Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

貿易と防衛の絡み合い

2017年03月06日 13時51分21秒 | 安全保障
 報道によれば、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が昨日から始まった。そこで、李首相からは
具体的な数字は出なかったが、2017年の「国防予算」が前年度比+7%になりそうだ、という。
昨年度は約16.2兆円だったので、今年はそれが約17.3兆円になる、という事である。
  出典>読売新聞、2017年03月04日 12時58分 、
     https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-20170304-50103/
     中国軍事予算伸び「7%前後」初の1兆元突破へ


 この増額はアメリカの防衛費10%増に比べれば少ないし、一時は二桁増であった事と比べても少ないが、
経済減速が危惧される中では、出せるかぎりの増額なのであろう。
米消息筋によれば、中国は2025年には空母6隻を保有する計画だと言われている。
それを意識してか、去る3月2日、トランプ米大統領は軍服姿で建造中の空母で演説し、
空母10隻→12隻へ海軍強化する」と表明している。

 昔世界を制覇したイギリス海軍は仮想敵国の2倍の戦力保持を目指したと言われているが、トランプ大統領の
空母増強目標は、奇しくも、それと同じで、中国の計画の2倍である。
ただし、アメリカ軍が全世界の海を対象にするのに対して、中国軍は西太平洋、東および南シナ海とインド洋
さえカバーすれば良いので、6:12隻を直接比較はできない。

 なお、中国の空母が6隻体制になろうとも、米軍にとっては脅威ではない。というのは、見た目の威圧感は
凄いが、ミサイル戦争時代に、空母はただの【巨大な浮かぶ棺桶】になりかねない脆弱性があるからだ。
空母を守るのは、第二次大戦中の太平洋上でも、難しく、潜水艦と戦闘機の攻撃をかわすのが難しかった。
ミッドウエハー海戦での日本機動部隊の大敗北が実証している。
しかも、今後の戦争では、その上にさらに、巡航ミサイルが飛んで来るのだ。

 従って、空母を守るには、高度なレーダー網とミサイル迎撃能力を備えたコンピューターの塊のような
イージス艦が必須なのだが、中国軍にはそれがない。
6隻体制の空母艦隊は、いわば、【巨大な浮かぶ棺桶】のまま放置されるのだ。
見た目には恐ろしく、東南アジア諸国には圧迫感を与えるだろうが、アメリカ軍にはそう大きな脅威には
ならないだろう。

 それなのに、米軍の軍事予算を10%=約6兆円も増やすのは、世界戦略上は必要な増強であっても、
世界に緊張をもたらすだけの危険なものである。
 実際、昨日の李首相の演説でも、「台湾を含むワンチャイナである!」「香港の独立は認めない!」など、
かなり激しい主張があった。トランプ政権の動きに神経を尖らせている証拠だ。

 今後、米中間で、貿易問題と防衛問題が複雑に絡んだ厳しい状況が展開するであろう。
日本もいずれ巻き込まれて、厳しい局面に立たされるだろう。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 正直な石原氏の記者会見 | トップ | 南スーダンPKO撤収へ »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

安全保障」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。