたころ、夕食をとりにやってくることもあったが、
そんな時、食後のコーヒーをすすりながら、読みかけの文庫本に夢中になる。
そんな自分のための時間を持てる貴重な場所でもあったりする。
残念ながら、今は滅多にここまで足を運ぶことはない。

たまに近くに来ると、気になって訪ねてしまう。



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音泉室内合奏団第32回演奏会東京公演

2011-01-15 23:54:42 | 音楽日記
今日(1/15)からの2日間は、全国各地で大学入試センター試験が行われる。
どのような結果になるか?受験生たちが努力してきた勉強の成果が試されるわけだ。
私が受験した当時(もう四半世紀も前になる)は『大学共通一次試験』という名前で、
国立大学のみの制度だったが、衣替えしてからもこの季節になるとあの頃を思い出す。
私のオケ仲間にもその子供さんが受験生という親がおり、その心配は尽きることがなく、
今日に向けて、その心のうちなど色々聞かされていたりしていた。

という、世の中がそんな感じの2011年の3回目の土曜の今日。
私は、アマチュアの音楽愛好家としては滅多に体験できない贅沢とすらいえる
紀尾井ホールの舞台でシンフォニーを演奏する機会を得たのであった。


G.P.(13管楽器のためのセレナーデ)の様子

音泉室内合奏団は、2000年に第1回演奏会を開催して以来、小海、東京、松本の3か所で
年に3回の定期公演をベースに活動する、アンサンブル好き達の集う音楽団体だそうだ。
メンバーは、東京とその周辺、長野や新潟、宮城といった地方在住者から構成されており、
練習場所も、その都度東京だったり長野だったりと広域的に活動を展開しているとのこと。
昨年から“10周年記念シリーズ”コンサートを開催しており、シリーズ第二弾となる今回は、
「良いホールで」というこだわりからなのか、室内楽ホールとしては我が国でも屈指の
この紀尾井ホールでの開催となったようである。

さて、急な話ではあったのだが、この団体に縁あってエキストラ出演することとなり、
数回の練習と宴会に参加して今日を迎えることとなった。

構成メンバーがあちこちから集合し、数日間の合宿型の集中練習を積み重ねていくことで
演奏会へ向けてその音楽を創り上げていくというスタイルは、私が毎年参加している
四国フィルの運営スタイルとよく似ており、四国フィルも無類の音楽好きたちが、
四国四県はもとより、中国地方や京阪神地方、関東地方からも海を渡って集まっている。
そういうこともあってか、練習初参加のときもあまり初めてという感じがしなかった。



■■■ 音泉室内合奏団第32回演奏会東京公演 ■■■
     〜 10周年記念コンサートシリーズII 〜

日時:2011年1月15日(土) 17:00開演(18:30開場)
場所:紀尾井ホール
演奏:音泉室内合奏団(音楽監督・コンマス:三溝健一)
曲目:R.シュトラウス/13管楽器のためのセレナーデ変ホ長調Op.7
    丸山嘉夫/弦楽のための「信濃舞」
    ショスタコーヴィッチ/交響曲第5番ニ短調Op.47
   <encore>
    ドビュッシー(A.リード編)/「月の光」


音泉室内合奏団では指揮者を置かずに演奏する。
シンフォニーの中でも大規模編成の部類となるタコ5を、なんと指揮者なしでやる!
テンポの緩急は、それほど奇をてらったものではないスタンダードなスタイルだが、
そのスタンダードも皆それぞれに自分なりのスタンダードや耳覚えのテンポがあって、
練習の過程でも、その微妙な違いが毎度異なる形で顕在化して崩れていく。
音楽監督でもある三溝氏が、コンサートマスターの席から全身でもって皆を主導するも、
そこに頼って注意深く聴きあうだけでは音楽の推進力は落ちてしまい面白くない。
皆の気持ちが強すぎても弱すぎてもダメで、バランスよく保たれてこそ上手くゆく。
まさにそのさじ加減に四苦八苦するのだが、これが上手くゆくと思わず嬉しくなる。
そんなとき、アンサンブルの中にある意思疎通ならぬ“意志”疎通といったものを感じた。
…なんか女房あたりから「アンサンブルやってりゃそんなの当たり前のことじゃん!」
 などと突っ込まれそうなことではあるが…

「オーケストラは室内楽を大きくしたもの」ということをよく耳にするのだが、
実際のところ、我々が活動しているアマチュアオーケストラの世界においては、
そのような本来的な意味での音楽を有機的に(あるいは動的に?立体的に?)創造し、
感じとり、相互にキャッチーボールできる瞬間はごく稀にしか体験し得ないのではないか。
ここに参加して、指揮者を置かずにアンサンブルをやることで自然にそうなるのか、
参加メンバーの意識が高いために(作為的に)そうしてしまうのか、いずれにしても
音楽を有機的にキャッチボールすることで何かが生まれたり動いたりする感覚が、
演奏のあちこちで顔を出し、推進力や躍動のようなものとともに実感することができた。
…なんか難しげなことを言うが、要は“対話しながら音楽した”実感が持てたのだ…

