Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

止めるという選択肢の難しさ

2017年03月30日 08時18分54秒 | 教育
 27日朝に那須町のスキー場付近で発生した雪崩で、「春山登山」講習会に参加中の県立大田原高校の山岳部
の生徒ら8人が死亡した事故で、主催した栃木県高校体育連盟の登山専門部委員長で現場の責任者が
「絶対安全だと判断して訓練に入った。」と言ったそうだ。

 そもそも、「安全」に【絶対】はない
だから、その判断に間違いがあって、事故が起きたのだ。
しかも、その時は『雪崩注意報』が出ていたので、「登山の実技講習を中止しながら歩行訓練を実施した」
のであるから、一部の危険性は察知していた筈だ。

 しかも、過去の経験上、斜面が急で雪崩が起きやすいとされている場所は避けた。
それで、安全と判断したのだろうが、さらに万一の場合を考えて、
山の高い所へは登らない! 
林の密集地帯だけでやる! つまり、林を抜けるな!
という条件を付けるか、そういう場所がなければ、すべての訓練の中止を決断すべきだった。
林を抜けて、さらに上に上がっていかなければ、雪崩に遭っても死者は出なかったかも知れない。

 実は日本人には何かを止める、という決断は苦手のようだ。
高校生の場合保護者から、「せっかく雪山へ行きながら、何故訓練しなかった?!」と後で追及されるのを
恐れるのだ。「勇気がない! やる気がない!」と言う批判に日本人は弱いからだ。

 小生の若い時に、ある事業所の親睦会長として、スキーバスを出した事があったが、3台予約したのに、
予定通り事業所に迎えに来たのは1台だけで、後の2台が来ない事があった。その原因は、降雪による大阪東部
の交通渋滞であった。バスは費用の安い三重市のバス会社から来る事になっていた。
ともかく、予定通りに来た1台は出発させて、後の2台を待った。 
そして、遅れること2時間、やっと残りの2台のバスが来た。
運転手は遅れた事に平身低頭だったが、その時、小生は運転手の手が小刻みに震えている事に気付き、
これでは運転は危険だなと察した。

 そして、ラジオからの情報で、「名神高速道路が積雪により危険なので、封鎖された」と知った。
これでは、バスを出発させても、名神の入口で待たされ、仮に封鎖が解除されても、気持が動転している運転手
では危険が大きい過ぎると判断して、遅れたバス2台の出発は中止させた。

 その後、先に行かせたバスの事が気になるので、関係者には事業所に泊まり込んで貰い、連絡を待った。
真夜中に、先に出発したバスと連絡が取れて、「後の2台はどうなったのか? エッ、来ない?!」と話が出来た。
しかも、そのバスは予定通りスキー場に着いて、翌日は楽しくスキーが出来たそうだ。
ともかく、小生としては事故の防止を優先したつもりだった。

 ところが、明けて月曜日、所長に報告に行ったら
「何故、残りの2台を出発させなかったのか?!」
と怒鳴られた。

“何かを決めたら、実行あるのみだ!” 
“少しの問題で止めるとは何事か?”
“やる気がない!”

これが、日本人の発想の基本にあるのだ。
だから、日本人はいったん決めた事を止めるという決断が難しい。

 何かをやる時に、まず先に危険ならば止める!」と言う選択肢がある、という事をしっかり肝に銘じておく
べきだ。それが、責任者の基本的心構えだ。

同高校の責任者は「こういう事態に陥り、反省しなければならない。」と言ったそうだが、その反省の中に、
「危険ならば止める!」と言う選択肢がある、という事が含まれているのだろうか?!

 この事は、原発事故の場合にもあてはまる。「危険ならば止める!」と言う選択肢がある、
という事を肝に銘じるべきだ。
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1 コメント

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中止の決断 (mucchi-)
2017-03-30 21:49:37
運動会等の天気に左右される行事の中止の決断は、早めにしないと保護者だけでなく、弁当屋さんなどまで迷惑をかけることになるので、勇気をもって中止をしなければなりませんでした。

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