Gohyaガンコ戦略研究所 ~Transition from Hard-line to Pliant Wisdom~

2010年秋、日本を衰退から救う道を考える事を目的に開設

タカタのエアバッグ事故の意味

2017年06月17日 11時48分56秒 | 経済
 タカタのエアバッグ爆発事故で、10年ほど前から、これまでに全世界で数十人が死亡したとされている。
車の世界生産台数は昨年で95百万台、タカタのシェアが20%というので、それに、さらに、適当な仮定を
置いて計算すると、その発生確率は、非常に荒っぽい仮定の下で計算すると、~0.3ppmレベルである。

  出典>Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/タカタ_(企業)
     タカタのシェア
     タカタ株式会社(Takata Corporation)は、エアバッグ・シートベルト・チャイルドシートなど、
     自動車用安全部品を製造する企業。
     エアバッグでは世界市場でシェア 20%を占めていた(2011年3月期時点)。
  出典>JAMA(日本自動車工業会)、http://www.jama.or.jp/
      2016年の世界全体の四輪車生産台数は、前年より4.5%増加して9,497万7千台となりました。



 普通、ppmの不良品管理さえ難しいので、極々微小な管理ミスの問題だ、と経営陣が軽視した可能性がある。
ところが、その事故が死亡事故と言う重大事である事を考えると、発生確率の低さで安心してはならない。
裁判に発展し多額の賠償金を請求され、官庁が動き出し、規制が厳しくなるからである。
世界中で、数千万台のリコール騒ぎになっており、エアバッグの取り換え費用や裁判費用で、大きな損失が出る。
とうとうたまらず、民事再生法による破産処理をするところまで追い込まれた。
先のパナソニックのプラズマ事業の負債額を超えて、史上最大の負債を負った事業再生となった。

 事故は、その発生確率だけで判断してはならない事は、先の東日本大震災で嫌と言うほど味わった筈だ。
発生確率が如何に低かろうが、その事故の重大さ、被害の甚大さによっては、企業にとって、あるいは、
国にとって、致命傷になるという事だ。
 発生確率が低くても、その被害の甚大さを含めて総合判断して、発生確率の低さに騙されないようにすべきだ。

 この事は従来のppmレベルの厳しいと思われて来た品質管理手法の思想に改革を迫る重大事である。
統計的手法で、事故発生率を推測し、それが、ppmレベル以下であるとしても、それで満足してはならない。
その事故の重大さを推測しなければならない。
もしも爆発事故で、死傷者が出る可能性が推察されるなら、そのメカニズムの徹底解明がなされねばならない。
エアバッグを膨らます方式そのものから見直すべきだ。
決して、統計的推計値だけで安心してはならない。

 ましてや、品質試験は限られたサンプルの抜き取り試験でしか行えない。
母数に限りがあるので、統計的推計値には大きな誤差が含まれる。

 さて、そもそも、事故原因はどこにあるか?
下記サイトに記事が載っているが、日本以外の工場での生産工程に原因があるようだ。
必要な工程管理を行うための機器の電源が入ってなかったという、驚くべき実態が報じられている。
  参照>ThePage、2014.12.09 、https://thepage.jp/detail/20141208-00000008-wordleaf?page=1
     タカタのエアバッグリコール その原因はどこにある?


 仮にそうだとすると、安全性のカギとなる工程は人手でなく、完全自動化してロボットで行うようにすべきだ。
少なくとも、その工程に関する生産上必要な条件がすべてそろっているかどうかの信号を送るセンサーを
付けるべきだ。そのセンサーからの信号がなければ、管理者がその工程のチェックに駆け付けるシステムが
不可欠だ。人手に頼れば、その熟練度や注意力によって製品の出来が異なる危険性がある。

 世界の他の国々で、日本と同じような仕事に熟達した人がいるという前提は成り立たない。
国内の状況で勝手に外国の状況を推察してはならない。
日本の常識は世界の非常識かもしれないと知るべきだ。

 しかし、そもそも、火薬でエアバッグを急膨張させる方式そのものが危険過ぎるのではないか!?
根底から疑って、厳しい眼で、事故を見つめるべきだ。
タカタの経営陣にそういう姿勢があったのかどうか?!
生産優先、販売優先で、事故は確率が小さいと楽観視していなかったか?!
一番問われるべきはそこだろう。

 会社の活動が悪い結果になった時には、大抵は経営陣の対応の悪さが原因だ。
東芝の今の苦境は何代かに亘る社長の粉飾決算から起きている。
悪い話に目をつむり、その場を凌ごうという発想が経営陣に少しでもあれば、事態はさらに悪化するのが通例だ。
悪い時には、根本原因を追究し、思い切って膿を出す覚悟があるのかどうか?!
タカタにはこれが問われる。
そういう姿勢がない会社は法的に整理され、再生されて事業に復帰させてはならない
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