とまあ、いつになく頭でっかちな感想ではあるが、タコ5は面白かった。

が、その反面、「信濃舞」はよくわからないうちに終わってしまった。
よく知らない人のことについて、初対面の人とあまり本質的なことに触れないまま
それとなく話を合わせながら会話しているうち、時間が来たので別れたような感じ。
演奏者としては、最もしてはいけないことではなかったかと猛省することしきり。
…もっとも、この曲と付合う時間が長ければハマったかもしれないが…

今回、ヴィオラのトップを務めていたのは、この楽団のメンバーになったのか、
あるいは私と同じようにエキストラ出演だったのか定かではないが、
我が葛飾フィルでセコバイのトップを務めているI女史だったのである。
指揮者のいない中でのタコ5でトップを務めるのは大変だったろうと推察するが、
それは「信濃舞」であっても同様であったはず。
むしろ、この曲については、私のように自信のないメンバーも少なくはなかった
のではないかと思っているが、そういう不安な空気というのはトップの背中には
傍目で思う以上にひしひしと伝わるものなのである。
そんな空気を背によくやったなと感心してしまうのであった。
この曲、彼女がいなければ、私は本当にボロボロだったはずである。
多謝



音泉室内合奏団というこの音楽団体は、独特の空気があり、様々に面白い経験ができた。
翻って、自らが役員を務める葛飾フィルの運営やその演奏について色々考えさせられた。
終演後の打ち上げには事情があって参加できなかったが、メンバーの方々ともう少し
色々な話がしてみたかったなと思うのだった。


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仕事始めに考えたこと

2011-01-04 22:34:23 | 日記
今日1月4日(火)は仕事始め。

気分も新たに気を引き締めて仕事も遊びもガンガンやりまっせ!
といいたいところなのだが、朝から眠たいし身体がなんだかだるくて気分もイマイチ。
昨夜から今朝にかけて、久しぶりに夜を徹して女房と口論して眠っていないので、
今朝の通勤電車では、新小岩から東京までの15分間、座席に身を預けて爆睡してしまった。
まだ、年始のお休みをとっている人が多いのか、仕事始めの割に電車はかなり空いていて、
車内で立っている人がまばらどころか、いくつか空いている座席さえあったのだ。

そんな風なダラ〜っとした雰囲気で始めた2011年の仕事は、しかし、課題が山積している。
この四月から我々の業界でスタートする新たな制度の、曲がりなりにも私は運用担当者。
新制度を動かしていくための準備に、どんなに頑張ったところでフォローできないことは
いくらでもありそうだが、どの事項でも念入りにやってみてやりすぎることはないくらい。
時間は限られているのに、処理しなければならない課題の量たるや並大抵ではない。
これらをこなすためには“無定量、無際限”に働くしかないのか…。


一昨年、TBSでTVドラマ化されて話題にもなった城山三郎氏の『官僚たちの夏』には、
戦後の我が国の自立のために“無定量、無際限”に働く通産官僚の姿が描かれている。
公僕たる国家公務員が、与えられた使命を全うすべく身を粉にして仕事に打ち込む姿に、
この本を読んだ学生時代の自分は、仕事に対しては常にこうありたいなどと思ったが、
四十半ばの今の自分では、腎臓の病気であまり無理もできないし現実は厳しいと感じる。
まして、“無定量、無際限”に働くなんて、この時世では流行らないだろう。
勿論、我々の世代やこの業界において、これを実践しこなしている人間は大勢いるし、
私もかつて、昼も夜も休みもない(窮乏する人的体制と無尽蔵な業務量による)職場環境で、
月平均のサービス残業時間が200時間を軽く超えるということもあった。
(昨年だって、100時間超のサービス残業はほぼ常態化している)


ということで、“一年の計は元旦にあり”とはいうものの、仕事始めの今日、
今年一年のやるべき仕事、とりあえず四月までにやり遂げる仕事などを展望したとき、
計画を立てるどころか、やや途方にくれてしまった。


まあ、そういって年頭からへこたれていたのでは何も始まらない。

今年は、元旦の朝から寝坊したり、年始の休み中に読むつもりの本が読めなかったり、
心穏やかにのんびり過ごすつもりの三日間に女房との口論が絶えなかったりと、
年明けからろくなことがないような感じだが、それが私の日常なのかもしれない。
ネガティブに考えれば、思うようにことが運ばず、気が重い年明けではあるが、
今年はそういう年なのだと思えば、それほど悪いことが起こるようでもなし、
やることを地道にやっていれば何らかの結果はでるわけだし、それでよいではないか。
そう思うことにした。


毎年、元旦や仕事始めには密かな目標とか計画を打ち立て、心機一転を図るのだが、
今日の仕事始めは、ヨーイ・ドン!で明確なスタートを切るという感じではなく、
なんだかいつの間にか始まってしまって、なんとなく頑張っていこうという感じ。
まあ、あまり肩をいからせて気張ることもないや。


といいながら、勿論、密かな目標もあるし、数年来の計画もたてた。
仕事においても、プライベートでも。



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